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新潟原動機株式会社(IHIグループ)

Autodesk 3ds Maxを活用しAutodesk Showcaseで設計モデルを読み込んで、カタログ表紙用の製品ビジュアルを制作

ニイガタブランドの進化を求めて設計からマーケティングへ、3Dデータを幅広く活用

また新たにカタログを作ることになり、先日、担当営業の方たちと打ち合わせをしました。やはり「表紙をどうする?」という話になり、ほしいアングルの製品写真がない状況でしたので、「プラントエンジニアリンググループに依頼して製品の3Dモデルを作ってもらえば、私が色やアングルを工夫して仕上げます」と回答し、すぐに方向性が決まりました。今までなかった制作パターンが確立できた実感があります。

私が効率的に進められるのはもちろん、営業マンも写真の選択で苦労することがなくなり、本当にメリットばかりですね(佐藤野梨子氏)。

導入システム
  • Autodesk 3ds Max
  • Autodesk Showcase
  • Autodesk Inventor

3Dツールとの出会いがもたらしたもの

「きっかけは海外営業を担当する国際営業グループから届いた、製品のプロモーションビデオ(PV)がほしい、という要望でした」新潟原動機株式会社(以下、新潟原動機)のマーケティングセンターに勤務する佐藤野梨子氏はそう語り始めた。

我が国を代表するエンジンメーカーの1社である新潟原動機は、舶用・陸用のディーゼルエンジンやガスタービン、Zペラなどを国内外に広く営業展開し確固としたブランド力を築き上げているが、海外市場では欧米メーカーも含め競合する。特に近年は動画投稿サイトなどで自社ブランドのPVを流すなど、ビジュアルなプロモーションを仕掛けてくる企業が増えている。中でも新興国を主要ターゲットとする発電プラント関連の営業では、製品の性能や価格と共にメーカーのイメージ的なプロモーションの質が重要なポイントになる。競合他社と戦うためや新たなマーケットを切り開くために、海外営業部隊がPVを営業ツールとして求めたのは当然だろう。営業部隊の幅広い支援を担う企画管理チームの佐藤氏にとっても、それは重要なミッションなのだ。

「早速検討しましたが、調べてみるとPV製作には予想以上のコストがかかると分かりました。そこで上司に相談したところ、社内にCGを制作している部署がある、と教えてくれたのです」

佐藤氏が紹介されたのは、技術センターに属するプラントエンジニアリンググループ(PEG)の製作・施工設計チームだった。PEGは主にガスエンジンによるプラント設計を担う部署で、3DCADを始めオートデスクの多様な3Dツールを駆使して、高度なプラント設計からその技術解説資料や広報資料の作成まで行っている。まさに3次元設計とビジュアライゼーションのエキスパートなのである。

「すぐにPV製作への協力を依頼したところ快諾をいただき、上司と共にPEGへ打ち合わせにお邪魔しました。・・・そこで私はすごいものを見せられ、大きな衝撃を受けたのです」

佐藤氏が触れたのは、Autodesk Inventor(以下、Inventor)などの3DCADで精緻にモデリングされた製品やプラントの3Dモデル。そして、その3DデータからAutodesk 3ds Max(以下、3ds Max)やAutodesk Showcase(以下、Showcase)などの3Dツールを用いて描かれた、多種多様なビジュアライゼーションの世界だった。

「本当に驚きました!」と、佐藤氏は当時の衝撃の大きさを振り返る。営業サポートの一環で営業ツールの制作も行う企画管理チームだが、佐藤氏自身はCGなどの使用経験はなく、オートデスク製品によるビジュアライゼーションに触れるのもほとんど初めてだったのである。

「驚いて・・・そしてすぐに思ったのです。このオートデスク製品によるビジュアライゼーションさえ使いこなせれば、私たち企画管理チームにとって最大の課題だった製品ビジュアルの問題も、解決できるのではないか、と」

新潟原動機株式会社
マーケティングセンター
企画管理チーム
佐藤野梨子氏

上司の指示に基づきビジュアルを制作中

上司の指示に基づきビジュアルを制作中

「やりたくてもやれなかったこと」を3DCGで

「実は当時、製品カタログの制作が困った状態になっていたんです」と佐藤氏は苦笑いを浮かべる。多くの製品をラインアップする新潟原動機では数十種のカタログを使っていたが、表紙フォーマットの規定の存在が周知徹底されておらず、各部門がバラバラで制作しコントロールされていなかった。2015年1月に規定・ガイドラインを示す「カタログ製作マニュアル」を作り上げ、実際に運用してみると、上質感やインパクト不足など課題が多く、1年後にマニュアルの見直しをすることになり、マーケティング活動を支える統一的ブランド戦略が再構築された。

「そこでまた大きな悩みが生まれました」それが前述の製品写真の問題である。製品イメージを伝える製品写真は、カタログの重要な要素だ。しかし、同社の製品写真は明確な撮影ルールもないまま個々に撮影・保存され、さらに組織変更や移転を繰り返すうち一部が散逸してしまったのである。ルールを定めて新規撮影を実施したが、製造機種も多く、それには撮影の日程調整、そしてコストが必要となる。継続的な実施は容易でなかった。

「使いたい製品の写真がどうしても見つからず印刷物を使ったり、向きがバラバラなまま並べたり。フォーマットを統一しても、ビジュアル的に質の低いカタログしか作れませんでした。競合他社のものは、美しい製品写真がきちんと同じ向きに整列しているのに・・・どうすればこんな風にできるのか」ため息をついていた佐藤氏が、PEGの作るビジュアライゼーションに魅せられたのは当然だった。

「美しく仕上げたエンジンのCGを、コストをかけずに自分の手で動かし、理想のアングルや色に仕上げて、カタログやWebへも容易に展開できる!そう気づいた時は興奮しました。やりたくてもやれなかったことがようやくできるんだ、と」やがて製品画像制作への協力を求める佐藤氏に応え、PEGから提案があった。操作を指導するから、佐藤氏自身が3Dツールを使ってみてはどうか、という誘いである。

「異なる組織間で画像のアングルや色味までこだわったやりとりをするのは、確かに手間取りそうでした。それに・・・なんだか楽しそうなので私自身が使ってみたかったんです」

設計部門の3Dデータを元に制作した製品CG

設計部門の3Dデータを元に制作した製品CG

ニイガタブランドを世界の隅々まで伝える

PEGのマシンを用いて行われた佐藤氏への操作教習は実質3時間。それ以降は通常業務の合間に佐藤氏がPEGを訪ねてマシンを借り、製品画像を制作しながら独習していった。前述の通り3Dツールの使用経験はなく、日常使うのもOffice製品だけという佐藤氏だったが、一月もしないうちにShowcaseをひと通り使いこなすようになっていた。

「とにかくこのソフトの操作が面白くて、楽しくて。実際、基本操作さえ身に付ければ色を替えるなどは直感的にでき、とても扱いやすいんです。子どもがお絵かき遊びしているような・・・そんな楽しさがあるのです」

こうして、PEGチームと佐藤氏のタッグによる製品画像のビジュアル制作体制が、予想以上に早く稼働し始めた。すなわち企画管理チームの依頼を受けて、PEGチームが設計データから原型となる3Dモデルをモデリングし、佐藤氏がCG画像に仕上げていくという流れである。

「製品の向きや角度、色味といったイメージは上司の指示で調整します。ネットで繋いで実際に絵を見てもらいながら電話で指示をもらうのです」指示に基づき細かくアングルを変えながら1画像あたり20~30ショットもの候補画像を撮り、その場で上司の判断を仰ぐのだ。こうして徹底的に検討を繰り返しても、仕上がりまでのスピードと完成度はやはり圧倒的だ。カタログ制作トータルで、20〜30%(パーセント)の効率化が実現できたと佐藤氏は言う。

「完成度の高い画像に仕上げて入稿するので、実際のカタログ業者との打ち合わせや校正回数も激減しました。以前は色替えの指示を出しても思いどおりにいかず限界かと諦めたこともしばしばあり、しかもやり直すたびコストが発生していましたが、そういうトラブルも減少しました」

カタログ用に作成したプラントのレイアウトイメージ

いよいよニイガタブランドのイメージと製品の優位性を正しく確実に伝える体制もできてきた、と佐藤氏は言う。自身が制作した新しい製品画像を使い、統一フォーマットに沿って制作したカタログも1冊目が完成し、2冊目の制作も始まっている。同時にWebページのリニューアルも進行しており、佐藤氏はトップページのバナーまで制作した。まさにビジュアライゼーション世界との出会いが、佐藤氏のフィールドを広げ、業務の効率化を推進して同社のマーケティング戦略を一変させたのである。

「私は特にCGの才能があったわけでも、PCが得意だったわけでもありません。ただこれを操作するのが楽しく、完成したカタログを良くなったねと言われた時の達成感が嬉しかったんです。今後はこのビジュアライゼーション活用の強みにさらに磨きをかけ、国内外にニイガタブランドと製品の優位性を発信し、ニイガタをこの先100年もお客様に愛されるブランドにしたいですね」

3Dデータを活用して作成した製品プロモーションムービー1

3Dデータを活用して作成した製品プロモーションムービー2

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