SolidWorks Worldカンファレンス (パートII)
SolidWorks Worldカンファレンスが1/22〜25、ラスベガスのCaesars Palaceホテルで開催されました。今回のウィークリーニュースは先週に続き、同カンファレンスについてを報告します(後編)。
新しい自由形状サーフェスフィーチャ
SolidWork 2007のプレビューで披露されたフィーチャの中でもっとも印象深かったのは、新しい自由形状サーフェスツールだった。会場ではサーフェス用のプッシュ/プルタイプの新機能がデモンストレーションされていた。ユーザーは一連のサーフェス制御点をピックするだけで、どの方向にもサーフェスを押し出したり、引き上げて新しい形状を作成できる。また、メッシュプレビューフィーチャを使えば、編集したサーフェスが実際にどのような外観になるかを、変更を加える前に確認できる。自由形状ツールはモデル履歴への修正を加える必要なく操作できる上、インポートしたジオメトリやスキャンしたジオメトリも扱える。
2D作図/ドキュメンテーションフィーチャ
SolidWork 2007にはすべてを把握するのが難しいほど多くの2Dドキュメンテーションや作図フィーチャが装備された。下記はそれらの短いリストである。
a. バルーンコールアウトが、部品番号だけでなく、あらゆる属性にリンクするようになった。
b. 引出線が完全なデータム情報を自動的に提供
c. 引出線が面取りやフィレットを自動的に考慮
d. スケッチブロックを使って、プーリーやカムシステムといった2Dアニメーションの作成が可能に。また、複数のモーションパスをいっしょにリンクできるようになった。
e. レイアウトに寸法を追加し、混雑を避けるために空間を自動的に分離
Next Engine
SolidWorks World開催に合わせ、Next Engine社(本拠:カリフォルニア)は、SolidWorks内部で動作するコンパクトで高解像度の3Dキャプチャシステム 「Desktop 3D Scanner」を初披露した。価格わずか2,495ドルのこのスキャナは、設計者の机上での3Dスキャニングを実現する。この製品は多くの設計者に2Dから3Dへの移行を決心させるかもしれない。
このNext Engineデバイスは2組の4つのレーザーと2つのRGBイメージセンサーを使って最大13.5 x 10.1までのオブジェクトをスキャンし、スキャン後、物理サンプルを直接SolidWorksにコンバートできる。SolidWorksとNext Engineは、ユーザーが変換やトランスレーションせずにスキャンデータにアクセスできるファイルフォーマットを共同で開発した。1つのボタンをクリックするだけでスキャンデータはSolidWorks上で使用可能になる。
これはNext Engine社長が一般セッションにてデモンストレーションしていた。彼は3,500名の観衆の前で、小さな電子デバイスを90秒でスキャンした。スキャンしたイメージには電子機器のテクスチャが含まれていた。Next Engineはまずオブジェクトを独自のソフトウェアにスキャンする。このソフトウェアではオブジェクトはサーフェスとして表示される。次にボタンをクリックすると、サーフェスがSolidWorks 2007にエクスポートされる。SolidWorksの次リリースには点群やメッシュデータを操作してすばやくソリッドやサーフェスを作り出すツールが備わる。Next Engineはすでに受注を開始しているが、製品の出荷開始はこの夏のSolidWorks 2007リリースに合わせる予定である。
パートナーパビリオン
パートナーパビリオンには90以上のベンダーが各社のソフトウェア/ハードウェア製品を展示していた。パビリオンの中心エリアでは「製品ショーケース」と題し、SolidWorksを使って設計された85の製品がディスプレイされていた。展示製品には医療機器、おもちゃ、家電、スポーツ用品(KneiselデザインのSolidWorksスキー等)、自動車(昨年のショーでオレンジカウンティチョッパーズが設計したバイク等)などがあったが、製品ショーケースのハイライトは、ストリートカー世界記録242 mph(389 km/hr)を生んだ806馬力エンジンを搭載したKoenigsegg CCR スーパーカーであった。このスウェーデン製自動車のほぼすべてのコンポーネント(外ボディを除く)がSolidWorksを使って設計された。
まとめ
今日の多くのソフトウェア企業が新リリースを乱発し、エンドユーザーにとってはありがたくない「マーケティングマシーン」であり、中でもSolidWorksはとりわけ積極的かつ多産的なソフトウェアデベロッパである。1年以内に発表される新リリースには常にユニークな新機能と、既存フィーチャに対する考え抜かれた改良が満載される。同社は新しいカスタマを勝ち取ることに力を注ぐ一方、従来の機械設計カスタマのニーズを満たすことも続けている。現在SolidWorksは、Next Engineのようなパートナーと共に、「多くの設計者が3Dに移行せず2Dを使用している」という問題に取り組んでいる。低価格デスクトップスキャナとの統合は、多くの設計者に3Dモデリングへの切り替えを決意させるかもしれない。SolidWorksが興味を示していないと思われる唯一の大きな市場はA/E/C市場である。この市場向けの製品を製造しているソフトウェアデベロッパは、安堵のため息をついていることだろう。