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株式会社をくだ屋技研

株式会社をくだ屋技研

物流現場での運搬機器を製造するをくだ屋技研は、主力製品の「キャッチパレットトラック」で2007年度グッドデザイン賞を受賞した。製品のどこが評価されたのか、SolidWorksはどのように役だったのか、さらに受賞後の変化などについて、同社技術部の皆さんに伺った。

2007年グッドデザイン賞を受賞~をくだ屋技研について

― をくだ屋技研について教えてください。

をくだ屋技研は、物流現場での作業に使用される「パレットトラック」や「ハンドリフター」など運搬機器の製造販売を行う会社です。主力製品である「キャッチパレットトラック」は、スーパーなどの小売店で倉庫から店頭に商品を移動させるときによく使われる手動ローリフトです。をくだ屋技研のロングセラー商品として、日本、アジアを中心に年間3万台を生産し、市場のシェアの4割を占めています。

― 今回、その「キャッチパレットトラック」の最新モデルが2007年度のグッドデザイン賞を受賞されましたね。おめでとうございます。

ありがとうございます。グッドデザイン賞と同時に大阪デザインセンターのグッドデザイン賞、工業デザイン部門中小企業優秀賞も受賞いたしました。

をくだ屋技研は、これまで74年にわたって、機能性を追求したものづくりを行ってきましたが、製品デザインについてご評価いただいたのはこれが初めてです。内輪の話で恐縮ですが、90歳になる会長(をくだ屋技研会長 奥田源三郎氏)は、受賞を聞いて涙を流して喜んだそうです。

グッドデザイン賞受賞の効果

― グッドデザイン賞を取ったことで、どんな効果がありましたか。

受賞後は、10%ほど出荷台数が増えました。私たちは直販はしていないので、販売現場でどんな影響があったのかはわからないのですが、これは明らかに受賞の効果だと思います。

しかし、何よりも大きい効果は、受賞によって社員のモチベーションが上がったことです。

― 社員のモチベーションが上がったとは。

私たちは、特にグッドデザイン賞を意識して製品作りをしていたわけではなかったので、今回の受賞は、うれしいと同時に驚きでした。私たちが作っているマテハン(マテリアルハンドリング)機器は、携帯電話やパソコンなどデザイン性のあるコンシューマ製品に比べるとずっと地味なものです。工場では鉄を曲げたり四角くしたりという加工がほとんどで、「デザイン」とはかけ離れたものというイメージを誰もが持っていました。

しかし、今回の受賞によってうちの製品も、そういったコンシューマ製品などと同じ土俵にあがるんだということに皆驚いたのです。日本の本社支社だけでなく、海外、例えば中国工場などでも同様です。自分たちが作っている製品に誇りを持つことができて、会社全体の士気が上がっています。

をくだ屋技研のキャッチパレットのどこが評価されたのか

― では、グッドデザイン賞を受賞した「キャッチパレットトラック」について、そして製品の設計にSolidWorksをどのように活用したかについて伺っていきたいと思います。まず、「キャッチパレットトラック」という製品の特徴について教えてください。

いろいろな角度から、この製品についてご説明したいと思います。

  1. キャッチパレットトラックは、非力な女性でも簡単に操作ができる油圧式のリフトです。フォークリフトが使えないような狭い場所の移動に使われています。
  2. 物流現場では重い荷物を載せ、激しい使い方をされています。強度を確保することが最も重要ですが、とはいえ、製品重量はなるべく軽くし、機能性を確保しなければなりません。
  3. キャッチパレットトラックの「顔」となるのはハンドル部分です。荷台やタイヤ部分は各社あまり違いがありませんが、ハンドルの形、大きさは、各社の特徴が出る部分です。
  4. 最近では環境への配慮のないものは売れません。塗料や部品は鉛フリーのものを使うなどの取り組みが必要です。

― をくだ屋技研のキャッチパレットトラックは、どの部分が評価されて今回の受賞となったのでしょうか。

以下3点について評価をいただいたと聞いています。

1. ハンドルのデザイン
新モデルでの最も大きな変更は、ハンドルをこれまでの鉄製から樹脂製にしたことです。鉄は気温が低いと冷たくなるため、冬場や寒冷地での使用には不向きでした。樹脂製にすることでこれが解決されたこと、握りやすくデザイン性のよい形状が評価されたようです。
2. 色使い
旧モデルは、ハンドル、軸、タイヤ、荷台、すべて赤一色でしたが、新モデルではハンドルと軸部分を黒にした2色使いです。単色のほうが塗装工程が少ないので効率的ですが、デザイン性を優先しました。
3. 環境を配慮した仕様
部品、塗装料は鉛フリーのものを使用している他、すべて再生可能な部品を使用しています。今回受賞した製品は、EUの環境規制である「RoSH指令」(有害物質の含有禁止指令)「ELV指令」A(リサイクル指令)をクリアしています。

キャッチパレットの設計にSolidWorksと解析がどのように役立っているか

― では次にSolidWorksについて伺います。をくだ屋技研がSolidWorksを使い始めたのはいつからですか。

SolidWorksは97年に大塚商会から1台購入したのが始まりですから、使用し始めてからもう11年になります。最初は設計ではなく分解図(パーツリスト)を作るのが目的でした。現在は6ライセンスを保有し、をくだ屋技研が製造販売する200種類に及ぶ運搬機器の設計に活用しています。
また、COSMOSWorksを利用した応力解析、COSMOSMotionによる機構解析も頻繁に使用します。

― SolidWorksは、をくだ屋技研の製品を作る上でどのように役立っていますか。

キャッチパレットトラックを例にすると、をくだ屋技研ではSolidWorksを以下のように役立てています。

1. ハンドルのデザイン性向上
先にも述べたように、ハンドルはキャッチパレットトラックの顔となる重要なパーツです。SolidWorks導入前には紙粘土でこのハンドルのモデリングを行っていました。紙粘土を貼り付けながら成型をして、それを2次元図面に落とし、金型屋さんに持って行って型を作ってもらうのです。しかし、このようなやり方では、当然ながらデザインの再現性に欠けていました。今はSolidWorksでモデリングを行い、3次元データをそのまま外注の金型屋さんに渡すことができるので、私たちが考えたデザインを忠実に再現することができます。
また、紙粘土だとデザインは1つか2つ作るのが限度でした。しかしSolidWorksだと数種類ぐらいのモデルの中から最適なものを選ぶことができます。
2. 開発期間の短縮
再現性だけでなく、これまで半年かかっていた金型製作が2ヶ月になり、工程も大幅に短縮されています。
3. 板金機能の活用
これはキャッチパレットトラックに限りませんが、私たちの仕事は鉄を曲げることが多くあります。その際にSolidWorksの板金機能は非常に役立ちます。曲げ展開や曲げの角度、板厚の変化のシミュレーションに活用しています。
4. タイヤのホイールの形状シミュレーション
アルミ製のタイヤのホイールは垂直な形状ですが、どれぐらいの角度になれば剥離しやすくなるかのシミュレーションをSolidWorksとCOSMOSWorksを使って行いました。
5. 応力解析
重い荷物を載せるキャッチパレットトラックですが、本体は軽くなくてはなりません。鋼材をできるだけ薄くするための応力解析にCOSMOSWorksを役立てています。強度に問題があればデザインを変えなければなりません。デザイン性を保ちながら強度を確保するためにSolidWorksとCOSMOSWorksの連携は非常に役立ちます。
6. 機構解析
キャッチパレットトラックの昇降運動などを機構解析で求めています。アニメーションで動きが自在に確認できるだけでなく、位置や速度も正確に求められます。
また、動いている途中の強度をCOSMOSWorksの応力解析と連携して求めることができるので、様々な観点から検討ができます。その結果、軽くて丈夫なキャッチパレットトラックを製造できたと思います。

― SolidWorksの機能に関し、何か要望はありますか。

実現可能な技術かどうかは別として、SolidWorksで利用できる解析に関しての要望があります。今はCOSMOSMotionで機構解析を行っているのですが、もっと高度なシミュレーションに適用できないかと考えています。例えばキャッチパレットトラックの走行時のシミュレーションができるようになると、衝突による影響やさらなる軽量化が図れるのではないかと考えてい ます。難しい解析だとは聞いているのですがなんとか活用できれば大変ありがたいです。

SolidWorksの定着が「デザイン」へのこだわりへ?

― ところで、をくだ屋技研がデザイン性を意識した製品作りをするようになったのはいつ頃、何がきっかけだったのでしょうか。

デザインを意識し始めたのは4年ほど前からです。それまでは、特にデザインに意識してものづくりを行っていたわけではありません。きっかけの一つとして、技術部にデザイン学校出身の社員が入ってきた事もありますが、私はSolidWorksの存在が社内に定着したことが、デザインを意識するようになった大きな理由だと思います。

― 「SolidWorksの存在が社内に定着した」、とは。

導入した当時、SolidWorksを使うのは私一人で、他に誰も使おうとしませんでした。その後技術部にもどんどんSolidWorksを使う人も増えてきました。SolidWorksで本格的に設計にとり組んでいくうちに、「3次元CADで何ができるのか」、「3次元CADによって新たな創造が産み出される」その事が皆に理解してもらえるようになったのだと思います。SolidWorksで設計していなければ表現できなかった形状や製品もたくさんあります。

今は技術の者だけでなく、営業部員もデザインを意識するようになりました。提案書を見ていると、以前よりはるかにデザインについての言及が多くなっています。

― 製品のデザイン性を追求すれば、それだけコストもかかると思います。そのあたり、をくだ屋技研ではどのようにお考えですか。

確かに、ものづくりですから、製造原価は安ければ安い方が良いに決まっています。しかし、中国製の安価なコピー商品が出回っている市場において、デザインは生き残るための手段だと考えます。コスト重視一辺倒ではなく、「こだわり」を優先し、差別化のものづくりをしていく。

例えば、ハンドルにつながる軸の部分は、世界中どのメーカーでも角軸です。そのほうが安くできるからです。しかしをくだ屋技研は昔から見栄えの良い丸軸を採用し、今後もそれを変える予定はありません。軸の形などは、どちらでも機能に変わりはないのだから安い方に、という考え方ではなく、そういった小さな部分にもこだわりを持ち続けたいと考えます。

幸いなことに、今はデザイン性と低コストは必ずしも相反するものではなくなっています。昔はデザインを良くすればコストが上がるのが常識でしたが、SolidWorks、COSMOSWorksなどをうまく使えば、デザインとコストの両立も可能です。また品質の向上にも繋がります。よい時代になったと思います。

私たちのこだわりをいかにコストをかけずに実現するか。をくだ屋技研のこれからの課題の一つとして取り組んでいこうと思います。

大塚商会の提案力を評価

― SolidWorksのベンダーである大塚商会への評価をお願いします。

大塚商会とは長いおつきあいです。何があってもいつも迅速に対応していただけるのがよいと思います。「たよれーる」も利用していますが、をくだ屋技研の場合は、たよれーるコールセンターに電話をするよりも大塚商会の営業さんに直接電話をしてしまうことのほうが多いかもしれません。

大塚商会に関して最も評価しているのは、提案力です。SolidWorksとは直接関係がありませんが、今はサーバーリプレイスを伴う文書管理システムの構築プロジェクトが進んでいるところです。をくだ屋技研が紙ベースの文書が多いという課題に対し、情報一元化と検索時間の短縮、さらにセキュリティも考慮された今回のシステムを提案していただきました。

大塚商会にはこのように、こちらが困っていることをヒアリングして、マルチベンダーの立場を生かした情報提供や提案をこれからも期待しています。ベンダーによっては大手企業向けの製品を薦めるところもありますが、私たちは中小企業ですので、コストがかからず導入が容易な提案であれば非常にありがたく、前向きに検討したいと思っています。

今後の期待

― 今後の期待をお願いします。

をくだ屋技研は、今後もデザイン性を重視した運搬機器づくりを行っていきます。SolidWorksおよび大塚商会には、これからも力をお借りすることになると思いますが、どうぞよろしくお願いします。

お忙しい中、ありがとうございました。

※ をくだ屋技研のWebサイト
※ 取材日時:2008年7月
※ 事例制作:カスタマワイズ

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