Trimble社が「SketchUp 2014」をリリース

2014年 3月10日

2014年3月3日 アメリカ カリフォルニア州 サニーベール ―― Trimble社は3日、同社の建築家や土木業界向け3Dモデリングプラットホームの最新版となる「SketchUp 2014」をリリースした。「SketchUp 2014」では、無料3次元コンテンツライブラリの「3D Warehouse」の改良やオブジェクトの分類ツールの搭載、ほかのBIM製品とのインターオペラビリティ改善、および技術文書作成の効率化などを主な特徴としている。

ユーザ数が3000万を超える「SketchUp」は、現在世界で最も利用されている3次元モデリングソフトウェアで、今回の「SketchUp 2014」は「SketchUp」がTrimble社の製品となってから2回目のメジャーアップデートとなっている。この「SketchUp 2014」では2D/3D共に、モデルの作成やそのライブラリへのアクセス、コラボレーションなどさまざまな側面から、従来よりも使いやすくなるよう改良されている。

Trimble社建築グループアーキテクチャ事業部長のChris Keating氏は、「家庭の犬小屋から、ニューヨークにあるワールドトレードセンターのトランスポーテーションハブの設計にまで利用されているように、SketchUpは単純さと柔軟性を大きな特徴としています。SketchUpが業務用途での利用を拡大するにつれて、SketchUpコンテンツへのアクセスや、その他CADソフトウェアとのインターオペラビリティの拡大を望む声が強くなっていました。今回のSketchUp 2014では、ユーザがそのとき使用したいモデルを使用する、あるいはインフォメーションモデリングの手法によってユーザが使用できるコンテンツの価値を高めることができるような革新的なツールを導入しています」と述べている。

3D Warehouse(3次元コンテンツライブラリ)の改善

SketchUp 2014において、3次元モデルのオンラインライブラリである3D Warehouseは大きく刷新されており、ユーザ自身が必要なモデルを速やかに検索できるだけでなく、それらを系統ごとに分けてまとめて管理することができるようになっている。さらに、これらの系統ごとに分類された情報を全世界から共有することができる。

  • 3D Warehouse専用のWebGLビューアを搭載したことにより、実際にモデルをダウンロードする前でも完全な3次元環境で回転させながらプレビューが可能
  • ウェブブラウザのみで3次元モデルのアップロードが可能
  • アップロード可能なモデルサイズを従来の10MBから50MBへ拡大
  • 新製品カタログの実装により、窓や洗濯機といった特定の製造業者モデルの検索が容易

SketchUp ProにおけるBIMワークフロー

昨今の建築・建設産業にとって、BIMはますます重要な手法となってきていることを反映し、SpetchUp Pro 2014ではBIM関連ソフトウェアとのインターオペラビリティを強化している。また、作成したオブジェクトやモデル、およびそれらと関連付けられたデータがBIMワークフローを通じて明確に識別できることを保障することで、より簡単にBIMプロセスへ移行できるようになっている。

SketchUp Pro 2014で導入される三つのBIM機能

  • IFC形式でのエクスポート:業界標準のIFC2×3形式でのファイルエクスポートに対応する。
  • 分類 :あらかじめ読み込んでおいたIFC分類定義に基づいてオブジェクトを分類したり、代替のオブジェクト分類タイプを使用したり、あるいは必要に応じて個別のシステムを作成することができる。
  • コンポーネントオプション:BIMプロセスの全体を通じ、プロジェクトごとに関連したデータの管理を可能とするための、オブジェクト分類タイプに応じた様々な編集可能なオプション

Trimble社SketchUp製品開発管理部長のJohn Bacus氏は、「我々は今回の最新リリースで、従来のBIMワークフローでよく見られた複雑で固定的なプロセスとは一線を画すBIMプロセスを導入しています。SketchUp Pro 2014ではBIMワークフローのどの状態でも、より効率的にBIMへ関与することを可能とすることを目標としており、構造化された情報をモデルに追加するためのシンプルなツールの追加や、特殊なツールを用いることなくプロジェクトチーム内の他のメンバーと情報をやり取りすることが可能となっています」と述べている。

より正確な文書作成

業務用途で使用するユーザ向けに、SketchUp Pro 2014では2Dドキュメント機能をさらに強化しており、例えば繰り返し作業の労力を軽減する自動タグ付け機能の精度向上や、定義済みテキストを用いるスマートラベリング機能、モデルビューのベクターレンダリング速度の向上などが行われている。

SketchUp 2014のより詳細な情報は以下のURLから
http://www.sketchup.com/