3次元CADとデータ管理ソフトの導入により、個別受注生産品の設計効率と品質を向上

2020年 7月 3日

製造業

株式会社西村製作所

最も優れたスリッター(自動切断巻取機)と世界的に評価されている株式会社西村製作所の「NS SLITTER」は、カットする素材によって一点一点形や大きさが違う個別受注生産品だ。同社はスリッターの設計効率を高めるために、3次元CADとデータ管理ソフトを導入。3次元設計により、お客様へのプレゼン力が向上し、社内の意思疎通もスムーズになった。さらに、データ管理ソフトにより、チーム設計や流用設計が可能になり、生産性が大きく向上している。

求められるプレゼン力と個別受注生産品の設計効率向上

技術部次長の高橋英明氏は「当社の技術者は海外でプレゼンする機会も多く、表現力が求められています。従来は2次元の図面で説明していましたが、お客様に伝わりづらくアピールも弱い。また、シートをどのように取り出すのかといった動きを見せるために、わざわざパワーポイントでアニメーションを作成していたのです」と従来の課題を語る。また、円筒形などの立体的な形状に設計すると、2次元の図面では気付かない不具合が出ることがあり、手戻り工数が増えていたのだ。こうしたことから、3次元CADの導入は必然の流れとなっていた。

素材に合わせて一点一点、形状や大きさが異なる個別受注生産品だ。ゼロベースで設計していくと多大なコストと時間がかかることになる。「素材ごとに標準的なモデルがあり、それをお客様の要望にそってカスタマイズしていきます。その際、標準モデルのCADデータを流用して設計していったほうがコストも抑えられますし、設計時間を短縮できます」と電気システム部 部長代理の藤原治氏は流用設計のメリットを語る。

スリッターのライフサイクルは長く、その間、メンテナンスや部品交換ができるように、図面は必ず残しておかなければならない。ファイルサーバーには膨大な図面データが保管されている。「従来はファイル名に属性を付けて、どのファイルか分かるようにしていたのですが、おのおのの部品の図面などは、データベースとして紐付いていません。このため、膨大な図面データの中から最適な図面を探すのが大変で、流用設計もままならない状態でした」(藤原氏)。

また、同社のスリッターは複数の設計者がチームで設計していくが、ファイルサーバーで管理する従来の方式だと、共同作業がやりにくいという課題があった。技術部の菊井靖史氏は「サーバー内のデータをいったんローカルPCに保存して修正し、それをサーバーにアップロードし、古いデータを消去するのですが、この作業がとても面倒でした。また、複数の人間で一緒に作業をしているとだれが最新のデータを持っているのか分からなくなります。その都度、最新データかどうかを確認していましたが、誤って古いデータで作業してしまうといった問題も起きていたのです」と語る。

導入事例 詳細

Inventor導入のポイント(お客様の声)

設計効率が高まると同時に品質やデザイン性が向上

技術部が主導となり、3次元CADソフトの導入に向けて動き始める中、さまざまな見本市やセミナーなどに参加し、3社のCADソフトに候補を絞った。その中から選んだのが、大塚商会が紹介した「Autodesk Inventor Professional」だ。技術部課長の中井善久氏は「Inventorは世界的なシェアがあり、世界に通用する図面が描けること、将来性に期待ができること、大塚商会さんのサポートがあることが決め手でした」と選定理由を語る。

技術部主導だった導入プロジェクトは、同社の社長がドイツに訪れた際に、3次元CADでのプレゼンを見て、衝撃を受けたことをきっかけに大きく前進した。2011年3月に3DCADソフトAutodesk Inventor Professionalを導入し、2012年2月にはデータ管理ソフトAutodesk Vault Professionalを導入した。

一年後に導入したデータ管理ソフトウェアAutodesk Vault Professionalについては「今となっては、これがなければ3次元設計できません」と高橋氏が評価するように、一つのアセンブリデータにたくさんの部品が紐付く3次元CADにとって、データ管理は必須となっている。

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