Autodesk社が「Netfabb 2017」を発表

2016年10月 3日

Autodesk社 2016年9月28日

2016年9月28日 アメリカ カリフォルニア州 サンラファエル ―― Autodesk社は2016年9月28日、同社の切削・積層造形ソリューションの発表に続いて、積層造形の専門家向けの包括的なツールキットである「Autodesk Netfabb 2017」を発表した。業務用3Dプリント製造環境における部品性能の改善や効率性の向上、コスト削減のために必要な全てのソフトウェアを利用できる。

Autodesk Netfabb 2017は、設計の強化と製造に必要な準備、そして解析ツールの構築をインストーラーやファイル形式、プロセス定義に至るまでを共有する単一のソフトウェア環境へ統合する。

Autodesk社デジタルマニュファクチャリング、バイスプレジデント兼統括マネージャーのSamir Hanna氏は、「製造業に関わるあらゆる企業に対して、製品の設計と製造および流通、さらには規模の経済をどのようにみなすかという点で、積層造形は非常に大きな影響をもたらしました。Netfabb 2017で、Autodeskは設計から最終製品まで迅速かつ容易に移行できる、統一的な業務用ツールを開発しました」と語っている。

2015年にnetfabb社を買収して以来、Autodesk社は先進的な技術を取り入れることに注力している。例えば、解析機能の強化や最適化、高度なツールパス生成機能など、積層造形設計や製造ツールに関する幅広い選択肢を技術者や設計者へ提供するための強力な新機能をこれまでに導入している。Autodesk Netfabb 2017の主な特徴は以下の通り。

高度な試作品作成能力とファイル処理

  • CADインポートモジュールによる、CADファイルのインポート処理、および編集可能なSTLファイルへの変換を通じた迅速なファイル取り扱い能力。
  • 積層造形プロセスおよび加工機の能力をフルに引き出すために必要なジオメトリを作成するために役立つ、多様なモデル編集ツール。

より高速な製造と機械動作

  • 新規の解析ユーティリティは、高速で信頼性の高い全層積層解析機能を備えると共に、金属部品の変形や構造応力を予測できるため、コストのかかる実験の回数を削減する。
  • サポート材構築モジュールにより、すばやくサポート材構造を作成できる。また、自動パッキング機能によって造形領域に配置可能な部品数を最大化。

強力な設計能力とプロセス最適化

  • 部品の軽量化と強化をすばやく効率的に行える、先進的かつ強力な生成的設計強化機能。
  • プリントスピードや焦点、レーザーまたはビームの出力などの制御パラメーターやハッチングパターンを指定する高度なツールパスエンジンにより、パーツの特性やスループットを向上。

GT Prototyper社オーナー兼テクニカルマネージャーのLasse Gistorp氏は、「Autodesk Netfabbを利用し始めて以来、我が社は以前よりも高い効率性を達成し、材料費の大幅な削減を実現しました。効率性の向上は、そのまま我々のビジネスへ投下する資金となります。また、我が社の従業員がより生産的に時間を活用できるようになったため、作業環境の改善にもつながりました」と語っている。