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旭精工株式会社

旭精工株式会社

ゲーム機に組み込むお金の処理機をメインに製造販売する旭精工は20年前から3次元設計を行っている。導入当初から2次元図面への変換や書き出しは基本的に行わず、3次元データの受け渡しで成果をあげているという。同社機械設計課課長代理 山宮毅人氏に、3次元CAD運用のコツなどについて詳しく聞いた。

旭精工株式会社

旭精工の業態~お金の判別・処理機メーカー

― 旭精工の業態について教えてください。

旭精工は、ゲーム機、自販機などに組み込まれるお金の判別・処理機メーカーです。主力製品は、コインホッパー(硬貨の払い出し装置)とコインセレクター(判別機)です。ほかには両替機、メダル貸機、売上管理システムなどがあります。これら製品を大手ゲーム機メーカーや全国のアミューズメント施設等に直接販売を行っています。

南青山の本社のほか八王子分室、栃木工場、埼玉工場、アメリカ(ラスベガス)、イギリスと、拠点は国内外合わせて5つあります。 社員総数は305名です。

旭精工 埼玉工場

旭精工 埼玉工場

「3次元データの受け渡し」を実現

― 旭精工では製品設計から製造まで、SolidWorksを活用して3次元データの受け渡しを実現していると伺いました。そこで今日は、「2次元図面を使わずに運用するコツ」について詳しく伺いたいと思います。まず、旭精工の製品の設計から製造までの簡単な流れを教えて下さい。

では主力商品であるコインセレクターを例に取ってご説明しましょう。コインセレクターとは、ゲーム機の中に組み込まれる貨幣判別の機構です。SolidWorksで3次元設計を行い、モデルができたところで試作部品を製作します。

板金部品は板金用のアドオンソフトのSheetWorksで加工用データを作成しています。またスイッチのふたなど樹脂成形の試作品はマシニングセンタで樹脂のワークを加工して作成します。

次に装置全体の試作を行います。コインセレクターはあまり大きなものではありませんので、設計課の机上で部品の組立を行ってテストを行い、NGであれば第2回の試作を行います。ゴーサインが出たところで量産品の金型製作になります。CAMに3次元データを送り、一部は外注業者に発注します。その後量産体制に入り、工場で部品を生産し、組立を行います。

硬貨、お札を判別するコインセレクター(左)とその3次元モデル(右)

硬貨、お札を判別するコインセレクター(左)とその3次元モデル(右)

― その間、2次元図面(平面図)は全く使用しないのですか。

2次元図面はSolidWorksの図面機能を使って出力はしますが、あくまで「証文」「伝票」のような位置づけで、主に管理配布用のものです。設計から製造へのプロセスの中で、平面図に変換しないと仕事が流れない、ということはありません。金型業者など外注業者にも3次元データで受け渡しますし、CAMに受け渡す試作データも図面化はせず、3次元データをそのまま使っています。

特に意識してそうしているわけではなく、導入当初から当たり前のようにこのやり方で行っているというのが実情です。こうしなければ、おそらくこの業界では勝負にならなかったと思います。

2次元図面のデメリット

― 「勝負にならない」とは?

アミューズメント業界は流れが速い業界です。ゲーム機の組込機構を作る私たちもゲーム機メーカーと同様のスピードが要求されます。「あの時期だったら売れたけど、3ヶ月遅れたからもう売れない」というように、タイミングをずらずと商機を逸してしまいます。

たとえばお客様から、「半年後にこういうゲーム機を量産していきたい。ついては2~3ヶ月以内には試作を作ってテストをしたいので、こんなコインホッパーができないか」という要望があれば、3ヶ月以内に新モデルを完成してお客様に渡さなければなりません。設計に1ヶ月、試作に1ヶ月、金型発注、組立をして3ヶ月で完成することが必要です。

「コインホッパー」の3次元モデル

「コインホッパー」の3次元モデル

こういう状況で図面書き起こしをするのは無駄です。製品にはレバーやボタンなどの一部に樹脂を使っており、樹脂の図面は断面図など特に複雑になりますので、もしこれをいちいち図面化していたらそれだけで1ヶ月はかかってしまうでしょう。また、図面は読み込みにも時間がかかります。

― 「読み込みに時間がかかる」とは?

平面図から全体の形状を理解するのには図面を受けた人が「読み込み」が必要で、金型業者に図面で渡せば図面の読み込みだけで1~2週間かかるでしょう。また、「読み間違い」によるロスも起きやすくなります。3次元データをそのまま渡せば、平面図の半分の時間で金型製作ができてしまいます。

かつて旭精工で平面図を使っていた時には、商品開発に1年かかっていました。でも今は1ヶ月、つまり12分の1になっています。

20年前にドラフターから3次元CADへシフト

― 旭精工ではいつから3次元CADを使っているのでしょうか。

'88年にUNIXベースのハイエンド3次元CAD(製品A)を6台導入したのが最初ですので、もう20年以上3次元CADを使っていることになります。それまではドラフターによる手描き設計でした。私はその数ヶ月前に入社し、CADの導入担当者として製品選定や定着のための教育を行いました。

― 約20年前の'88年では、CADといえば2次元が主流だったと思いますが、そこで3次元CADを導入したのはなぜですか。

製造業である私たちが作ろうとしているものは3次元の形状をしている立体物ですから、設計も3次元で行うのが自然だからです。3次元のものを平面図で作っていけば作る課程で必ず無駄が生じます。

余裕のある大企業であれば、手間や時間がかかってもなじみやすい「平面図」を優先させてもよいのかもしれません。でも小規模の会社で、少人数体制で新しい製品を作っていこうとする場合には、導入のハードルは高くても効率のよい3次元設計を最初から行うべきだと思いました。当時UNIXのマシンは3次元CADがセットになって1台1500万円という高価なものでしたが、社長にもご理解をいただきました。

「モノはすべて3次元ですから2次元の図面を作るのは意味がありません」

「モノはすべて3次元ですから2次元の図面を作るのは意味がありません」

SolidWorks10台を製品設計に活用

― SolidWorksを使い始めたのはいつからですか。

'99年からです。製品Aの動きが鈍くなったこと、2000年問題のコンピュータ誤作動の対策として、Windowsベースに切り替えようということになり、いくつかの製品を見比べた結果、SolidWorksに決定しました。10台を導入し、現在はSolidWorks2008を使って製品設計を行っています。

― SolidWorksのよいところを教えて下さい。

SolidWorksは誰もが扱いやすいので、初心者の習得スピードが速いところがよいと思います。製品Aの時には新人が実践レベルに到達するまでには少なくとも3ヶ月はかかっていましたが、SolidWorksでは1ヶ月かかりません。

そして価格ですね。UNIXのマシンと比べたら10分の1です。

また、製品の普及度が高く外注の業者でも使っているところが多いため、話が早いというのも良い点です。

「3次元データの受け渡し」を実現するには

― 2次元図面との併用をせず、「3次元データの受け渡し」に切り替えるにはどうしたらよいでしょうか。

非常に簡単な話です。2次元専用のCADシステムをすべてなくしてしまうことだと思います。

誰でも今まで使っていたものに固執したいという気持ちがありますから、今までのものを置いていてはいつまでたっても切り替えはできないでしょう。私たちがドラフターから3次元CADに移行した時も、ドラフターはすべて取り払って退路を断ちました。3次元CADを使えなければ仕事がない、という覚悟でみな覚えました。

何度も言いますが、私たちが作っているのは「図面」ではなく立体になっている「モノ」ですから、それを図面にしても意味がないですし、2次元から3次元、あるいは3次元から2次元へのデータ変換は不具合が生じて仕事の効率が下がります。

とは言っても、いきなり全て変えるのは難しいと思いますので、「完全に切り替える」という前提のもとに2~3ヶ月の調整期間を見て実施していけばよいのではないでしょうか。

図面へのこだわりを捨てることも大事でしょう。私は図面というのはあくまで証文程度と考えているので、SolidWorksの図面機能を使えば十分ですが、会社によっては、この機能で出力した平面図では不完全だということで、いちいち書き直しをしているという話を聞いたことがあります。

つまりは、何をしたいか、ということだと思います。製品を作っていきたいのか、それともきれいな図面を作って残していきたいのか。どちらが本来の企業の目的に合っているかを考えれば、図面にこだわる気持ちを捨てることができるのではないでしょうか。

3次元CAD運用のコツ

― 他に3次元CADの運用のコツについて何かアドバイスがあればお願いします。

よく、自社の業務にあったシステムを作るためにCADをカスタマイズしてしまうケースがありますが、カスタマイズは極力行わないほうがいいと思います。アプリケーションやシステムは、手を加えずにデフォルトの状態で使うのがもっとも経済的で、かつ効率がよいからです。

カスタマイズするデメリットを以下に挙げてみます。

  1. カスタマイズ時に費用が発生する。
  2. エラーが出やすくなる。
  3. バージョンアップなどがしにくくなる。
  4. サポートの対象外になってしまう。
  5. 新人が理解するのに時間がかかり、引き継ぎが大変になる。

というように、使い勝手がよくなるというメリットよりもデメリットのほうが多くなってしまうと思います。CADに限らず、「自社にシステムを合わせる」のではなく、「システムに自社の業務を合わせる」ほうが賢いシステムとのつきあい方だと思います。

また、旭精工では、ファイルを保存、登録する際には一つの部品に一つの名前で一つのファイルというようにしています。そうすれば検索にも便利ですし、「この名前の部品で取り出すと一つしか出てこない」というようにシンプルにしておけば、今後、たとえば工場管理システムなど他のシステムとリンクする場合にもやりやすくなります。

大塚商会への評価

― SolidWorksのベンダーである大塚商会への評価をお願いします。

旭精工にとって大塚商会は、3次元CADのシステムを一緒に作ってくれる「頼れるパートナー」という位置づけです。ハードウェアのトラブルや、SolidWorksの動きがおかしいという時には「たよれーる」の電話サポートを利用したり、担当者に来てもらうなど、対応にはとても満足しています。近くに製品のことがよくわかるエンジニアがいるというのは非常に心強いです。

今後の期待

― 最後に、旭精工の今後の展開について教えてください。

現在の課題の一つに、「3次元のデータ管理」があります。実は、先日サーバーにあるデータ、個人PCにあるデータ、流用されたデータと、同じデータが二重三重に存在したため、誤って古いデータを加工に回してしまったというミスが起きました。

これを教訓として、常に最新のデータを誰でも閲覧ができ、管理者権限をしっかり決めるなどルール化を徹底するとともに、システムによる管理も行おうということで、現在大塚商会にお願いしてSoliWorks EnterprisePDMを導入する準備をしています。

大塚商会には今後もこういった効率化の提案や、製品サポートをお願いすると思います。頼りにしていますので、どうぞよろしくお願いします。

お忙しい中、ありがとうございました。

※ 旭精工のWebサイト
※ 取材日時:2009年1月
※ 事例制作:カスタマワイズ

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