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株式会社三幸社

最終的にSOLIDWORKSを選んだのはPDMがあったからです。
「PDMを使わないならSOLIDWORKSを入れる意味がない」と思っています。

クリーニング機械のトップメーカーとして知られる株式会社三幸社(以下、三幸社)は、大きく変わりつつあった市場環境への対応の一環として、2009年SOLIDWORKSとSOLIDWORKS Enterprise PDM(現SOLIDWORKS PDM Professional。以下、EPDM)を導入。流用設計などSOLIDWORKSの3Dデータ活用による効率化に支えられた新しいものづくり体制は、国内外のクリーニング関連市場へ積極的に展開する大きな原動力となり、いまや三幸社の製品ラインアップは3次元化以前の約3倍にまで拡大。国内外で高いシェアを占めるまでに成長しました。

今回は、同社の設計3次元化を牽引する設計部部長 玉木久利氏にSOLIDWORKSの活用法とその効果について伺います。

株式会社三幸社について

三幸社はワールドワイドに展開する業務用クリーニング機械のトップメーカー。1979年、もともとクリーニング屋でその仕事を知り尽くした先代の社長が「使う人の立場」に立ち、より使いやすい機械を作るために創業。以来、手仕上げに近い立体ボディー仕上げを実現したワイシャツ仕上機を中心に、ランドリー仕上機やドライ仕上機、タタミ包装機等の開発、製造・販売を行い、安全で高品質なものづくりには定評があります。

近年は海外へも積極的に展開。北米、タイ、中国に現地法人を設立し、北米から欧州・オセアニア、中国・韓国等アジアへと進出しています。各国のニーズに合わせたきめ細かな製品づくりは各地で信頼を集め、特に主力のワイシャツ仕上機は、日本国内40%(パーセント)、北米35%というトップシェアを獲得するに至っています。

設立 1979年11月
本社 東京都八王子市
サイト http://sankosha-mfg.com

大きく変わり始めた市場環境への対応と三幸社の強み

― 市場環境や顧客ニーズが変化しているそうですね。

特に日本では人口減少・少子高齢化が進み、クリーニング自体の発注量が減って市場そのものが縮小し始めています。業界内の厳しい競争の中、各店とも「洗い」と「仕上がり」の品質や他のサービス等で価格以外の特色を打ち出し、差別化を図ろうとしています。

クリーニング店における手作業の中心、つまりアイロン仕上げを機械でやろう、というのが当社の仕上機のコンセプトです。昔は熟練した職人が1時間で20枚しか作業できなかったワイシャツの袖口や背中のタック等質の高い仕上げは、いまや、同じ時間で60~70枚の対応が可能な、機械を使っての仕上げが主流になりました。

そして、流行り廃りによって日々変化する生地やデザイン等の違いや地域性による違いに関係なく機械でどれだけ確実かつスピーディに仕上げられるかが差別化の最大のポイントとなります。うかうかしていると、たちまち時代遅れの機械になってしまうので、最高の仕上げ品質を維持するには、機械に次々と改良を加えていくしかありません。

「営業が世界各国から受注してきた多種多様なニーズに対応するため、かなりの開発スピードが求められます。EPDMを利用した流用設計の効果は非常に大きかったですね」と玉木久利氏

主力製品LP-550J-V2

LP-500JのSOLIDWORKSの外観モデル

― こうした市場背景の中、国内外で広くシェアを獲得してきた御社の強みは何でしょうか?

当社では基本的な製品ラインアップに、きめ細やかなカスタマイズを加えることで個々の顧客ニーズに対応しています。何にでも対応できるような汎用的な機械では、やはり「それなり」にしか仕上がらないため、各地域の顧客ニーズには対応できません。

それぞれの顧客ニーズに応じた製品づくりの根底には、脈々と受け継がれている先代の精神とものづくりコンセプトがあります。現在も営業や設計者たちは「今何が求められているか」最新の動向やニーズを把握できるようお客様に密着してその声に耳を傾けて顧客ニーズを製品に反映させています。

そして、こうした当社の製品づくりを支えているのが、独自の開発製造一貫体制です。企画開発はもちろん試作品作りのための部品加工やそのための金型作りまで、当社はほぼ全て社内で一貫して行っています。外注に頼る必要がないので自由なものづくりが可能となっており、急な試作の検証等にもスピーディに対応することができます。

SOIDWORKSを核とした製品開発が海外展開の大きな原動力に

実は、こうしたカスタマイズのノウハウは、海外展開を通じて蓄積してきたものです。例えば、海外ではシャツのサイズもデザインも日本と全く異なっており、各国ごとに特徴を把握して対応する必要がありました。こうしたきめ細かなカスタマイズ対応を中心に、質の高い製品づくりの基盤となるのが、SOLIDWORKSの3Dデータ活用を核としたものづくり体制です。

― SOLIDWORKS導入以前は苦労されたそうですね。

現在は、まず営業が収集してきた情報を元に設計が新製品のコンセプトを固め、SOLIDWORKSで製品イメージを描いて、必ず経営陣と営業部に「こういうイメージでどうですか?」とプレゼンをします。そこでの意見を基にコンセプトに修正をかけて開発を進めます。

社内プレゼンで利用する資料

同じことを2DCADでしていた頃は大変でした。3Dの「絵」が作れないので、2DCADで作った三面図やスケッチを描くわけですが、なかなか正確なイメージが伝えられません。営業に「分からないから試作品で判断する」と先送りされてしまい、ようやくできた試作品には修正が入り、時間もコストも大きなロスが発生というトラブルがしばしばでした。

SOLIDWORKS導入後はこれらのロスはなくなり、営業の意向がすばやく的確に反映されるようになりました。また、SOLIDWORKS上で部品やアセンブリの整合性・動作を確認できるので、設計の効率や品質も向上しました。何より、後の検図が格段に楽になりました。2DCADでの干渉チェックは、頭の中でシミュレーションするので時間がかかり、ミスも少なくありませんでした。

― 部品加工では、加工側に設計意図が的確に伝わるようになったそうですね。

加工部門への試作用部品の制作依頼の際には、あらかじめSOLIDWORKSで「こんな新製品になります」とプレゼンします。加工側としての意見をもらうのはもちろん、加工にもきちんと製品の仕上がりをイメージしてもらいたいからです。例えば「人が触れる場所に近い部品」と分かれば、黙っていてもエッジの部分をきれいに仕上げてくれる等、事前に製品の最終形状や「どういう所に使う部品」かを把握してもらうことで、加工側でも配慮してくれるようになりました。当然、機械の出来上がりもかなり違ってきますし、やり直しのロスも少なくなりました。

また部品の金型も社内で制作しますが、SOLIDWORKS導入後はSOLIDWORKSのデータからダイレクトに金型が作れるようになったので格段にスピードアップしました。以前は2次元図面から起こしていたので、実際に作ったものを見ながら「ここをもっと削って」とか「ここが違う」と、一つ一つ寸法を拾って修正することも多かったのですが、今はこれも激減しました。

海外展開に不可欠だった、3Dデータを利用した付帯資料のビジュアル化

タイ工場での製造や世界各国での展開においては、取扱説明書やパーツリスト、組み立て用の資料等の付帯資料の作成にSOLIDWORKSの3Dデータが最も効果を発揮しました。特に、個々のパーツが製品のどこでどう使われているかを示し、お客様や販売代理店が部品注文等に使うパーツリストの作成が最も問題でした。

以前はテキスト中心のパーツリストでしたが、海外展開の活発化と共に英訳が必要となり、これに大きな手間と時間がかかっていました。そこで3DCADで作った各パーツの絵にナンバーを振り、目で見て分かるパーツリストを作ればいい! と考えました。このビジュアルなパーツリストなら英訳が必要な部分もほとんどなく、時間もかかりません。

実はこれが当社の3D設計導入の一番の理由で、海外展開に絶対に必要な要件でした。導入の理由には2DCADによる干渉チェックに関わるミスの解消等もありましたが、一番はパーツリスト作成の手間をいかに減らせるかということでした。

また、社内の製造部門に新製品の組み立て方を説明する組み立て資料は、特にタイ工場立ち上げの際、日本語で説明を書いても通じないためSOLIDWORKSを利用した、目で見て分かるビジュアルな組み立て資料を用意することで、言葉なしで理解できるため、説明の手間も省けるうえ、設計意図もスムーズに伝わりました。

以前は2次元の図面を使っていたので、図面を読むことができるスタッフでなければ理解できませんでしたし、図を描く方も手間がかかっていました。中には面倒がって描いてくれない者もいて、設計者自身が試作の組み立て時に加工部門へ出向き、組み立て担当と一緒になって丸3日間掛かりきりで張り付いて組み立てていたのです。しかし今は、組み立て資料を送れば、それで基本的な流れは伝わります。設計者の試作時の立ち会いも要所要所顔を出す程度で、トータルで半日もあれば済むようになりました。現在では出図が終わり資料を出せば、設計者は次の設計に取り掛かれるようになりました。

その他、取扱説明書については、以前は完成品の写真を撮って Illustratorで加工して使っていました。しかし制作自体に非常に時間がかかり、そもそも完成品がない段階では作りようがなかったため新製品の納品後、営業が使い方を説明に行く段階になっても制作が間に合わず、取扱説明書がないままお客様に説明することもしばしばありました。

しかし、SOLIDWORKS導入後は、試作品完成前から3Dデータを利用して資料を制作できるので、製品発売に間に合わないということはほとんどなくなりました。制作が遅れることがあっても、SOLIDWORKSによる絵を入れた簡易取説をすばやく作ることで対応でき、お客様も困惑することなく機械を使用することができ、営業には大変好評です。

付帯資料の作成に3Dデータが使われるようになり、設計としての仕事が増えましたが、ミスによる手戻りが減る等余裕ができたため、同じ時間でもそれまで以上の仕事量をこなせています。

生産部門へのプレゼン時に利用する、SOLIDWORKSで作成したイメージ図

生産時に利用する、SOLIDWORKSで作成した組み立て資料

メンテナンス時に利用する、SOLIDWORKSで作成したパーツリスト

 

きめ細かなカスタマイズ対応に欠かせないPDMの利用

― 付帯資料の作成と同様に効果が大きかったのがPDMの利用だそうですね。

当社では、ベースとなる製品から少しずつ仕様を変え各国のニーズに応える、流用設計を行います。例えば、ワイシャツ一つでも各国で大きな違いがあります。顕著なのは袖の付け方。英国では下向きに付けてスーツに合ったデザインですが、アメリカは横向きに付いていて動きやすさを重視しています。また、ヨーロッパのスリムデザインに対しアメリカはストンとしたスタンダードデザインが主流です。当然、仕上機も国ごとに仕様を変えなければなりません。

ここで重要なのが製品データの管理です。SOLIDWORKS導入前も設計データをサーバー管理していましたが、上書きしたり消してしまったりトラブルが絶えませんでした。1機種の図面の数は少なくて400~500枚、多ければ2,000枚を超えます。試作して良くなければすぐ改変し、バージョンアップするので大変な数になります。1,000枚の図面のうち半分以上描き直すことも珍しくありません。一部直すだけでもバージョンアップなので、図面データのバージョンはどうしても錯綜します。

特に以前利用していた2DCADは、最終バージョンに上書きすると前のデータが消えてしまうため、別名保存で全て残していました。しかも図面を直してもアセンブリは直りません。修正漏れの図面が残ってしまうことがしばしばありました。そして、修正されていないアセンブリ図面で、知らずに流用設計しようとすると、たちまちトラブルが発生します。未修正のアセンブリをそのまま使って、間違えた設計をしてしまう等、2DCAD時代はこうしたトラブルが多々ありました。

しかし、図面を直せば連動してアセンブリにも反映されるSOLIDWORKS なら、そんなミスは発生しないわけです。しかも、EPDMは図面データの履歴を辿れるので、流用設計絡みのミスややり直しは、SOLIDWORKS導入後一気に減りました。当社の場合、メンテナンスの必要から古い図面も残しておくため履歴で管理できるようになったのは重要でした。その点からも、流用設計におけるEPDMの効果は非常に大きかったですね。

― EPDMの機能は SOLIDWORKS 導入の決め手にもなったそうですね。

設計3次元化にあたり、いろいろ比較して最終的にSOLIDWORKSを選んだのはEPDMがあったからです。流用設計がしやすくなるうえ、EPDMは排他制御がかけられるので、それだけでも以前に比べれば、大きな効果が出ています。今では、個人的には「PDMを使わないなら SOLIDWORKS を入れる意味がない」とまで思っています。

さらなる効果を生み出すSOLIDWORKSの3Dデータ活用

― SOLIDWORKS Composerは、どのように活用されていますか?

2014年に導入したSOLIDWORKS Composerは電気設計に利用しています。SOLIDWORKS Composerは、付帯資料制作に便利なツールですが、SOLIDWORKSが使えない電気設計担当者でも利用できるため当社ではイレギュラーな使い方をしています。電気設計そのものは2Dの電気専用CADで行っていますが、電気配線のルート選定やレイアウト、配線の長さ決めに Composerを使っています。

以前は機械設計担当が手伝いながら配線長さの算出を行っていましたが、Composerを使うことによって、電気設計だけで検討、算出ができるようになりました。また、電気部品の配置図にはSOLIDWORKSのデータを利用するので、別途電気設計が配置図を描く必要がなく、電気設計と機械設計がそれぞれでしていた作業が一つで済むようになりました。

SOLIDWORKS Composerで作成した電気部品配置図

SOLIDWORKS Composerで作成した電気BOX内配置図

― その他の SOLIDWORKS の活用方法についてお聞かせください。

モデルと図面を共有し図面番号等製品情報も簡単に検索できるので、SOLIDWORKSを使わない加工や組み立て部門にeDrawingsを使ってもらえば効果的だと思うのですが、あまりパソコンを使わない職人気質の部門なので浸透させるのは大変です。今後の課題の一つだと思っています。

― 最後に、御社の今後の目標や展開についてお聞かせください。

会社としては、やはり世界ナンバーワンのシェア獲得が一番の目標です。そのためには、企業理念である「クリーニング店を繁盛店に!」を実現していくことです。とにかくクリーニング屋さんに繁盛してもらわなければ、当社の機械も買っていただけません。今後もクリーニング屋さんが儲かるような機械を作っていきたいと思っています。

また、クリーニング関連業界やそれ以外でも、少しずつ新しいマーケットの開拓を進めています。例えば、ユニフォームレンタル業界向けに出荷用の包装機の供給を始めていますし、アパレル業界への仕上機の供給も実績を積み重ねているところです。

また、設計部門としてはもう少し解析を活用したいので、SOLIDWORKS には解析が簡単にできるソフトを期待したいと考えています。また、3Dプリンターの活用にも非常に興味があります。当社の製品の場合、大きな部品が中心なので3Dプリンターでの対応は難しそうですが、うまく使うことができれば試作の手間が大きく省けるので、良い方法があればぜひチャレンジしたいですね。

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