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3次元CADでは、設計段階から完成したイメージがつかめるため、1人ひとりの設計能力の向上にも役立っている |
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製造部門が一目でわかる図面の作成 3次元CAD『Autodesk Inventor Series』 設計上の単純ミスが激減し、業務効率が大幅に向上 |
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株式会社エスアールシーは、電子機器の実装構造専門メーカーとして1987(昭和62)年に設立された。主にVMEとCompactPCIの規格に準拠した標準バス用電子機器ラックシステムや各種バックボード、電子機器用構造部品、各種インターコネクション部品、カスタム仕様の機器部品の設計・製造を行っている。多様化する市場ニーズに適応するために信頼性や価格面を考慮した豊富な商品群を揃え、産業用製造装置や通信機器、医療機器などの幅広い用途で利用されている。同社では、少数精鋭体制を堅持し、不足部分はパートナー企業との協業体制を構築しながら、グループの中核企業として「戦略と改革」を推進し、中小企業の特長を最大限に活かしたフットワークの良さと“低価格で高品質な製品づくり”で他社との差別化を図っている。 同社代表取締役社長の八並美宏氏は、「当社のラックシステムは、他社製品に比べて簡略化されたシンプルなデザインになっています。その分、コストを抑えて安くして、なおかつ、納期も早くする努力をしています。この点が当社のアドバンテージになっています。また、7割くらいがカスタマイズ製品で、お客様の要望にきめ細かくお応えしています」と語る。 同社では、10年以上前から2次元CADを使って設計を行っていたが、2003年11月に3次元CAD『Autodesk Inventor Series』を東京本社に3台、関西営業所に1台導入し、2次元CADから3次元CADへと全社的に移行した。その導入背景について、技術管理本部第一技術 課長の川辺知春氏は、「2次元図面のときは、製造現場から部品を組み合わせる位置などが見づらいという問い合わせがしょっちゅう寄せられていました。それでも昔は、製造現場が近くにあったので、すぐに返答できたのですが、製造拠点を神奈川事業所に移転してからは、電話でのやりとりになり、意思疎通を図ることが難しくなってきたのです。そこで、『わかりやすい図面にしろ』という社長の命を受け、技術部で検討して3次元CADを導入することにしました。その結果、これまでの問題点が飛躍的に改善されました」と語る。 このように同社では、2次元CADを使用していたときの課題を解消するために、3次元CADの導入に踏み切り、大きな成功を収めている。 |
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3次元CADの導入効果は、設計上の単純ミスが激減したことや、設計段階で完成品のイメージがつかみやすくなったこと、リアルな3D映像によって顧客への PR効果の向上、さらには初心者である設計者への教育向上など、あらゆる面において顕著に現われている。たとえば、2次元CADのときは、ひとつの部品の修正をする際に、すべて手入力しなければならなかったため、入力ミスや部品の入れ忘れなどがとても多かった。しかし、3次元CADにしてからは、あらかじめ作成しておいた部品データを組み合わせ、手入力を禁止したため、単純ミスが大幅に減った。さらに、3次元CADにしたことで、バックボードのどの部分に部品を取り付ければよいのかが一目でわかるようになったので、製造部門の人間は問い合わせを行う必要がなくなり、作業効率の向上にも役立った。 さらに、「当社の製品は、部品数が多いもので90点くらいあり、レゴブロックのように部品を自由に組み合わせることができますが、その一方で、部品を組み込む位置を間違えてしまい、後から気が付いて組み立てなおすことがよくありました。しかし、3次元CADでは、そうしたミスがなくなりました。その意味では、当社の製品は3次元CADに向いていると思いますね。そのうえ、お客様に設計段階で完成したイメージを3Dでお見せすることができるので、お客様から好評をいただき、競合他社との差別化にも役立っています。仮に競合他社が当社よりも3日早く納品できるとしても、それよりも早く完成イメージをお見せすることができるので、この点は、非常に大きいと思いますね」と堀越氏は語る。 また、3次元CADは、設計者の評判も非常にいいという。「2次元CADから3次元CADへ移行した設計者の意見を聞くと、設計自体が楽しくなったといいます。これは私も実感していることです。というのも、設計段階から完成したイメージがつかめるので安心感もありますし、それが実際にできあがったときの達成感が全然違うのです。その意味では、設計者のモチベーションがアップし、1人ひとりの設計能力も向上していると思いますね」と川辺氏は語る。 |
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同社では、3次元CADへの移行を契機に、ネジまでを含めた部品表を作成し、それぞれに型番をつけて管理している。その部品表を設計部門と製造部門で共有して活用しているため、3次元の図面上に記載されたネジの型番を見れば、製造段階においてどのネジをどこに使えばいいか即座に判断できるようになった。また、3次元CADのデータを取引先とやりとりして確認してもらうこともあり、外部とのデータ共有も行っている。 さらに今後は、製品の熱効率などを設計段階でシミュレーションできる環境を整えたいという。「製品を試作する前段階で、熱効率などをシミュレーションしてお客様にお見せできれば、その段階から量産サイクルに入ることも可能になります。すでにそういう要望もちらほら出てきています」と堀越氏は語り、解析ツールの導入も検討している。
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また、「3次元CADは、より細かいところまで表現しようと思えばできるので、データ量は必然的に増えていきます。しかし、そうだからといって、3次元 CADならではの表現力を制限するつもりはありませんし、現状では、3次元データのやりとりでサーバのレスポンスが悪くなると感じたことはありません。ただ、ハードディスクの容量は限られていますから、増え続けるデータ量にいかに対処するかは切実な問題です。いずれ、何かしらの対策を講じたいと考えています」と堀越氏は将来のシステム展開を視野に入れている。 いずれにせよ、同社では、3次元CADの導入により、従来の2次元CADの課題を解消し、設計から製造までの一連の業務を大幅に効率化している。これにより、同社のモットーである「低コスト・短納期」の強みがますます活かされていることだろう。
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株式会社エスアールシー 業種:製造業
従業員:32名(2006年4月現在) |