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株式会社寺岡精工

3次元CADで設計、製造の期間短縮。試作コストを削減するとともに3次元データの活用で営業力も向上

製品の設計を2次元CADでなく3次元CADで行うと、そのデータを解析や製造にも活用できるなど、多くの面で合理化が可能になる。しかし「3次元CAD は高価ではないのか」「使いこなせるか不安だ」などの理由で導入をためらっているメーカーが多い。流通小売業用のはかりやPOSレジなどの分野で大きなシェアを持つ株式会社寺岡精工は、3次元CADへ移行するため『Autodesk Inventor』を導入し、そのデータを解析や製造だけでなく営業活動やメンテナンスにも活用して大幅なコスト削減に成功している。

※本ページは大塚商会が発行している 「αソリューション」 から転載したものです。

導入の狙い
設計の3次元CAD化
導入システム
『Autodesk Inventor Series』、『COSMOS DesignSTAR』、3Dプリンタ 、樹脂流動解析
導入効果
設計や製造の合理化とコスト削減

機能だけでなくデザイン性も高い製品群はグッドデザイン賞を受賞している

流通小売業の店舗を総合的にプロデュース

株式会社寺岡精工の製品をすぐ思い浮かべることができる人は少ないかもしれない。しかし、たとえば肉屋へ行って「豚肉を200g」などと注文すると、その分量を店員が量ってくれる。この時、客の側にも店員の側にも重量が表示される電子はかりが使われているのを知っているはずだ。このような流通小売業の現場で使われるはかりの分野で、5割近いシェアを誇っているのが寺岡精工である。

そのほかにも同社では、重量に応じた値札のラベルが印刷できるプリンタ付きのはかりや精算レジ、POSシステム、店舗向け情報システムなど小売店舗で使われるさまざまな設備も製造、販売している。「流通小売業の店舗を総合的にプロデュースできる立場になりたい、というのがわが社の目標です。幸いスーパーマーケットの分野では、はかりだけでなくレジなども含めて、かなり幅広いお付き合いをさせてもらえるようになりました。今後は、これをデパートやコンビニなどの分野にも広げていく計画です。とりわけ、デパートの地下食品街などは最近、かなり売り場の見た目もオシャレに演出する傾向がありますよね。そういう売り場にも置いてもらえるような、デザインのいい製品を提供していきたいと思っています」と技術法務室の世安史郎氏は、同社の基本的なスタンスを語る。 同社の製品の中には、グッドデザイン賞などの各賞を受賞したものも多い。機能だけでなく外観のデザインにも力を入れる同社の姿勢が、そのような形で評価されているのだ。

技術法務室
世安 史郎氏
「最初は実験的に短いプロジェクトで、山田君に『Autodesk Inventor』を使ってみてもらったのです。すると、あまり苦労せずに使えたということだったので、他の部署でも導入を勧めてみることにしました」

アイ・ピー・エス事業部
開発マーケティング課 アーキテクト
山田 敦氏
「最初に使い方を半日か一日ほど説明したうえで各自、実際に使ってもらうと、『そういえば最初の説明の時に、こんなことを言っていたな』などと思い出してもらえるので、操作方法の修得は楽でしたね」

価格と使いやすさで『Autodesk Inventor』を採用

同社では20年くらい前から、製品の設計などにCADを利用しており、さらに21世紀に入ると、それまで使っていた2次元の『AutoCAD』から3次元CADへ移行を検討し始めていた。

「それまでは2次元CADで設計した図面を金型作製するために、3次元化する作業を外注していました。しかし、それでは時間と費用がかかるので、自社で3 次元CADを使おうという方針になったのです。トップからの指示というよりも、CADを使う現場側の社員たちから要望が上がってきた、という感じでしたね。実際、試しに3次元CADを使ってみたら、想像以上に作業が面白かったのです。やはり若い社員は抵抗なく3次元CADを使えましたし、それにつられる形で年配の社員も使い始めました」と世安氏は当時の経緯を振り返る。

同社では他の3次元CADも試用した上で最終的に『Autodesk Inventor』を大塚商会から導入した。最終的な選択理由について世安氏は、「今回、『Autodesk Inventor』を選んだ最大の理由は、価格です。たくさんの製品を量産するメーカーならば、ハイエンドの高価なCADを選んでも元がとれるのでしょう。しかし、わが社の生産数は、そこまで多くありません。ただし、内部の機構はとても精密ですし、デザインに凝っているから曲面が多くなります。それらのニーズに対応できて、しかも、価格が高くないというのが選択のひとつの決め手になりました。それともう一点は、使いやすさですね。実際の設計で何人かが試しに使ってみたところ、ほとんどトレーニングなしで使えたのです。そこで各事業部に提案したら、操作性がよく習得しやすいというポイントが受け入れられ、皆が導入に賛成してくれました」と語る。

アイ・ピー・エス事業部開発マーケティング課 アーキテクトの山田敦氏も、「他に試した3次元CADでは、操作で頭がいっぱいになってしまい、最終的に物を設計するまでには至りませんでした。その点、『Autodesk Inventor』はなじみやすくて簡単に使えました」と、『Autodesk Inventor』の操作性について語る。さらに移行作業についても「2次元CADを使っていた人が3次元CADへ移行する際は、意識の変革が必要です。でも、特別大きな講習会などは行いませんでした。最初に半日か一日だけ使い方を説明し、後は自分でチュートリアルやヘルプを参照してもらいました。しばらくしてから、不明点、知っていると良いコマンドや、方法をおさらいすると、たいていの人が使えるようになったのです。やはり自分で実際に使ってみながら覚えるのが、一番いいようですね」と続ける。

また、少し遅れて導入を開始したリテイルトランザクション事業部リテイルシステム課の石村栄二氏も「質問したいことがあっても、山田も忙しいので、うちの部署では皆でヘルプ画面を見ながら使い方を勉強しました。皆、山田に教わるのではなく、そうやって自分たちで覚えたことを仲間内で教え合っていたようです」と証言する。使い勝手を重視した選択が、スムーズな導入につながったのだ。

リテイルトランザクション事業部
リテイルシステム課
石村 栄二氏
「うちの部署は他の部署に比べて、少し『Autodesk Inventor』の導入が遅れたのです。だから、最初は他の部署の人たちに操作方法を教わろうかとも思ったのですが、実際には自分たちでどうにか覚えられました」

全工程で時間やコストを削減。顧客ヘの提案力も向上

各部署での導入が進み、現在、同社では58シートの『Autodesk Inventor』が利用されている。実際の製品の設計はすべて『Autodesk Inventor』で行っており、その効果は非常に大きいという。「デザイン部門でも、できるだけ『Autodesk Inventor』を使ってデザインを行うようになり、作業効率が向上しました。最初のデザイン段階では、どうしてもケアレスミスが残ってしまう場合があります。たとえば、『この部分はスペースの余裕が少なすぎるので、ネジをはめたら、その頭が別の部品とぶつかってしまう』などというような問題ですね。そういう場合は、内部のメカ機構を検討する部署の方で修正しなければなりません。しかし、デザインから『Autodesk Inventor』で作成されたデータであれば、履歴を必要な所までさかのぼって変更を加えることができます。そのため、データの修正や編集が楽になりました」と山田氏は語る。

また、データ管理においても導入効果が生まれている。「包装機などの複雑な製品は4、5人で設計します。その場合、誰もがデータ編集できてしまうと困るので『Autodesk Vault』を使います。チェックイン、チェックアウトを管理すれば、ひとつのデータを、同時に複数の人間が編集できないようになります」と世安氏は語る。

さらに、「以前は複雑な製品だと設計してから1年半ほど動作確認の実験を繰り返す必要がありましたが、3次元設計でケアレスミスが激減しました。『Autodesk Inventor』では画面上で確認できて、修正できる部分も多いので、試作に必要な期間を大幅に短縮できました。以前はモックアップの試作品の製作を外注していたのですが、RP装置(ラピッドプロトタイピング)を導入し、社内で作れるようになりました。費用も削減できましたし、完成した3次元CADデータを製造などの部署に渡すことにより、後工程での作業も楽になります。特にコスト削減の効果が大きかったのは、金型の製作費ですね。3次元CADのデータを流動解析にもそのまま使えるので、金型の製作費は大幅に削減できました。これらの結果、設計から製造までのすべての段階で時間と費用を大幅に減らせたのです」と世安氏は強調する。

しかも、導入効果は、それだけに留まらない。「新製品を開発している時、営業担当者に2次元の設計図を見せてもイメージをつかんでもらうのが困難でした。しかし、実際の店舗に配置した場合の想像図など、3次元の絵を見てもらうことにより、彼らもイメージしやすくなり、この部分をこうした方がいい、などと活発に意見を出してもらえるようになりました。もちろん、その絵をお客様にも見ていただくことで、わが社としての提案力も向上します。また、お客様に納品した製品の保守メンテナンスを行うサービス部門には、メンテナンス用の図面を渡さなければなりません。製品を分解した状態を示して、ここに使われている部品は何番の何という部品か、といった説明の図面です。以前は、この図面の作成を外注していたのですが、今では『Autodesk Inventor』で作成・出力できるようになったので、その面でも経費が節約できました」と山田氏は語る。

3次元CADソフトのAutodesk Inventorを導入し、設計・製造・営業活動に活用している

作業手順のルール作りや新機能の修得も積極的に

同社では、グッドデザイン賞などを受賞している製品があるが、その設計でも『Autodesk Inventor』が利用されている。「受賞した製品の中には、最初のデザイン段階こそ他の手段で設計しましたが、それを『Autodesk Inventor』に入力しなおして開発したものがあります」と山田氏は語る。

このように、『Autodesk Inventor』を十分に活用している同社だけに、さらなる要望もあるという。「先ほど申し上げたようにサービス部門が使うメンテナンス用の分解図を作る作業も、『Autodesk Inventor』で行う必要があります。しかし、サービス部門では、それ以外に3次元CADを使う機会がありません。その作業のためだけにサービス部門用の『Autodesk Inventor』をわざわざ買うのは、コスト面で無駄ですからね。だから、今は開発や製造など他の部門が、サービス部門のための分解図を作っているのです。でも、その作業は、やはりサービス部門が自分たちでできた方が便利でしょう。だから、『Autodesk Inventor』とは別に、分解図を作るためだけの機能を備えた低価格のツールが出ると助かりますね」と世安氏は期待する。

その一方、自分たちの使い方にも、まだまだ工夫の余地があると考えている。現状の利用方法について「操作方法の自由度が高い分、人によって使い方が千差万別になってしまっている面はあるようです。しかし、誰かが設計したデータを、他の人が編集する場合もありますからね。そういう場合に最初の人がどういう手順で設計したのかが不明だと、どこまで履歴をさかのぼればいいのかがわかりにくく、編集の手間が大きくなってしまったりするのですよ。それを避けるためにも今後、社内で作業手順のルールを決めるべきだと思っています」と世安氏は語る。

導入後、数度のバージョンアップを重ね『Autodesk Inventor』自体も進化している。同社では、新たな機能の使い方の修得についても前向きだ。「大塚商会さんからは、『Autodesk Inventor』のバージョンがアップするたび、いろいろと新しい機能が増えていると聞いています。しかし、なかなか新しい機能の使い方を覚える時間をとれません。だから、せっかく備えられているのに、使いこなせていない機能がたくさんあると思います。それらは大塚商会の方に講習会を行ってもらうなどして、どんどん活用できるようになりたいですね」と山田氏は語る。

こうした積極的な姿勢が、同社の発展につながるだろう。

株式会社寺岡精工

業種 精密機械製造業
事業内容 小売店用電子はかり、POSシステムなどの製造、販売、保守、小売店向け情報システムの提供
従業員 1170名

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