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株式会社モリタ製作所

複雑な曲面形状を具現化する3次元CADの有効活用により品質向上と競争力をアップ

医科医療器械器具の製造・販売を行っている株式会社モリタ製作所は、競合他社に先駆け、CADソフトもいち早く導入している。今回、主力製品である歯科治療用チェアーユニットの新製品を開発するにあたり、3次元CADを有効活用。その結果、複雑な曲面形状に容易に対応できるようになり、新製品の品質向上を実現。3次元データをもとに作られた美しいフォルムの製品は、海外の工業デザイナーからも高い評価を得ており、同社のイメージアップにも大きく貢献。企業競争力を高めることに成功している。

※本ページは大塚商会が発行している 「αソリューション」 から転載したものです。
※2003年11月取材

導入の狙い
新製品開発における3次元CADの活用
導入システム
ハイエンド3次元CAD『Unigraphics』など
導入効果
複雑な曲面形状に容易に対応できるようになり、企業競争力がアップ

3次元CADでチェアーユニットの美しいフォルムを設計

3次元CADでチェアーユニットの美しいフォルムを設計

複雑な曲面形状に対応できる3次元CADで新製品を開発

株式会社モリタ製作所は1916年の創業以来、医療機器の製造メーカーとして医科医療器械器具の製造・販売を行っている。業界でもトップクラスのシェアを誇り、京都の本社工場を中心に、埼玉と福岡の国内営業所に加え、シンガポールとドイツにも駐在事務所を設置。同社の製品は海外でも高い評価を得ている。「すべてのテクノロジーは人中心である」を製品哲学に掲げ、その哲学を形にした代表的製品である歯科治療用のチェアーユニット『スペースラインシリーズ』は、歯科医師のスムーズな操作性と、患者心理を考慮し、患者が寝ている状態で医師が座って治療するという、現在の水平診療の概念を世界で始めて具現化した製品だ。1963年の発売以来、歯科診療における不変的なコンセプトとして脈々と受け継がれている。昨年10月に発表した新製品『スペースラインセプタス』は、シンプルななかに高級感を醸し出すヨーロピアンデザインを取り入れ、より洗練されたフォルムを生み出している。そして、その曲面形状を多用したデザインを具現化するために、同社は3次元CADを有効活用している。

その開発経緯について、技術開発部部長の森 恵介氏は、「人間工学に基づきながら、スマートで高級感のあるものを表現するために、工業デザイナーのチームと何度も議論を重ね、現在のデザインを採用しました。

ミリ単位のカーブの違いで微妙なバランスが崩れてしまうので、非常に開発しづらいものでしたが、3次元CADを使うことによって、複雑な曲面形状もリアルに表現できるようになり、その3次元データをもとに金型を作り、イメージ通りの製品に効率的に仕上げることができました。おかげで出展した海外の展示会でも好評で、あるイタリア人の工業デザイナーから、この会場で一番美しいフォルムだと絶賛されました。仮に2次元CADを使っていたならば、金型を作る段階でもっと苦労していたでしょうね」と振り返る。

同社は、10年程前から『AutoCAD』をはじめとする2次元CADを導入。その後、製品デザインの複雑な曲面形状に対応するため、ミッドレンジの3次元CAD『SolidWorks』やハイエンドの3次元CAD『Unigraphics』なども積極的に導入し、開発用途に応じてさまざまなCADソフトを使い分けている。また、CADシステムのインフラとして、ファイルサーバやNAS(Network AttachedStorage)なども導入し、先進的な開発環境を整えている。

技術開発部部長
森 恵介氏

技術開発部部長
森 恵介氏
「大塚商会さんから3次元CADを導入させていただき、ようやく当社も3次元CADを扱える人が増えてきました。複雑な曲面形状も設計段階でリアルに表現でき、それを具現化した美しいデザインの製品は、お客様から高い評価を得ています」

イメージ通りの仕上がりで3次元CADの導入効果を実感

実際に『スペースラインセプタス』の新製品開発において、3次元CADを利用した技術開発部設計2課の大槻 拓也氏は、3次元CADの導入目的について次のように語る。

「自由曲面の形状に対応した設計が多くなるにつれ、2次元CADだけでは対応しきれなくなってきました。2次元図面で曲線を描くと、実際にどんな形に仕上がるのか予想することが難しく、本当に自分が思っていたものが出来上がるのか常に不安があります。また、設計段階で頭に描いていたイメージと成型した後のイメージが異なることが多いので、効率的な開発を行うためには、そのギャップを埋める必要がありました。その点、3次元CADを使えば、イメージ通りに仕上がるので効果的だと考えたのです。というのも、取引先に発注する板金成型の価格は1千万円くらいかかります。もしもイメージどおりの成型品に仕上がらなければ、また作り直さなければならないので、いわば必要に迫られて3次元CADを使い始めたのです」

入社7年目の大槻氏は、3次元CADの講習を受けたことのある先輩社員に操作のやり方などを教わりながら、自ら率先して3次元CADの活用にトライした。当初は戸惑うこともあったが、わずかな期間で3次元の設計図面を完成させ、その優れた効果を社内で実証している。

「当時は、社内でも3次元データで金型を設計しようとは誰も思わなかったので、実際にきちんと完成するかどうか不安でした。本体の各パーツはそれぞれ別の取引先に成型を依頼しているので、3次元CADを導入する以前は、成型品が出来上がった段階で本体とカバーなどがピッタリ一致しないことが多く、今回も3次元CADを使用していなければ、その調整に相当な時間を要していたはずです。その点、リアルな3次元データで設計したことによって、カバーなどの成型品が完全にピッタリとはいかないまでも、ほぼそれに近い状態で出来上がってきました。特に曲面部分を合わせるのは非常に難しいのですが、その辺が非常にうまくいったので、改めて3次元CADの効果を実感しました」と大槻氏は語る。

技術開発部設計2課 大槻 拓也氏

技術開発部設計2課
大槻 拓也氏
「2次元で曲線を描くと、実際にどんな形に仕上がるのか予想することが難しく、自分の思い描いていたものが本当に出来上がるのか常に不安があります。その点、3次元CADを使えば、確実にイメージ通りに仕上がるので効果は絶大です」

3次元データの活用により解析作業の効率もアップ

同社では、『COSMOSWorks』などの3次元CADに対応した構造解析ツールも導入しており、正確な解析結果がすぐに得られることも、3次元CADの大きな導入効果のひとつになっている。「以前は基本的に手計算で解析を行っていました。手計算の場合は、慣れている人と慣れてない人、あるいは、得意な人とそうでない人がいるので、解析結果が間違っている可能性もあるわけです。また、形状が複雑なものは、大雑把な解析しかできません。その点、3次元データをもとにコンピュータで解析することによって、極端な間違いはなくなります。実際に3次元データで解析まで行っている部署は、新製品の研究開発部門などまだ一部ですが、手作業に比べて作業効率もかなりよくなりましたね」と大槻氏は3次元CADの導入効果を強調する。

このように同社では、3次元CADを導入したことにより、複雑な曲面形状にも容易に対応できるようになり、なおかつ、解析作業も効率的に行える環境が整った。その一方で、作業効率の向上という面では、現状の3次元CADだけでは難しい面もあるという。

「ハイエンドの3次元CADを使うと、複雑な形状の製品も思い通りに出来上がるので、そういう部分では非常に役立ちますが、その反面、設定しなければならない項目が多いので、かえって手間と時間がかかることもあります。一方、ミッドレンジの3次元CADは、設定項目が少なく操作性に優れていますが、複雑な形状のものは苦手です。ですから、理想を言えば、ハイエンドの3次元CADの奥深さとミッドレンジの3次元CADの使い勝手の良さを兼ね備えた製品があると、さらに便利になると思いますね。また、ブロック状で構成されているような簡単な形状の製品は、2次元CADの方が早く設計できるケースもありますから、現状では、2次元CADを含め、用途に応じて上手にCADソフトを使い分けることが重要なポイントになっています」と大槻氏は作業効率を高めるためにCADソフトの使い分けが重要だと指摘する。

3次元スキルアップのため大塚商会の教育サポートに期待

同社では、設計部門によって2次元CADだけを使っているところもあれば、ハイエンドの3次元CADを中心に使っているところもあり、それぞれの用途に応じた使いやすいCADソフトを選択して活用しているが、今後は、3次元CADの社内教育にも力を注いでいく考えだ。

「昔の3次元CADは、設計する際の定義が難しかったので、年配の社員のなかには、3次元CADは難しいものだという固定観念があるようです。そのため、3次元CADに積極的に移行できない人もいます。また、すでに3次元CADを使っている人でも、モデリングするときだけに使っている人も多いので、今後は、3次元CADに対する個々人のスキルをある程度の水準まで高めていく教育も必要になるでしょうね。その点、大塚商会さんから、3次元CADの教育サポートサービスのご提案をいただいているので、今後は積極的に活用していきたいです。特に3次元CAD全般の基本的な考え方を習得できるような教育メニューがあるといいですね」と大槻氏は大塚商会の教育サポートに期待を寄せる。

さらに、今後の展開として、開発した成型品を3次元データとして取り込むことなども視野に入れている。「3次元データをもとに成型品を開発する実績はできましたが、今後は、成型品を削ったりして修正したものを3次元データに反映させたり、あるいは、3次元データと成型品の形状が合っているかどうかをきちんと検査できるような仕組みを整えたいです。ただ、立体物を3次元データ化する3次元スキャナーは高価ですし、外注してもそこまで対応できるところは少ないですから、具体的な運用方法については今後の課題ですね。また、社内で複数のCADソフトを使っているので、今後はデータ変換ソフトなども必要になるでしょう」と大槻氏は語る。

こうした課題は、製品の更なる品質向上を追求するためのものであり、実際には、3次元CADの活用で同社の競争力は確実にアップしている。特に歯科医療器具では、デザインの良さも重要な選定要素になっているので、複雑なデザインも容易に具現化できる3次元CADはまさに必要不可欠であり、同社の企業競争力を高めるうえで大きな武器となるだろう。

3次元ハイエンドCADを使って制作した新製品『スペースラインセプタス』

3次元ハイエンドCADを使って制作した新製品『スペースラインセプタス』

株式会社モリタ製作所のホームページ

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株式会社モリタ製作所

業界 製造
事業内容 医科医療器械器具の製造・販売
主要生産品目 医科用X線CT装置、非破壊検査小型X線用機器、医科用切削機器、医科用レーザー機器、耳鼻咽喉科用診療ユニット・チェアー、聴力検査機器、産婦人科検診台・分娩台、泌尿器科用検診台、泌尿器用治療機器、小動物用治療機
従業員数 549名(2003年3月現在)
CADソフト AIS5(AutoCADを使用)+AUTOMECH 24台/AutoCAD 20台/ACM 1本/AutoCAD LT 3台
Solidworks 14本/COSMOSWorks 2ライセンス Flowworks 1ライセンス/VISI 1本
PowerPCB 6セット/Unigraphics 3ライセンス

株式会社モリタ製作所社屋

京都に本社を置くモリタ製作所は業界トップクラスのシェアと品質を誇る。

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