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― アクトファイブの業態について教えてください。 アクトファイブは、工業用洗浄機メーカーです。自動車やパソコンなど製造工場の生産ラインに置かれ、製造過程で部品に付着する油や汚れを洗浄する機械を製造販売しています。 カタログ商品が6割、残り4割は一品一様で作ります。ここ伏見に本社(※)、工場は宇治市と上海にあります。販売先は国内が6割、中国、タイなどの海外が4割です。 ― 「工業用洗浄機」の市況についてお聞かせください。 洗うものによって洗浄方法も変わってくるため、一言で洗浄機といっても種類は数多くあります。10年ほど前から、塩素系の有機溶剤を使った洗浄が規制により入手しづらくなり、大手メーカーには有機溶剤で洗った部品は納品すらできなくなりました。そのため、極力環境に負担をかけない洗浄方法および低コストを実現する技術については各社しのぎを削っているところです。現在主流となるのは「真空炭化水素」「水」などによる洗浄機です。 ※アクトファイブは、新社屋が完成し2008年12月に移転予定 |
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― アクトファイブではSolidWorks製品をどのように活用していますか。
アクトファイブでは、2004年にSolidWorksを導入、現在は7台のSolidWorksを製品設計に使用しています。また、社内での打ち合わせや製造部の組立作業、営業時のプレゼンツールとしてXVLを活用しています。
アクトファイブの売上は、ここ数年順調に伸び、3年で売上高が2倍になりました。この好調の理由は、SolidWorksでの3次元設計に切り替えたことが売上の伸びにつながっているものと考えています。
― 売上好調の理由とSolidWorksはどう関係があるのでしょうか。
アクトファイブではここ数年引き合いを多くいただき、受注に製造が追いつかない状況が続いています。単純に言えば、受注さえこなせれば売上が上がるという状態です。SolidWorksの導入により、設計のスピードが格段に上がったため生産力が上がり、結果的に売上増を実現することができました。
― 設計スピードはどれぐらい上がったのですか。
4倍になりました。今まで2週間かかっていたところを今は3日で設計しています。
設計がここまで早くなったのは、一つにはSolidWorksでの設計が2次元CADに比べて効率的であること、そしてもう一つは運用面での工夫もあるのではと自負しています。
― 「運用面ので工夫」とは具体的にはどのようなことですか。
「設計と製図の分業」です。
アクトファイブでは、これまで設計者が製図も行っていましたが、2年半ほど前から、これを完全に分けました。考えることの多い「設計」に比べて、作業的な要素が強い「製図」は、設計専門知識を必ずしも必要としません。時間と手間のかかる製図を担当者にバトンタッチすることで、設計者は「考える」という最も重要な業務だけに集中でき、結果的に数多く設計をすることができます。
在の体制は、設計者3名、製図担当者が3名です。製図担当者は、中国人1名を含む全員女性で、設計スキルはまだ持っていませんが、問題なく業務が回っています。
― 分業は効率的な手法だと思いますが、成功させるためには注意点も多そうです。そのあたりお聞かせください。
設計と製図の分業を行うに当たっては、以下3点に注意しています。
1.「しっかりした手順書を作る」
製図担当者は全くの素人であることを前提に、クリックする順番まで細かく作業ルールを定め、手順書にして渡しています。
2.「製図担当者に渡すデータを完全にする」
製図担当者に渡すデータが不完全だと、質問されたり間違いが生じたりしてかえって時間をとられます。誰がどう見てもわかるように、細かい部品に至るまで、データを完全に作り込むようにしています。
3.「必ず最終チェックを行う」
渡しっぱなしではなく、最後の製図のチェックは必ず設計者が行い、伝えた通りの図面になっているかどうかを確認しています。
― ところで、アクトファイブが3次元CADを導入したのはどのようなきっかけからだったのでしょうか。
私は一時マレーシアの提携会社に出張したことがあり、そこで3次元CADの便利さを知ってアクトファイブでも導入してほしいと思ったのが始まりでした。導入によって設計スピードは1.5倍になると試算し、帰国後すぐに社長と専務に要請をしました。しかし、「まだ早い。1.5倍程度では導入できない」と、その時には却下されました。
その後「そろそろ入れたい」と社長のほうから言われました。そのきっかけは、上海工場の建設が決まり、稼働を開始する前に中国の洗浄機メーカーと提携をしたことです。当時の中国の技術者はまだ図面の理解力がなく、ビジュアルで伝える必要性を痛感したということで、3次元CADの導入が決定しました。
― 導入に当たってはどのような製品を検討しましたか。
検討した製品は3つでした。それぞれにデモを行ってもらいましたが、正直言いますと、製品はみな同じように見えて、違いがよくわかりませんでした。
その中でSolidWorksに決めたのは、SolidWorksのデモを行った大塚商会のSEの方の説明がとてもわかりやすかったからです。こんなふうにわかりやすく説明してくれるなら、これまでとは勝手の違う3次元CADでもなんとか使うことが出来るかもしれないと思いました。
とりあえずテスト的に一台入れ、まずは私が設計に使ってみることになりました。2004年のことです。
― SolidWorksの操作の習得はスムーズにいきましたか。
正直、最初はとても大変でした。操作方法に関しては大塚商会から訪問指導に来てもらってすぐに覚えることができましたが、実務レベルになるまでに時間がかかりました。2次元CADで2週間かかる設計をまずやってみたところ、なんと2ヶ月もかかってしまいました。
しかし、私は「設計スピードが1.5倍になります」と導入を推進した張本人ですから、このままで終わるわけにはいきません。大塚商会の「たよれーる」サポートセンターの助けを借りながら試行錯誤をし、2台目の設計は1ヶ月でできました。そして現在は、先ほど述べたとおり分業の方法も確立し、定番製品であれば2〜3日でできるところまでになりました。

― では、改めてSolidWorksの導入効果についてお聞かせください。
SolidWorksの導入効果は、以下4つです。
導入効果1:「設計スピードが4倍に上がった」
設計スピードが上がったことで、製造台数が以前の倍になり、売上が上がったことが最も大きな導入効果です。
導入効果2:「製造コストの大幅削減が実現した」
洗浄機は部品数が数百あり、部品同士がぶつかる「干渉」が起きやすい機械です。SolidWorksによりこの干渉を事前に発見しやすくなり、以前と比べ5分の1から6分の1になりました。干渉が減ったことで、製造過程から設計に戻ってくる「手戻り」が減り、現場の組立直しが減り、作り直す部品コストも減り、結果、一つの機械につき10〜30万円のコストダウンが実現しています。
導入効果3:「設計イメージが正確に早く伝わる」
打ち合わせで営業担当や電気設計の担当者に製品のイメージや構造の説明をしなければならない時に、3次元図面で形状を見せながらだと非常に説明がしやすいというメリットがあります。
これはもちろん、お客様に対しても同じです。お客様はメーカーですが、3次元化していないところも多く、「3Dはわかりやすいね」と、尊敬の目で見てもらえることも多いです。
― SolidWorksをこれから導入する企業のために、導入を成功させる秘訣についてお聞かせください。
秘訣というほどのものかどうかはわかりませんが、導入をうまく行うには以下のようなことに注意されればよいと思います。
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1.「必要なところだけ覚える」 私たちがそうだったように、3次元設計は、最初は敷居が高いと思っている人が多いと思います。購入したのはいいけど使いこなせないのではと。でも使いこなす必要は全然なく、導入時には、実務に必要なところだけを覚えるつもりで、とにかくまずはやってみることだと思います。 2.「やる気と推進役」 とは言っても、実務をやりながら片手間に覚えられるほど簡単なものではありません。ある程度のやる気、そして集中力を持って、短期間に一気に行おうとすることが原動力になると思います。そして今回の私のように、先に操作を覚える「推進役」になる人間がやはり必要なのではと思います。 3.「2次元データは使わない」 最初は、これまでの膨大な2次元データが何とか使えないものかといろいろやってみましたが、使おうと思うとかえって効率が悪くなることがわかりました。2次元と3次元では考え方が違いますから、ゼロからやり直すつもりで、2次元データの活用はすっぱりあきらめたほうがよいと思います。 |
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― 大塚商会への評価をお願いします。
大塚商会は一言で言うと、「対応がいい」会社だと思います。具体的には、以下3点を評価できます。
評価1:「電話応対が良い」
大塚商会の「たよれーるサポートセンター」は、2日に1回ぐらい使っているのですが、理想的な電話応対だなといつも思います。まず名乗るところから感じが良く、教育が行き届いている感じがします。オペレーターの方によって力量に多少差はあるものの、こちらの状況を理解してくれる力があるのであまり説明する必要がなく、ストレスを感じることがありません。
評価2:「訪問指導が良い」
新人が入るたび、大塚商会の訪問指導を利用しています。操作方法だけでなく理屈から教えてくれるので、頭に入りやすいようです。
評価3:「営業がすぐに来てくれる」
「こういう製品はありませんか」と聞くと、営業の方がすぐに来てくれて、数種類の製品の説明と提案をしてくれます。すぐ知りたい、というこちらの要求に応えてくれるので助かります。
実は今も、大塚商会にお願いして3次元プリンターの資料を集めているところです。洗浄機では、中に入れる「バスケット」が重要ですが、3次元プリンターの導入で、バスケットの試作品を外注するのにかかる1週間から10日の時間を一気に短縮させたいと考えています。
― アクトファイブの今後の展望についてお聞かせください。
洗浄機は、機内の一部に「暖めてから冷やす」という、エネルギー的な観点からはムダな作業を行っています。この部分を熱流体解析ソフトを使用することで省力化を狙った開発も考えています。省エネルギーを実現するためのSolidWorks製品の使いこなしは今後の大きな課題になっていくと思います。また、実現はだいぶ先になりますが、3DーCAMを使用した製造支援も視野に入れています。
このような様々な取り組みについて、大塚商会には変わらないサポートをしていただきたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いします。

アクトファイブ 設計・開発部の皆さん(女性3人は製図担当者)
お忙しい中、ありがとうございました。
※ アクトファイブのWebサイト
※ 取材日時 2008年9月