Siemens PLM Softwareがシンクロナス・テクノロジーの提供を発表
Siemens Automation and Drives (A&D)の事業部門として製品ライフサイクル管理(PLM)ソフトウェアや関連サービスを世界に提供しているPLMプロバイダーSiemens PLM Softwareが、デジタル製品開発向けに次世代のテクノロジーであるシンクロナス・テクノロジーの提供を発表した。本テクノロジーは、デジタル製品開発において最大100倍もの効率向上を可能にするPLMの世界では初めてのフィーチャーベースのモデリングテクノロジーである。
ドイツのハノーバーで開催されているイベントと同時発表された特許申請中のこのテクノロジーは、コンストレイン設計手法とモデリングを直接結びつける技法で、「NX」と「Solid Edge」の次のバージョンに統合される予定である。
「Siemensは、UGS社を買収する際のデュー・デリジェンス・プロセスの中で、シンクロナス・テクノロジーの無限の可能性を知ることができました。製品と生産のライフサイクルを統合させるという我が社のビジョンにおいて、デジタルモデルがその中心的役割を果たすと認識して以来、このCADテクノロジーの開発に注力してきたのです。デジタルモデルはPLMプロセスの各段階に大きな影響を与え、これまでより早く先進的な製品を提供するための鍵となります。このテクノロジーによって、製品の設計手法が根本的に変わり、イノベーション・プロセスを加速させることで最終的に売上げ増につなげることができるのです。」とSiemens Industry Automation DivisionのCEOであるAnton Huber氏は述べている。
「このシンクロナス・テクノロジーは、まさしく画期的な技術です。設計者が設計における様々な束縛から解放されるような新しい時代を築くものと言えます。設計を可能にする事実が、CADシステムに対する考え方を変えることでしょう。さらに重要なことは、“どのような方法で設計するか”ではなく、“何を設計したいか”というような考え方に変わることです。」とLiebert社のPLMマネージャであるJack Beeckman氏は語っている。
史上初のフィーチャベースモデリング
このテクノロジーは、ジオメトリと設計ルールとを同期させる史上初となる設計ソリューションである。それは、次の4つの領域においてイノベーションを加速させる。
・ 迅速なアイディアの具現化: シンクロナス・テクノロジーはアイディアを瞬時に具現化することができ、少なくとも100倍の効率向上が可能になる。設計者は事前の計画による様々なコンピュータのオーバーヘッドに束縛されること無く、新しい手法による先進的な製品開発に対し時間を使うことができる。このテクノロジーにより、これまでの方法による負担を回避しながら、設計上のルールを作り、あるいは修正させることができる。
・ 迅速な設計変更: このテクノロジーは、計画の実行および予想外の設計変更への対応を自動化させることができる。
・ マルチCADにおける再利用の改善: このテクノロジーによって、他のCADシステムからのデータをそのまま再利用することができ、設計者はマルチCADの環境において、設計手法にかかわらず他のCADデータを素早く修正することができる。この“サジェスティブ・セレクション”と呼ばれる技術は、様々な設計要素を推測することを可能にするもので、設計データの再利用やOEMやサプライにとって有効である。
・ 新規ユーザーへの有効性: このテクノロジーは、CADを単純化あるいは3次元CADを2次元CAD並みに簡単に使用できるようにする。相互作用パラダイムが、独立した2次元と3次元環境を統合させ、2次元CADのように3次元CADを簡単に使用できるシステムにしてくれるのである。新しい推論テクノロジーは、共通の制約事項を推測し、カーソルの位置を判断しながらコマンドを実行させる。これにより、CADシステムをたまにしか使用しない製造現場のエンジニアも簡単なトレーニングだけで使用することができるようになる。
「この数年にわたって3次元設計テクノロジーは大きく進歩しました。この間、設計者は、モデルの再構築を行う際のコンピュータによるオーバーヘッドは避けて通れませんでした。従来のパラメトリックモデリングは、設計変更に対しては考慮せずにジオメトリに対しルールを当てはめてきました。また、新しいモデリングツールは、自由なやり方によるジオメトリ作成に焦点を当てていますが、インテリジェント機能を犠牲にしています。ダイレクトに修正する機能は、複雑なこれまでのやり方を理解する必要はなくなったものの、製品特性には対応していないのです。」とSiemens PLM Softwareの製品担当上級副社長Chuck Grindstaff氏は述べている。
さらに、「我が社のシンクロナス・テクノロジーは、非常に強力で効率的な方法を用いて、変更に対応するための最高な手法を具体化してくれます。身近な業務に正しい手法を採用することは、これまで以上に大きな可能性を生み出し、生産性の向上につなげることができるのです。」と続けている。
「シンクロナス・テクノロジーは、ヒストリーベースのモデリングシステム上の壁を打ち破るものです。ジオメトリ条件を認識し、リアルタイムにローカライズする機能は、設計変更時におけるこれまでのような再設計を不要にします。モデルの複雑さやどのくらい前の図面に戻ればいいかなど、多くの煩わしさから開放されることによって、大幅に設計パフォーマンスは向上するでしょう。100倍のパフォーマンス改善というのは控えめな数字かもしれません。」とCPDAのPLM Research ダイレクターKen Versprille博士は語っている。