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大陽日酸株式会社

CADシステムのカスタマイズで、高圧ガス配管の見積もりを自動化。作業時間短縮と精度向上を実現

国内最大の産業ガスメーカーである大陽日酸株式会社。鉄鋼、化学、エレクトロニクス、自動車、建設、造船、食品など幅広い分野に、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウムなど、さまざまなガスを安定供給することで日本の産業界を支えている。また、ガスそのものだけでなく、高圧ガス供給装置や関連装置なども開発・生産。特殊な装置だけに汎用CADでは対応できず、手描き図面による設計、積算を行っていた。しかし、積算作業の煩雑さや計算ミスを低減させる必要性を痛感。大塚商会のサポートを受けながらパッケージCADにカスタマイズを重ねることによって、理想的なシステムをつくり上げた。(2008年12月取材)

導入の狙い
高圧ガス配管設備の設計業務を効率化、積算の合理化と精度向上
導入システム
建築設備統合CADシステム『Brain Gear』(カスタマイズ仕様)
導入効果
積算の時間と手間が大幅に削減され計算ミスも解消、設計業務の省力化と標準化を実現

鉄鋼から食品まで、あらゆる企業に産業ガスを提供している

産業に欠かせないあらゆるガスと機器・装置を提供

大陽日酸株式会社は、産業ガス分野で国内最大手、世界でも5位のリーディングカンパニーである。1910(明治43)年創業の日本酸素株式会社と、大陽東洋酸素株式会社が2004(平成16)年に合併して誕生した。取り扱う産業ガスは、酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガス、ヘリウム、ネオン、クリプトンなど幅広く、納入先の業界も鉄鋼、化学、エレクトロニクス、自動車、建設、造船、食品など多岐にわたっている。

例えば、日本の産業界を根幹から支える鉄鋼、化学工業分野では、酸素や窒素が酸化促進剤や雰囲気ガスとして大量に使用されている。自動車、機械、建設などの金属加工分野では、切断、溶接、熱処理などに酸素、窒素、アルゴン、アセチレンなどが不可欠だ。つまり、同社が供給するさまざまな産業ガスは、日本の産業発展や快適な暮らしの実現に欠かせない素材であると言える。

同社は、そうした産業ガスを幅広い製造業者にタイムリーに供給するだけでなく、それぞれの得意先の工場内でガスを製造設備に円滑に供給する装置も開発。大陽日酸エンジニアリング株式会社などの関連会社が、開発されたガス供給装置の製造、得意先工場への設置、メンテナンスなどのサービスを行っている。

さらに、医療用ガスや、タクシーなど、事業用および家庭用のLPガスも提供。装置・機器では宇宙工学に利用される環境試験装置から、生活に身近なステンレス製魔法瓶、コーヒーメーカーにいたるまで、長年の研究技術を応用した多彩な製品群を世に送り続けている。

海外事業にも積極的だ。2006年度にスタートした「グローバル5000 第1次中期経営計画」では「アジア発のメジャーを目指して」をスローガンに掲げ、世界各地でガス供給体制の拡充を図っている。

半導体や液晶表示装置(LCD)などエレクトロニクス分野向けのガス、機器・装置事業を拡大することも大きな目標である。例えば半導体の製造工程においては、シリコンを含んだ産業ガスを素材として注入する必要があるのだが、産業ガスの安定供給がなければ、半導体を使用するパソコンや携帯電話、デジタル家電など電子機器の生産にも大きな影響を及ぼすことになる。

現在、同社はエレクトロニクス分野向けの産業ガス供給において、世界トップクラスの実績を誇る。世界の半導体市場は、日本、韓国、中国、台湾などがシェア6~7割を占めるが、そのほとんどの国・地域の主力半導体メーカーに産業ガスを供給している。

また、エレクトロニクス分野向けのガス、機器・装置供給を担う電子機材事業本部では、パイプラインにより高純度窒素や材料ガスを24時間体制で安定供給するサービスを提供。得意先の半導体製造工場などの隣接地に、高純度窒素製造装置や電子材料ガス供給設備を整えたトータル・ガス・センターを設置し、ガスそのものだけでなく、各種関連機器の設置・メンテナンスを含むトータルソリューションを提供している。

電子機材事業本部
エンジニアリング統括部
エンジニアリング部 エンジ 一課長
坂田 康通氏

電子機材事業本部
エンジニアリング統括部
エンジニアリング部 エンジ 一課長
坂田 康通氏
「現場で使用するエンジニアの意見を聞きながら、現在もカスタマイズを続けています。1~2年以内には完成させたいですね」

長年抱えてきた課題の解決に、『Brain Gear』の機能を活用

大陽日酸の電子機材事業本部において、ガス供給装置などの開発に当たっているエンジニアリング統括部には、長年の課題があった。配管設計と、それに伴う部品積算の合理化だ。

従来は、配管設計は手描きで行い、その図面をもとに管の長さやバルブなどの部品を一つひとつ拾い出し、それを集計することによって見積もりを出していた。

「大規模な半導体工場のガス供給装置の場合、1個2,000円前後の継手やバルブなど、一つひとつの部品単価を積み上げて10億~20億円単位の見積もりを作成しなければなりません。ベテランのエンジニアが3~4人がかりで行っても約2週間かかるほど困難な作業でした」と振り返るのは、同部エンジ 一課長の坂田 康通氏。

同部が開発するガス供給装置の製造・設置・メンテナンスを担当する大陽日酸エンジニアリング 工事統轄部 工事部 電材エンジ課の澤田 正樹氏は、「無理もないことですが、数千個ものバルブを手作業で拾っていくと、集計し直すたびに異なる集計結果となることが少なくありません。積算の作業効率と精度をシステム化によって改善することは、避けて通れない課題だったのです」と語る。

システム化が具体的に動き出したのは2005年のこと。大陽日酸の松枝 寛祐社長が副社長時代に米国の関係会社を訪問した際、その会社では、図面上の配管用部品を自動的に拾い上げるシステムがすでに稼働していることを知ったのがきっかけだ。

「当社でもすぐに導入すべきだ」というトップの意向を受けて、坂田氏や澤田氏らによるプロジェクトチームが結成され、開発がスタートした。

当時、電子機材事業本部は拾い出した集計結果をもとに、自動的に積算するシステムを独自に開発していた。問題は、図面から部品を拾い出す仕組みをどうやって実現するかであった。

そこで注目したのが、大塚商会が提案した建築設備統合CADシステム『Brain Gear』だ。同ソフトは、簡単な基本操作で設備設計ができるうえ、平面図からの3次元モデル自動生成、各種設計計算などの優れた機能を数多く備えている。なかでも作図と同時に部品数量が拾える「積算機能」は、まさしく坂田氏らが求めていたものだった。

CADシステムにおける世界的ベストセラーである「AutoCAD」をベースとして開発・製品化されたことも導入の決め手となった。電子機材事業本部ではすでに「AutoCAD」を導入しており、ライセンス管理の問題などから、ネットワークライセンス方式への移行を検討している時期でもあった。そこで、「AutoCAD」をベースとしている『Brain Gear』へ移行することで、さらなる業務改善を目指したのである。

電子機材事業本部
エンジニアリング統括部
エンジニアリング部 エンジ 一課
今井 尚文氏

電子機材事業本部
エンジニアリング統括部
エンジニアリング部 エンジ 一課
今井 尚文氏
「平面の作図が、簡単に三次元やアイソメにできるのも『Brain Gear』の魅力です。配管同士がぶつかっていないかどうかを確認するのに役立ちます」

大陽日酸エンジニアリング
工事統括部 工事部 電材エンジ課
澤田 正樹氏

大陽日酸エンジニアリング
工事統括部 工事部 電材エンジ課
澤田 正樹氏
「『Brain Gear』を導入したおかげで、経験の有無にかかわらず、誰でも速く、正確に作図や部品の拾い上げができるようになったのは大きな成果です。基本コンセプト通りのカスタマイズが実現したことに満足しています」

大幅な機能強化により、使い勝手と処理速度が向上

しかし、簡単に問題が解決できたわけではなかった。既成の『Brain Gear』は、空調用ダクトや水道用配管などの作図・拾い出しにはそのまま利用できるが、大陽日酸が開発する高圧ガス配管には対応していない。図面から部品を拾い上げるようにするには、8,000品目もの高圧ガス配管用の材料データの読み込みなどのカスタマイズが必要だったのだ。

プロジェクトチームは大塚商会に対し、部品の拾い上げを実現することはもちろん、「手で描くよりも速く、CAD知識がなくても簡単に作図できること」を基本コンセプトとしてカスタマイズを依頼。3年がかりの試行錯誤の末、2008年初めにようやく満足のいくシステムが出来上がったという。

プロジェクトチームの一員であるエンジ 一課の今井 尚文氏は「エクセルの操作さえわかれば、配管を引く、交差させる、バルブをつなぐ、の3つの操作だけで作図できるので非常に簡単です」と使い勝手のよさを評価。実際にシステムで作図・見積もり作業を行っている同課の竹内 基治氏は「手描きだと、作図をしてから部品を拾い上げることになりますが、『Brain Gear』なら同時にできるので大幅に時間短縮されます」と語る。

8,000品目ものデータを読み込ませた結果、当初は処理速度が遅いのが難点だったが、同じく実際にシステムを活用している同部エンジ 二課の新井 理太氏は「機能強化を繰り返した結果、ストレスを感じない速度にまで改善されました」と、満足そうに語った。

処理速度の遅さを嫌って、システム導入後も手描きにこだわり続けるエンジニアもいたというが、システムの改善と、澤田氏らによる社内講習の成果によって、『Brain Gear』を活用できるメンバーは拡大している。澤田氏とともに社内講習で指導を受け持つ大陽日酸エンジニアリング 工事統轄部 工事部の山﨑 美穂氏は「操作が簡単なので、あらかじめ指導用に部材データなどを用意しておけば、すんなり使いこなせるようになるようです」と語る。

使い方にさえ慣れれば、手描きよりもスピーディに作図ができて、部品の計算ミスは解消される。事実「従来の業務フローでは積算までの作業を1カ月程度かけて行った物件でも、『Brain Gear』を利用することで1週間程度で算出できるというサンプル結果も出ております」と澤田氏は語る。

大陽日酸エンジニアリングでは、『Brain Gear』が拾い上げた部品の見積もりデータを発注システムに連動させ、作図をすると同時に部品発注ができる体制まで実現している。

大陽日酸エンジニアリング
工事統括部 工事部
山﨑 美穂氏

大陽日酸エンジニアリング
工事統括部 工事部
山﨑 美穂氏
「わたし自身、社内講習での指導を受け持つ前は『Brain Gear』に対する知識はまったくなかったのですが、操作方法が簡単なので、すぐに覚えることができました」

電子機材事業本部
エンジニアリング統括部
エンジニアリング部 エンジ 一課
竹内 基治氏電子機材事業本部
エンジニアリング統括部
エンジニアリング部 エンジ 一課
竹内 基治氏

電子機材事業本部
エンジニアリング統括部
エンジニアリング部 エンジ 一課
竹内 基治氏
「『Brain Gear』を使った場合と、使わずに手作業で作図から部品の拾い上げまでやった場合とを比べたことがありますが、CAD操作さえマスターできれば、使ったほうがはるかに速く、正確に処理できますね」

新たなシステムを導入し、さらなる業務の合理化を図る

『Brain Gear』のカスタマイズは今後も続く予定だ。「ガス供給設備を設計するには、得意先からの仕様書を一度エンジニアリングしたうえで図面を引く必要があります。仕様書のデータを入れるだけで作図ができるシステムを実現させたいですね。今後も、大塚商会さんの技術サポートに期待しています」と今井氏。

『Brain Gear』のほかにも、大塚商会を通じてさまざまなシステムを導入しており、その活用を通じて業務の合理化を図っていきたい考えだ。

「例えば、文書管理システム『Visual Finder』は個々のエンジニアが保有する技術情報の共有化や機密管理に役立っていますし、遠隔地にあるパソコンのリモート操作やデスクトップ間の共同作業を可能にする『RSup』は、支社や海外拠点とのコミュニケーション強化に一役買っています」と坂田氏。

大陽日酸エンジニアリングでも、本社と支社・営業所などを結ぶPC-TV会議システム「JoinMeeting」を採用して、コミュニケーション強化や出張経費の削減などを実現している。「大塚商会さんには、今後も有益なソリューションをどんどん提案していただきたいですね」と澤田氏は語る。

また今井氏は、大塚商会のサービス体制について、「問い合わせにスピーディに対応してくれるのがありがたいですね。対応に時間がかかる場合も、理由をきちんと説明して善後策を打ってくれる対応に満足しています」と大塚商会のサポートを評価している。

電子機材事業本部
エンジニアリング統括部
エンジニアリング部 エンジ 二課
新井 理太氏

電子機材事業本部
エンジニアリング統括部
エンジニアリング部 エンジ 二課
新井 理太氏
「最初は処理速度が悪く、途中で『Brain Gear』が止まってデータが消えてしまったこともありました。機能強化を繰り返したおかげでずいぶん速くなり、使っていてストレスを感じることがなくなりました」

大陽日酸株式会社のホームページ

大陽日酸株式会社のホームページ

大陽日酸株式会社

業種 ガス供給・装置製造
事業内容 酸素・窒素・アルゴン・炭酸ガス・ヘリウムなどの産業ガス供給、容器・タンクローリー・PSA式ガス製造装置などの機器、機械装置および家庭用品の製造
従業員 1,461名(2008年3月31日現在)

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