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株式会社ニデック

株式会社ニデック

「新たな技術への対応・高機能で使い勝手の良い機器の開発・商品価値を高めるデザイン性。その全てに対応する為にはSolidWorks は欠かせません」

医療機器開発本部 執行役員本部長 林昭宏 氏
医療機器開発本部 網膜診断機器グループ 網膜診断機器開発チーム
課長 磯貝直己 氏 / 技師 山本光男 氏 / 青木健治 氏

株式会社ニデック

「見えないものを見えるようにしたい」「眼に関する優れた機器を作りたい」という想いをもった技術者によって1971年に設立された株式会社ニデック。ものづくり王国・愛知を代表する企業として県が選定する『愛知ブランド企業』にも選ばれている(2003年度から継続認定)。多くの製品が世界市場でトップクラスのシェアを有するニデックの機器開発にSolidWorksがどのような役割を果たしているのか、磯貝課長を中心に、医療機器開発本部の方々にお話を伺った。また3人の上司であり10年前のSolidWorksの導入に関わられた、医療機器開発本部の林本部長にも同席いただいた。

ニデックの開発体制について

― ニデック様と、御社の開発体制について簡単にご紹介いただけますか。

当社は、眼科医向けの手術機器や眼鏡店向けの検査機器などを中心に、眼や視覚に関する商品を開発・製造・販売しています。当社の製品は世界120ヶ国以上で販売され、全売上に占めるその比率は約50%にのぼります。社員数は約1,400人で、愛知県蒲郡市内に2つの研究施設と本社工場をはじめ5つの生産拠点を持っています。

― 御社の業務の中心となる医療機器開発部門は、どのようにチーム分けされているのですか。

レーシックと呼ばれる角膜屈折矯正手術や白内障の手術などに用いられる手術機器を開発するチーム、眼圧や眼軸長(角膜から網膜までの眼球の長さのこと)などを測定する検眼装置を開発するチームなど、商品カテゴリー別に6つのチームに分かれています。ちなみに私どもの「網膜診断機器グループ」というのは、眼底の状態を調べるための診断機などを手がけています。

― 眼鏡店などで御社の視力測定機が幅広く使われていると伺ったので、事前にお店で拝見してきました。測定器といえばもっと無骨なものをイメージしていたのですが、曲面を多用したデザインだったので驚きました。

ご覧になられたのはおそらくオートレフラクトメータといって目の屈折力を自動測定する器械だと思います。ニデックがトップシェアを持っている製品群の内の一つです。今日、意匠デザインの善し悪しは商品価値を決める極めて重要なファクターです。日本よりも海外、特にヨーロッパ市場においては、特にその傾向が強いですね。今や「眼鏡」というのは、ただ単に視力を矯正する道具というだけでなく、重要なファッションアイテムになっています。そんな商品を扱う眼鏡店に設置される機器は、品質だけでなく見た目も洗練されている必要があります。

オートレフラクトメータ『AR-360A』

オートレフラクトメータ『AR-360A』

― 機器の種類によっても違うのでしょうが、機能や性能を競い合う段階が過ぎて一段落したために、現在は競争の土俵がデザインに移ってきているということでしょうか。

そうではありません。目というのはやはり極めて複雑な器官ですから、まだわからないこともたくさんあります。新事実が解明されれば、その知見を取り入れた新たな技術開発に取り組んで行かなくてはなりません。加えて、高機能であるだけでなくいかに使い勝手の良い機器にしていくかというのも重要なテーマです。そして商品価値を高めるためのデザイン性。この3つを同時に日々追求していく必要があります。そういう意味ではクルマの開発などに近いかもしれませんね。

コスト、使い易さ、稼働OSなどを考慮した上での採用

― 試作回数の低減や手戻りの防止、材料コストの抑制など、「いかにコストを削減し開発リードタイムを短縮するか」といった理由で、3次元CADを導入されるケースが多いようですが、御社の場合はどのような経緯だったのでしょうか。

むろんそういった点も重要です。ただ当社の場合は、第一義的な導入目的は「品質をいかにして向上させるか」ということでした。製品が高度化・複雑化するに従い、設計に対する要求も益々厳しくなってきます。医療機器の場合は、品質上の問題を抱えていたり故障しやすい製品を市場に送り出すことは、患者様やドクターの方々に多大なご迷惑をお掛けすることになります。医療機器メーカーとして、それを回避する意味でも、3次元CADを用いた設計が必要だと判断しました。90年代後半のことです。

林 本部長

林 本部長

― 3次元化するとどのように品質の向上が期待できるか、もう少し詳しくご説明いただけますか。

それまでの当社は2次元CADで開発を行っていました。設計者は2次元の図面を頭の中で重ね合わせながら、想像の世界というか頭の中でイメージを膨らませながら描いていたわけですね。より具体的でリアリティのある3次元画像を確認しながらであれば、ミスを犯す確率を格段に減らすことができます。

また設計には、設計者が描いた図面が正しいかどうかを検証する「検図」というプロセスがつきものです。その際に「要所要所に正しい寸法が入っているかどうか」といったチェックは当然入るわけですが、本当にその設計があらゆる面から見て適切なのか、例えば「機器のどこにも強度不足の箇所がないか」など、その妥当性についての検証を2次元CADのみの環境で行うのは決して容易なことではありません。

3次元CADを導入するということは、画面上で仮想試作ができるということを意味します。設計者のように図面を見慣れていない人であってもその案について理解・評価できるということです。実際に試作をする前の段階で、開発部門だけでなく、生産技術、製造、営業やサービスなど、様々な立場でその製品に関わる人々から、知恵を出してもらえるのは品質を向上させる上で有益なことです。

― 当初、御社が導入された3次元CADシステムは、SolidWorksではなかったそうですね。

最初に試験的に導入したのは、UNIX上で動くいわゆるハイエンドクラスの製品でした。97年のことです。もちろん高機能ではあったのですが、製品自体の価格が高いことに加え、サポート費用やトレーニングの受講費用など、その他のコスト負担もかなりのものでした。当時の担当者にヒアリングしてみたのですが、ベンダー企業の対応や姿勢も我々ユーザー企業からすれば必ずしも満足のいくものではなかったようです。それで他の選択肢も検討してみようということになり、ソリッドワークス・ジャパンさんと大塚商会さんからSolidWorksについての提案を受けたわけです。その際、約1ヶ月SolidWorksを借りて実際の設計業務に適用できるか確認もしました。

磯貝課長

磯貝課長

― 最終的にはどのような点を考慮されて意思決定されたのでしょうか。

3次元CADを使ったことのないメンバーが、SolidWorksをどれくらいの時間や労力でマスターすることができるのか。またそれまでハイエンド商品を使ってきたメンバーは、自らが利用してきたソフトとSolidWorksを比べてどのように評価するのか。またSolidWorksを使われている企業様に伺って、その使い勝手についてのご意見を伺ってみたりもしました。そうした検討の結果、「習熟のし易さはSolidWorksが勝る」「実用上問題なし」との結論に至りました。

SolidWorksの活用状況

― 医療機器開発本部では、現時点でどれくらいの方がSolidWorksを利用されているのでしょうか。

開発本部内は、商品化カテゴリー別に6つのチームに分かれているというお話を先ほどしたかと思います。それぞれのチームは、メカ設計、電気、ソフトウェア、光学関係など、それぞれ異なる分野の担当者から構成されています。それぞれの開発チームでメカ設計や光学分野を担っているメンバーを中心に、 SolidWorksを使って機器内部の機構的な部分や、最も重要な測定部、外観などの設計を行っています。

光干渉断層計『RS-3000』

光干渉断層計『RS-3000』

SolidWorksによる設計モデル

SolidWorksによる設計モデル

※『RS-3000』・・・網膜の総合解析や緑内障の早期発見などに利用される

― 最も利用価値を感じられるのはどういった点でしょうか。

ミスのない設計をするという観点でいうならば、やはり干渉の問題が大きいです。デザインというのは人によって好みが分かれるものですが、唯一共通しているのは「大きいモノは嫌われる」ということです。複雑な機器をコンパクトに仕上げようとすればするほど、「可動部分が他の部位に接触してしまう」「中の機構部品が外側を覆うカバーに収まりきらない」といったことがどうしても起こりやすくなります。3次元化によってそうしたミスが完全に回避できるとは限りませんが、凡ミスは確実に減らすことができます。

デザインの重要性については先ほどもお話ししましたが、我々は世界中から優れたインダストリアルデザイナーを探して起用します。彼らとも基本的には SolidWorks形式でインターネットを介してデータのやりとりをしながらコラボレーションしていますので、修正も実にスムーズに行うことができます。ヨーロッパの子会社のメンバーと設計を分担することもありますが、彼らとの間でも同様です。結果的にトライアンドエラーのサイクルが速くなり、良いデザインに仕上げていくのに要する期間が飛躍的に短くなりました。

また、最近は多くの部品メーカーにおいて、自社のWebサイト内で取り扱い部品の3次元データをSolidWorks形式のデータでダウンロードできるようになっています。従来ですと、場合によっては自分でわざわざ図面を起こしてみてその部品が使えるかどうか確かめる必要がありました。現在では SolidWorks形式のデータをダウンロードすれば直ぐに組付性などの検証ができる為、製品に適した部品をいち早く選択できるようになりました。

RS-3000システム(写真左)とSolidWorksによるアセンブリモデル(写真右)

― 今お話しいただいたのは製品そのものの設計についてのことだと思いますが、それ以外の分野ではどうですか。

生産技術部では、我々が設計した機器の構造や組立性などを検証するプロセスがあり、そういったところでもSolidWorksが活用されています。先ほどお話しした干渉の問題はもちろんですが、それ以外に、完成品としては成立しているけれど、ある生産プロセスにおいて、次の部品をネジで取り付けるのに、実際にドライバーを差し込む空間が確保できるかといったこと等々。ものを作り出す前に、生産技術の側からCAD上で検証するわけです。また設計した機器を組み立てたり分解するための手順書をつくったり、生産現場で使う治具の設計等にもSolidWorksを使っています。

山本光男 氏

山本光男 氏

― 新たな入社者に対する研修・教育も社内で行っているのですか。

研修・教育に関しては、昔のように日数をしっかり確保してやってはいないです。現在の基本研修は1日ぐらいではないしょうか。SolidWorksの場合、操作がわかりやすいので、最低限のことはすぐにできるようになります。後は、周りの先輩に尋ねたりしながら、単純な鈑金部品を図面に興したり、先輩が設計したものの一部を改良したりといったところからスタートしますが、若いメンバーほど短期間で使いこなせるようになります。

青木健治 氏

青木健治 氏

人体モデルを活用することでより使いやすい製品を

― 10年間にも及ぶ運用実績を踏まえて、御社なりの使い方のコツのようなものがあれば教えて下さい。

最初から全ての機能を使いこなせるはずもありません。まずは基本的な機能、必要とする機能から使い始めれば良いと思います。エンジニアには、「使えるものは何でも使ってやろう」という性(さが)というか習性のようなものがあると思います。だから、何か新しい図が必要になったり、新たな検証が必要になった場合に、「それってSolidWorksでできないかな?」と皆で考えてみるようにしています。

― 何か具体的な例を挙げてご説明いただけますか。

機器の部位同士が接触しないかというオーソドックスな干渉問題については先ほどご説明しましたが、我々はそこから一歩踏み込んで、人体モデルデータを使った設計検証を行っています。機器の台に患者さんの顔を乗せるなどした状態で使われるため、メカ同士の干渉だけではなく、可動部を動かした際に患者さんの目に当たったりしないか、身体とメカの干渉の可能性についても検証する必要があるわけです。顔や人体のモデルデータを使って、SolidWorks上で確認することで、今では試作機をつくる前にそうしたリスクを洗い出すことができるようになりました。

― なるほど、そんな使い方もできるのですね。

単に試作回数が減らせて効率化できるということだけではありません。日本人と欧米人の体格の違いについてはよく言われるところですが、顔の形とて同様です。我々日本人では考えられないほど、奥目で鼻が高いような方もいます。海外マーケットで売る以上、当然そうしたことも考慮する必要がありますが、世界中からあらゆるタイプの方を連れてきて確かめるわけにもいきません。そういう面でも、設計品質向上に一役買ってくれています。

我々は患者さんのことだけでなく測定者のことも考える必要があります。小柄な女性看護師の方でも、必要な場所にちゃんと手が届いて操作をすることができるか等、使う方のことも最大限配慮した設計が求められています。

― SolidWorksSimulationのライセンスもお持ちですが、解析分野での利用についてはいかがですか。

主に構造解析を使って設計の検証を行っています。ある機器でガラス部品を鈑金部品で押さえる箇所があるのですが、力の掛かり方によっては、ガラスが割れてしまったり、歪んでしまう危険性があります。ガラスが歪むとそれによってできる像も歪んでしまいますので、そういった現象が起きぬよう応力の掛かり方を検証する際に解析機能を使っています。また、装置のアーム部分の付け根などの強度の解析を行っています。

ベンダーとメーカーへの評価と要望

― SolidWorksベンダーとして大塚商会に対してはどのように評価されていますか。

直接問い合わせることはないのですが、「SolidWorksでこういうことはできますか?」「SolidWorksを使っていてこんな問題が生じたのですが、どのように対処すべきか」など、こちらからの問い合わせに対して、大塚商会さんからどのようなレスポンスがあったのか、そういう情報を共有する電子掲示板が社内にあります。それを拝見している限り、いつもスピーディに対応してくださって助かっています。

― SolidWorksの機能などについてはどのようにお考えですか。

是非とも改善を要望したいのは、バージョンの違いに伴う互換性の問題です。社内における情報共有については統一したバージョンを利用しているので問題ないのですが、社外のデザイン会社は我々の都合とは関係なくバージョンアップしますから、最新の形式でデータを送ってこられると、ファイルを開くこともできなくなってしまいます。IGESやSTEPなどの中間ファイル形式に変換したデータを再送してもらえれば内容を確認はできるのですが、変換をしなくてもファイルを開けるようにしてもらいたいですね。

また、ある機能やコマンドについて調べたい時、オンラインヘルプの記述では簡単すぎるので、具体的な使用例などが示された、もう少し使い勝手の良いリファレンス的な位置づけのドキュメントがあると良いと思います。

今後の展望

― 最後に今後の課題を教えて下さい。設計を担う皆さんには、経営サイドや社内他部門からどのようなことが期待されているのでしょうか。

一言でいうならば「売れる製品を開発せよ」ということになってしまうのですが(笑)。「ものを見ることができなかった方が、見えるようになる」「患者さんや眼科医の方々の悩みが解決する」ことに貢献するのが我々の仕事です。SolidWorksの力も借りながら、お客様にとっての「高品質」「豊かなデザイン性」「優れたユーザビリティ」という3条件を満たす機器の開発を通じて、感動や満足をお届けできればと思います。

お忙しい中、ありがとうございました。

株式会社ニデックのWebサイト

※ 取材日時 2010年5月
※ 取材制作:カスタマワイズ

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