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株式会社奥村組

3次元CADを効果的に活用して、不法投棄物の3次元モデル化を実現。独自の創意工夫で精度向上を図る

株式会社奥村組は1907年の創業以来、100年以上の長きにわたり、全国で土木や建築事業を展開している総合建設会社である。同社では、従業員1人当たりの生産性や作業品質の向上を図るために、土木設計用3次元CAD『AutoCAD Civil 3D』や3次元土木地質CAD/GISソリューション『GEORAMA for Civil 3D』などを積極的に活用している。廃棄物処分場のプロジェクトにおいては、不法投棄物の3次元モデル化にチャレンジし、独自の創意工夫によって推定データの精度向上を実現した。その先進的な取り組みは、業界内でも多くの注目を集めている。

導入の狙い
従業員1人当たりの生産性や作業品質の向上。知恵と工夫の創出
導入システム
土木3次元CAD『AutoCAD Civil 3D』、GEORAMA for Civil 3D、SoilPlus
導入効果
3Dモデル化における埋立不法廃棄物の効率的な分布確認
3次元データによる“見える化”で発注者や周辺住民とのコミュニケーションの円滑化
プレゼンテーション力の向上

CADを使いこなすことが組織力アップにつながる

CADを使いこなすことが組織力アップにつながる

CADを使いこなすことが組織力アップにつながる

株式会社奥村組は土木や建築に関する豊富な技術を有し、これまでに数多くの大型プロジェクトを手がけてきた。現在は設計・施工から維持管理まで含めたライフサイクル全般をサポートし、付加価値の高いサービスで他社との差別化を図っている。またCALS/ECによる電子入札や電子納品に対応するためにいち早くCADを導入し、生産性や品質の向上を図るための有効な手段として積極的に活用している。

「国内の人口減少傾向やグローバル化による海外への生産移転といった社会構造の変化に伴い、建設業界も大きな転換期を迎えています。公共事業も減少し、基盤整備事業としての資源配分が構造物の新規建設から既存物の補修・維持管理へとシフトしています。そのなかで建設業各社も“淘汰”という厳しい現実に直面し、業務効率化によるコスト削減を推進する状況となっています。一方で、土木・建築構造物の品質はこれまで以上に高レベルなものが求められているので、1人当たりの作業効率を高めながら品質向上にも努めなければなりません。その最も有効な手段のひとつがCADの活用です。ここでの“CAD”とは、単なる設計ツールとしてのソフトではありません。現在では、ユーザの想像をはるかに超えた機能を有するCADが開発されています。こうしたツールを使いこなせるか否かによって、企業の組織力アップや個人のスキルアップに大きく影響してくると考えています」と西日本支社 環境技術部 環境課 課長の大塚 義一氏はCAD活用の重要性を指摘する。

実際、同社の土木事業部門では、先に導入していた2次元CAD『AutoCAD LT』を併用しながら、土木設計用3次元CAD『AutoCAD Civil 3D』や3次元土木地質CAD/GISソリューション『GEORAMA for Civil 3D』、地盤・浸透・耐震統合解析システム『SoilPlus』などを効果的に活用している。特に『AutoCAD Civil 3D』は使い勝手がよく、拡張性に優れていると高く評価している。

しかも、施工現場では『AutoCAD Civil 3D』の操作に慣れるまでに時間を要するので、そのネックを解消するためにユーザインターフェースをカスタマイズして利用している。例えば、山岳トンネルの品質検査のケースでは画面の右側に作業メニューを追加し、3次元CADを使ったことがない人でも簡単に操作できる環境を整えている。こうした独自の工夫を施すことにより、同社は3次元CAD利用のメリットを最大限に享受しているのだ。

管理本部 情報システム部長
五十嵐 善一氏

管理本部 情報システム部長
五十嵐 善一氏
「大塚商会さんには、我々ユーザの要望を吸い上げて、CAD製品に反映させていただきたいですね。そうすることによって、開発元であるオートデスクさんも含め、お互いにWin-Winの関係が築けるようになり、3次元CADがいっそう発展していくと思います」

3次元CADを有効活用して、廃棄物の埋立分布を3Dモデル化

今回、同社では大規模不法投棄現場の埋立廃棄物の3次元モデル化にチャレンジしている。一般的に不法投棄の地層は、どこに何がどのように埋まっているのか把握するのは難しい。それを『AutoCAD Civil 3D』や地盤・地質推定ソフトである『GEORAMA for Civil 3D』などを活用し、ゴミの不法投棄の実情を“見える化”する試みを行ったのだ。これは世界でもほとんど例のない取り組みとして多くの注目を浴びている。

まずは、約76万平方メートルの敷地の30箇所近くに上るボーリングデータをもとに基本設計段階で既に作成されていた12断面のCADデータを利用して、そこから地盤・地質推定ソフトによる3次元モデル化に着手した。しかしこの段階では、相当大まかな推定モデルでしかない。というのも、地盤・地質推定ソフトはもともと自然地盤を基準に作られているため、例えば水平な推定境界面などは正確に再現できない。そこで、手作業でダミーポイントを追加してトライ&エラーを行うなど、新たな情報を付加していくことでモデルの精度を上げていった。さらに、EM(Electromagnetic Methods:電磁気)探査(※1)を実施。地表面から地中に磁場を発生させることにより、地下の物質の導電率を測定し、どこにどのようなゴミが分布しているのかを推定したのだ。

今回の案件の稀有な特徴は、最終的には実際に廃棄物を掘り出せるので、推定したモデルの精度を確認しながら、より正確な情報を反映させることで都度3次元モデルの精度を高められた点だ。その結果、EM探査で地質境界線の概略把握やトレンチ調査による地表境界確定をした後に効率的なボーリング位置を決定すれば、追加ボーリング本数の削減と正確な廃棄物の分布状況把握の両立が可能なことがわかった。さらに、EM探査も通常は自然地質を調査するための機器であるが今回、人工地盤にも有効な手段であることが実証された。今回の手法を用いれば、建設用途に限らず土壌汚染対策などにも有効だという。

「ゴミの不法投棄などによる人工的な地層は、物理化学的な地質法則に基づいていない可能性が大きいのです。そのため廃棄物分布の推定理論を追究するよりも、実際に掘り出して得た情報を3次元モデルにフィードバックすることによって、より正確な情報をつかむという現実的な方法が効果的です。そして、その精度の高い3次元データをさまざまな用途に流用することで、実作業に役立たせることとしました」と大塚氏は語る。

例えば、今回の廃棄物処分場の案件では、3次元データを設計計算書や施工計画書の精度向上と作成作業の効率化に役立てている。また、『AutoCAD Civil 3D』と『GEORAMA for Civil 3D』、FEM解析ソフトである『SoilPlus』などを組み合わせることによる地盤改良を考慮した遮水壁の耐震解析や、掘削手順や運土方法に関する施工シミュレーションにも活用している。

この廃棄物処分場の事例では、『AutoCAD Civil 3D』のルート探索機能を使って、掘削土砂を撤去するダンプトラックの走行ルートのシミュレーションも実施している。作業効率を高めるとともに、ダンプトラックが排出するCO2を削減するためのシミュレーションとしても活用できる。環境に配慮した施工が求められる現在、そのような活用に対する顧客ニーズは極めて高くなるといえる。

(※1)EM探査は、平成20年度の廃棄物処理等科学研究『不適正な最終処分システムの環境再生のための社会・技術システムの開発』で実施した。

西日本支社 環境技術部
環境課 課長
大塚 義一氏

西日本支社 環境技術部
環境課 課長
大塚 義一氏
「富士山に登ったときの景色が見る角度によってまったく異なるように、3次元データで視覚的にわかりやすくすると、視点を変えるだけで違った情報が見えてきます。それによって発注者や住民とのコミュニケーションが大きく広がるのではないかと考えています」

客観的なデータに基づいた、3Dによるプレゼンが効果を発揮

廃棄物処分場の案件で作成した3次元データは、発注者である自治体などへのプレゼンテーションでも多大な効果を発揮している。動きのある3次元データを使って、実際に廃棄物処分場のなかを人が歩いているようなプレゼン映像を制作したのだ。それにより、発注者と基本設計を立てた人たちが、完成イメージをすぐに理解して共有できるようになり、新たな要望点なども出しやすくなったという。

「従来は2次元の図面を見せても、図面の理解には個人の経験等による能力格差があったので、相手にイメージがなかなか伝わりにくいケースもありました。しかし、3次元CADの登場によって、専門家でなくとも目に見える形でリアルにイメージを伝えられるようになったのです。そのメリットは非常に大きいと思いますね」と管理本部 情報システム部長の五十嵐 善一氏は3次元データの利点を強調する。

特に廃棄物処分場のように自然環境に配慮すべき案件では、周辺住民や環境保護団体などの第三者に実態を理解してもらうことが重要になる。そのためには理解しやすい視覚的な情報を提示する必要がある。その意味でも3次元CADは重要な役割を果たすという。

「周辺住民の多くは環境問題についてゼロリスクを望みます。しかし、実際にはゼロリスクはあり得ません。そこで客観的なデータに基づいた具体的な対応策をわかりやすく説明するためのコミュニケーションツールとして、3次元CADが役立ちます。客観的な情報を視覚的に見せることによって、周辺住民の理解を得やすくなると考えています」と大塚氏は語る。

その一方、実際に3次元データをプレゼンテーションなどに活用する際には、課題もあるという。「土木用と建築用の3次元CADで作成したデータをまとめてプレゼンしたい場合があるのですが、現状では、それぞれのソフトを起動しないと見ることができないので、互いのCADソフトに共通で使用できる簡単なビューアがあると便利だと思います」と五十嵐氏は語る。

ユーザ会を通じて知識を共有。よりよい社会基盤の構築に貢献

同社は、『AutoCAD Civil 3D』の効果的な活用を推進するために、大塚商会とオートデスク社が旗振り役を行っている「AutoCAD Civil 3Dユーザ会」に積極的に参画している。同ユーザ会は、北海道・関東・関西・中国・四国の5分会で構成されており、五十嵐氏は関西地区の座長も務めている。主な活動として技術者の操作習熟度向上のための合宿やユーザ間の意見交換の場を定期的に開催しており、より使いやすいシステムにするためにユーザの視点からの要望を集めて提示するなど、企業間を越えた建設業界全体を俯瞰した取り組みを行っている。

「土木・建築事業は社会基盤の整備ですから、1社のマンパワーと知識だけでは限界があります。よりよい社会基盤を構築するためには、利害関係を超越して各社の技術者が協力し切磋琢磨しなければなりません。あらゆる知識や情報を集めて、どのように3次元CADを使いこなせばいいのかを考えることはとても重要です。実際に各社が実践していることは小さなことかもしれませんが、それが幾重にも積み重なっていけば、やがては地球環境の保全対策にもつながります。また、人々が望む理想的な社会基盤を作り上げることが可能になります。そのなかで大塚商会さんは、ユーザの意見や要望をCADベンダーに伝えるパイプ役として重要なポジションにあります。その意味では我々にとって大事なパートナーですね」と大塚氏は熱く語る。

特に土木・建築業界では、構造物のライフサイクル全般をサポートする取り組みが重要視されているので、今後は、調査・計画・施工・維持管理におけるすべての情報を一元管理できるトータルマネジメントシステムを構築することが重要なテーマだという。同社は今後も知の連携を強化しながら、3次元CADを有効活用した社会基盤整備に尽力していく考えだ。

地盤・地質推定ソフトは自然地盤の推定ルールに基づいているため、人工地盤ならではの形状を正確に再現できないことがわかった

地盤・地質推定ソフトは自然地盤の推定ルールに基づいているため、人工地盤ならではの形状を正確に再現できないことがわかった

株式会社奥村組

業種 総合建設業
事業内容 土木・建築事業(施工管理、設計、技術開発など)
従業員 2,104名(2009年4月1日現在)

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