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アイ・シー・アイデザイン研究所

アイ・シー・アイデザイン研究所

国内外で数多くの賞を受賞したプロダクトデザイナーであり、SolidWorksを使った設計手法の本の著者、飯田吉秋氏に、「3次元CADとプロダクトデザイン」のテーマでインタビューを行った。

アイ・シー・アイデザイン研究所

飯田吉秋氏 プロフィール

プロダクトデザイナー。アイ・シー・アイデザイン研究所代表取締役。

松下電器産業を退社後、85年有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所設立。77年、第25回毎日ID賞で特別課題特選を受賞。88年「ブレイトン」がニューヨーク近代美術館永久コレクションに選定。93年に「CDSTACK」がデザインフォーラム'93金賞を、翌94年に同製品がbio14でゴールドメダルを受賞し、リブリアナ建築美術館永久コレクションに選定される。他、多数受賞。

社団法人 総合デザイナー協会理事
社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会会員
デジタルプロセス研究会 理事
著書:「思いのままのモノづくり 3DCAD徹底解説」「誰も教えてくれない3DCADデザイン術」
「思いのままのモノづくり 美しい3DCAD」

アイ・シー・アイデザイン研究所

アイ・シー・アイデザイン研究所について

― 本日は、飯田吉秋さんに「3次元CADとプロダクトデザイン」についていろいろな角度からお伺いしていきたいと思います。まず、飯田さんが代表をされている「アイ・シー・アイデザイン研究所」について教えてください。

アイ・シー・アイデザイン研究所(以下アイ・シー・アイ)は、モノづくりに関して「最初(企画・デザイン)から最後(製造)まで」の支援を行うデザイン会社です。

一般的なデザイン事務所は、「企画~デザイン決定」までを行うところが多いと思いますが、アイ・シー・アイでは、企画・デザインの後の設計、解析ツールを使った構造・機構設計や、金型の発注、海外業者との折衝、生産管理、量産体制のアドバイスなど、モノづくりに伴って発生するあらゆることがらについて支援を行っています。

― お客様はどのような方が多いのですか。

メーカーの方ですね。特許を取ったけどデザインをどうしたらいいのかわからないとか、3次元CADを導入したいけどノウハウがない、など何らかの課題を持って相談にこられます。

アイ・シー・アイデザイン研究所の開発例

3次元CAD導入での一番賢いアイ・シー・アイの利用の仕方をご紹介します。ある東京の日用品メーカーさんは、3次元CADでの製品づくりを行いたいということで相談に来られました。まず3次元CAD製品(SolidWorks)を1本導入し、アイ・シー・アイのサポートで製品の企画から製造まで商品開発を何回か繰り返すうちに、社内でノウハウがたまり、3次元設計・モノづくりの体制が整ってきました。デザイナーも増え、3次元CADの本数も増えて、現在はアイ・シー・アイの手から離れて商品開発をされています。

単に3次元CAD製品を導入しました、ということだけではすぐに効果がでにくいものです。アイ・シー・アイを活用していただくことで、効率的な設計手法、運用のしかた、業者とのやりとりまでを「導入」すれば、3次元設計の導入効果を加速することができます。

プロダクトデザインに3次元CADを使うメリットとは

― 現在、プロダクトデザインの業界では、3次元CADはどれぐらい普及しているのですか。

流れとしては3次元CADを使う方向に向かっていますが、現状を言えば、まだ8割方がIllustratorなどの2次元ツールでデザインを行っているようです。

― プロダクトデザインに3次元CADを使うメリットは何ですか。

最も大きなメリットは、「同じデータを最初(デザイン)から最後(製造)まで使える」ということだと思います。設計、製造のフェーズでは3次元データが必要なため、デザイン部分が2次元データであれば設計に渡す段階でデータ変換をしなければなりません。1度だけの変換ならまだしも、デザイン修正ということで手戻りがあった場合、変換を繰り替えさなければならず、業務の流れが滞ってしまいます。

「データ一元化のメリットは非常に大きいものがあります」

その点、企画、デザインの段階から3次元で行えば、その後の設計、製造、そして販売まで、モノづくりのサイクルの全てのフェーズで同じデータが使うことができて合理的です。設計者とデザイナーとの間の調整や、データ変換などの余計な労力と時間が削減できるため、製品を世に出すまでの時間が短縮できます。

― 3次元CADによって、製品が世に出るまでの期間はどれぐらい短くなるのですか。

私の計算だと24分の1になります。40名で1年かかっていたプロジェクトを、3次元CADを使うことで3名6ヶ月で終わらせることができます。

かつては、プロセス一つ一つに時間がかかり、金型発注までたどり着いた時にはもう時代も消費者のニーズも変わっていた、などということはよくありました。それではビジネスチャンスを逃してしまいます。データを3次元で統一することで、時代のニーズに合った製品をオンタイムに出すことが可能になりました。

なぜSolidWorksがプロダクトデザインに向いているのか

― 飯田さんはSolidWorksの設計本を3冊書かれていることからもわかるとおり、長年SolidWorksを使い続けています。たくさんある3次元CADの中で、なぜSolidWorksを選ばれたのですか。

まず一つは、SolidWorksが一番「コミュニケーションしやすい」3次元CADだということ。私は、モノづくりに一番大事なのはコミュニケーションであると考えています。まず、クライアントと我々とのコミュニケーション。何を実現したいのか、それに対して我々はどんなアプローチをするのかを両者が確認する。これが基本です。その後製造までのプロセスの中で関わるたくさんの人たちとも、誤解や食い違いが起きないように密にコミュニケーションをとっていかなければいい製品は作れません。その点SolidWorksは操作性がよいため、「人に真実を伝える」ということが他の3次元CADと比べて効果が出やすいのではないでしょうか。

「最新のバージョンを使えば、それだけデザインの可能性が広がると思います」

もう一つは、SolidWorksはバージョンアップを年に1回必ず行ってくれることです。バージョンアップが多いということは、それだけユーザーの要望が反映され、便利に、そして新しいことができるようになっているということですから。

― でも一方では、バージョンアップが頻繁すぎてついていけない、という声もよく聞きます。

確かにそれはよく聞きますね。でも、バージョンアップによって若干インターフェイスが変わったり操作が変わったりすることはあっても、基本的な設計のコンセプトは変わりません。その考え方さえつかんでいれば、ついていけないということはないのでは、と思います。「より早くより簡潔によりミスが少なくなるように」というのが私たちの共通の思いですから、そういったユーザーからの要望が反映された最新のものを使えば、デザインの可能性が広がります。たとえば2008年のバージョンは、一つ前のバージョンよりはるかにマウスクリックの数が減っているなど、求めている機能は確実に反映されていると思います。

「よいデザイン」とは何か

― ところで根本的な質問になりますが、「よいデザイン」とはどんなデザインなのでしょうか。

モノづくりのデザインに限って言えば、「デザイン」とはデザイナーが勝手に決めるのではなく、モノづくりをすすめるプロセスで「自然に決まるもの」だと思っています。

どんな製品にも必ず用途(目的)があります。そしてその目的を達するための形としても課題があり、その課題を解決する過程で基本デザインが決まっていきます。それをベースにクライアントの企業文化、そしてデザイナーのセンス、経験知、地域性や文化が加味されて、さらに時代が求めるもの(流行)と交差したところで最終的なデザインが決まっていきます。プロダクトデザインは、きれいだから、ひらめいたからというような、デザイナーの「思いつき」で行うものではないと思います。

― では、「製品の目的を達するための課題を解決する」には、どのようなアプローチを行うのでしょうか。

アイ・シー・アイでは、「製品が持つ課題」の解決を、「リバースデザイニング」で行っています。リバースデザイニングとは、「解析」を活用したデザイン手法です。

使用者にとって何が問題か、製造面で強度・流動・熱などのシミュレーションを行います。通常のモノづくりでは、「解析」が登場するのは製品を形にした後です。形になった製品の検証のために解析を使うわけですが、リバースデザイニングでは、この順序を逆(リバース)にします。製品デザインの大まかなところができたら、形状を決める前に解析を行い、そのモノが持つ課題を引き出してデザインを決めていくわけです。

― つまりシミュレーションによって課題解決をしながらデザインをする、ということですね。

そうです。リバースデザイニングによってデザインに説得性ができます。たとえば、クライアントにプレゼンテーションを行う時などは、一つ一つのデザインについて「このデザインである理由」を説明することができます。

リバースデザイニングを行う上でも、SolidWorksは非常に便利なツールです。「3次元設計」と「解析ツール」を一つの製品として持っているからです。ただ、今後のシミュレーションに望むのは、現状では解析結果はあくまで計算上の「参考値」しか読み込めないので、さらに正確性を喫すために、実データ、つまり「経験値」まで読めるようなツールであればさらによいと思っています。

最近の作品例

― 飯田さんの最近の作品をご紹介ください。

パラメトリックデザインをうまく行うには

― SolidWorksを使ってこのように洗練されたデザインを描くにはどうしたらいいのでしょうか。

3次元の考え方である「パラメータ」に慣れるということに尽きると思います。

2次元設計に慣れている人はつい「サーフェスモデル」を作りがちです。まず形を決めて骨組みを作って張り子の虎のように面を貼っていくというモデリングのやり方です。これだと設計や修正に工数がかかるだけでなく、設計変更するのも大変です。少ない工数ですっきりとしたデザインを行うのには「面」の発想ではなく、粘土細工の考え方による3次元デザイン(パラメトリックデザイン)を行うことです。もともと、3次元CADは「パラメトリックデザイン」を行うために開発された設計ツールですから。

ハンドルのSolidWorksモデル

― では、パラメトリックデザインをするためにはどこに気をつければよいのでしょうか。

常々私は「形を作る9つの約束」を提唱していますが、その中から特に以下4つの点に気をつけていけばよいと思います。

1.「作業の前に考える」

いきなり始めるのではなく、どのようなプロセスでつくったら変化がしやすくて履歴が少なくできるかを考えてからとりかかること。

2.「きちんと定義する」

基準面、定義面を考え、きちんと定義すること。

3.「できるだけシンプルなスケッチ」

定義面に、寸法や拘束をしっかりしたできるだけシンプルなスケッチファイルを描くこと。

4.「止める技術を覚える」

パラメトリックデザインでは、サーフェスだけで形状をつくろうとするのではなく、サーフェスをソリッドをとめる面、カットする面として使います。そして面を美しくつなげるために面をカットし、つなげる方法をノウハウとして蓄積することが重要です。

SolidWorksを使って自社ブランド製品も

― SolidWorksを使ってこのように洗練されたデザインを描くにはどうしたらいいのでしょうか。

はい。最近発売した「Kiss」は、カップやペットボトルにはめて使うシリコン製の飲み口で、振っても倒してもこぼれないため、介護のシーンなどで寝たままの姿勢で楽に水分摂取を行うことができます。もともとこの製品を開発したのは、半身麻痺の私の父が水分摂取がうまくいかず身体のバランスを崩したことがきっかけでした。シリコンで人の肌のような柔らかな触感を出すことに成功し、特許も取得しました。

他にも携帯型で偽札が判別できる「紙幣識別器」、江戸時代のからくり人形を3次元CADとRP造形装置で完全復元した「茶運人形」など、SolidWorksを活用して他にはないユニークな製品の開発に取り組んでいます。

今後のモノづくりはどうかわる?

― SolidWorksを使ったモノづくりは、今後はどのような展開になっていくと思われますか。

私は今後、SolidWorksなど3次元ツールの活用によって、ビジネスの流れの変革が起きると思っています。これまでは、営業・マーケティングは、製品が完成してから行っていましたが、今後は、製品デザインの段階で営業・マーケティングが出来るようになると予想しています。

たとえば、これまで消費者は、製品を手にとって重さやにおいなど知覚で感じた後に購入を決めていました。SolidWorksなど3次元ツールの活用により、「製品を手にとって知覚で感じる」の部分をバーチャルで行えるようになり、製品ができる前に判断材料がそろい、購入決定が可能になります。そうなれば、製品の企画段階で営業・マーケティングができるだけでなく、購入希望者の人数を確定するなど、生産管理もあらかじめできるようになり、無駄がなくスピーディにビジネスが回っていくと思います。そういう時代はもうすぐそこまで来ています。

お忙しい中、ありがとうございました。

※ アイ・シー・アイデザイン研究所のWebサイト
※ 取材日時:2009年1月
※ 事例制作:カスタマワイズ

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