MarketsandMarkets社が2020年までの3Dプリント市場予測レポートを発表

2013年12月24日

2013年12月9日 アメリカ テキサス州 ダラス ―― 市場調査・コンサルティング企業のMarketsandMarkets社は12月8日、『3D Printing Market by Technology (SLA, SLS, EBM, FDM, EBM, LOM, 3DP), Materials (Polymers, Metal), Application (Aerospace, Automotive, Consumer, Healthcare, Government & Defense) & Geography (Americas, Europe, APAC & ROW) (2013 – 2020)』と題した、技術、素材、地域および適用可能業種の観点から2020年までの3Dプリント市場をまとめ、予測したレポートを発表した。同レポートでは、2013年から2020年にかけての3Dプリント市場の年平均成長率を23%とし、2020年における市場規模は84.1億ドルにまで達すると予測している。

3Dプリントに関連する革新的な新技術や年々多品種小ロット化している新製品、3Dプリント技術を欲する広大な市場、あるいは低コストで迅速な新製品開発を求める企業といった背景を元に、3Dプリンタ市場は急速な成長を続けている。これらに加えて同レポートでは、選択的レーザー焼結(SLS)技術の特許が2014年に失効することに言及し、来年は3Dプリント技術の普及という点で歴史的な年になるだろうと予測している。2013年現在、3Dプリンタと素材、および関連サービスに関してアメリカは世界最大の収益を上げており、ヨーロッパは2番手に甘んじているが、この点についても同レポートは、2020年頃にはヨーロッパがアメリカを追い抜き、3Dプリントにおける最大のマーケットを形成するだろうと予測している。

この主な原因としては、ポリマーや金属材料のみならず砂やセラミックスにまで広がっている3Dプリント材料の多様性やヨーロッパ各国政府による新技術への投資、およびNC加工や射出成型のような従来技術に対する3Dプリント技術の優位性が域内で評価されつつあることなどが挙げられている。

一方のアジア太平洋地域は、単に工業成長率の高さによってのみではなく、技術的な親和性や、政府による急進的な政策および投資などの要因から、最も急激に3Dプリント市場が発展すると見込まれており、実際に3D Systems社やStratasys社をはじめとする、主要な3Dプリンタメーカーはこぞってアジア太平洋地域での展開に注力している。

同レポートは、3Dプリント市場に影響する要素を素材、業種、地理的要因で大きくカテゴライズし、さらにそれらを構成するサブカテゴリにカテゴライズした上で、すべての要素について個別に評価している。その上で同レポートは、冒頭でも記したように2020年の3Dプリント市場を84.1億ドル、2013年から2020年までの年平均成長率を23%と予測する。

このような3Dプリント普及の原動力となるのは、複雑な形状の容易な製造と業種ごとに異なる仕様違い製品のラピッドプロトタイピング用途であるが、同レポートでは使用される技術としてステレオリソグラフィーやレーザー焼結、電子ビーム溶融、熱溶融積層など多岐にわたって評価を行っている。

3Dプリント用素材としてはポリマー系と金属系を、その適用可能業種としては航空宇宙から自動車産業、医療機器や防衛産業に至るまで広く取り上げている。地理的カテゴリとしては、アメリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋、およびその他の地域の計4種に分けて論じている。