Aluminium Materials Technologies社とBirmingham大学がアルミニウム合金「A20X」の共同研究を実施

2021年 1月19日

Aluminium Materials Technologies社 2021年1月12日

2021年1月12日 ―― Aluminium Materials Technologies (AMT)社は2021年1月12日、同社の積層造形用アルミニウム合金「A20X」に関するBirmingham大学との共同研究の実施について発表した。Birmingham大学との共同研究を通じ、粉末床溶融(PBF)法や直接エネルギー積層(DED)法を用いて、A20X合金製部品を造形した場合に生じる特性についての知見を深めるとしている。

A20X合金は、A201合金を用いて複雑な形状の部品を鋳造した際に生じがちな熱間割れやひけ巣などの課題の克服を目的として、鋳造企業であるAeromet Internationalによって1990年代に開発された。A20X合金は一般的に利用可能な積層造形用アルミニウム合金としては最も強い材料と考えられており、特に航空宇宙産業やモータースポーツ分野での利用に適している。Aluminium Material Technologies社によれば、同材料は主要な積層造形機器の全てで利用可能であるとされており、ケイ素アルミニウム型の積層造形用合金と比較して優れた高温特性や耐応力腐食性、および良好な耐疲労特性を特徴としている。

Birmingham大学は既に積層造形用合金を用いたサンプル部品の造形プロジェクトを成功裡に完了しており、現在は冶金学的な知見をさらに深めるためにAluminium Materials Technologies社と協力関係を結んでいる。この目的を達成するために、研究チームは塑性変化や熱処理、および積層造形パラメーターが造形後の部品に与える影響についての調査を実施し、結果を後日論文としてまとめる予定となっている。

Aluminium Materials Technologies社ビジネスディベロップメント部門ディレクターのMartin McMahon氏は、「A20Xは、これまでも完全認証済み航空宇宙用部品の積層造形で成功裡に活用されてきました。A205合金は、高い強度と延性、そして高温条件下での運用性について、十分以上の信頼性を備えていることが既に証明されています。これを踏まえ、この積層造形用合金の本質的な冶金学的知見をさらに深めるための拡張開発プログラムを策定しています。Birmingham大学の素晴らしい研究グループとの共同作業から得られた知見について発表できることを楽しみにしています」と述べている。

Birmingham大学冶金材料学部AMPLabの所長であり、先端材料加工を専門とするMoataz Attallah教授は、「本学のA20X合金に関する経験は、積層造形用金属粉末として同材料が導入された初期の時期にまでさかのぼることができます。そして、我々は候補部品の物理的特性を特定するためのプロジェクトを多数成功させてきた実績があります。現在、AMT社との密接な共同作業を通じてこの合金を特徴づける要素についてより深く研究しています。積層造形用ツールの選択や多様な材料特性分析技術を通じて、この目的を達成することができるでしょう」と述べている。

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