Dassault Systemes社がSIMPOE社を買収

2013年 5月13日

2013年5月7日 フランス ヴェリジ・ヴィラクブレー ―― 3DEXPERIENCEカンパニーとして知られているDassault Systemes社は5月7日、プラスチック射出成型解析ソフトウェアの開発元であるSIMPOE社を買収したことを発表した。このSIMPOE社の買収により、Dassault Systemes社は3DEXPERIENCEプラットフォームをさらに拡充し、同社のSIMULIAやCATIAに代表される材料集約的な製造解析ソリューションに関するソフトウェアポートフォリオをより強化する。Canon社やPanasonic社のような名立たるメーカーを初めとして、鋳型メーカーや部品設計・製造に関わる3000を超えるアクティブユーザーがSIMPOE社のプラスチック射出成型解析ソリューションを使用しており、彼らに対するサポートは今後も変わらず続けられる。

Dassault Systemes社の社長兼CEOのBernard Charles氏は『今日の製品設計において、プラスチック成型はきわめて重要な問題となっています。プラスチック成型の形状や製造プロセスの設計は、メーカーが市場への新製品投入速度を速めるのと歩調を合わせるようにしてその複雑さを増してきています。従って、様々な企業にとって新製品を考えるときに設計の単純化とプラスチック製品の製造は重要な課題であるといえるでしょう。SIMPOE社の解析技術を取り入れることにより、我々の3DEXPERIENCEの顧客はより素早くプラスチック製品設計や射出成型金型の検証を行えるようになるでしょう。』とコメントしている。

最もポピュラーなプラスチックの成形方法であるプラスチック射出成型は複雑かつ精巧な部品の量産に利用されており、SIMPOE社は今後もプラスチック射出成形プロセス全般をカバーするような包括的なソリューションを提供していくとしている。これらのスケーラブルなパッケージによって先進的な射出成形プロセスまで幅広く対応すると同時に、既存のSIMULIAやCATIAソリューションと連携し、プラスチック部品の設計に対応させることができる。また、SIMPOE社からもたらされた技術は、Dassault Systemes社の複合材料や板金に関する設計製造ノウハウに取り込まれることで将来の3DEXPERIENCE Industry Solution Experienceを強化し、プラスチック部品プロセスをもカバーする総合エクスペリエンスの提供が可能となるだろう。

hondaDesign, LLC社社長のEd Honda氏は、『金型の冷却システム解析や成形パーツの歪み予測などの先進的な機能も含め、SIMPOE社ソリューションをフルに使いこなしているという自負がある人間の一人として、SIMPOE社がDassault Systemes社の一部となることは大変喜ばしいことです。そしてSIMPOEテクノロジーの旧来のユーザーとして、自身の下した決断が正しいものであったということをこの買収によってより強く確信することができました。』と語っている。

また、SIMPOE社CEOのAlain Dubois氏は、『この買収はSIMPOE社と、我々の顧客やパートナー双方にとっての素晴らしい飛躍を表すものです。我々は過去5年にわたってDassault Systemes社と緊密な協力関係にあって、彼らの顧客に対する熱い思いと、いかにして現実世界で顧客に真の"Experience"を体感させていくかというビジョンを直接目にしてきました。(この買収によって)SIMPOEの顧客はDassault Systemes社の世界的なサポートネットワークや知識豊富なスタッフによるR&D支援を通して大きな利益を得ることができるでしょう。この買収は我々の技術をより多くの方々へ知っていただくための大きなチャンスであると同時に、プラスチックの専門家向けの高度な機能の追加を継続し、Dassault Systemes社の3DEXPERIENCE戦略の中で重要な役割を担っていく上での良いきっかけとなるでしょう』と述べている。