Dassault Systemes社が「SOLIDWORKS 2016」を発表

2015年10月 5日

2015年10月1日 フランス ヴェリジー=ヴィラクブレー ―― 3次元設計ソフトウェアと3次元デジタルモックアップおよびプロダクトライフサイクルマネジメントソリューションにおける、世界的なリーディングカンパニーとして知られるDassault Systemes社は2015年10月1日、同社の3次元設計アプリケーションポートフォリオの最新版となる「SOLIDWORKS 2016」を発表した。

SOLIDWORKS 2016では、製品開発の初期コンセプトから最終製品に至るまで、270万のSOLIDWORKSユーザーがより迅速かつ容易に設計から検証、そしてコラボレーションを行えるような新機能や機能改良が導入されている。Dassault Systemes社の3DEXPERIENCEプラットフォームの力によって、SOLIDWORKS 2016の統合3D設計環境は製品開発の全ての側面を網羅している。

ユーザーからの要望に基づく新機能としては、あらゆるサーフェスの展開機能や設計物のパフォーマンス検証機能が追加されている。また、製造とのコミュニケーションの効率向上やマーケティングにそのまま使用できる高品質画像を高速生成することも可能となっている。加えて、各コマンド群へのアクセスを簡易化している。これら数百もの新機能に加えて、設計者や技術者が設計に集中して複雑な問題を解決しながら、並列的な設計プロセスを効率化し、製造との連携を考慮した設計が行えるようにユーザーインターフェイスの改良が行われている。

Gaztransport & Technigaz社シニアCADデータマネージャーのDavid Herlin氏は、「我が社の設計チームは複雑なモデルを用いて作業しており、SOLIDWORKS 2016の新機能と機能改良の数々を高く評価しています。その中でも、選択階層リンクと除去機能による選択の容易さにより、設計作業をより効率的に行えるようになりました」と述べている。

SOLIDWORKS社CEOのGian Paolo Bassi氏は、SOLIDWORKS 2016について「SOLIDWORKSコミュニティは、小さなコンシューマ向け電気機器から工業用機械に至るまでの多様性を持ち、さらに最新の技術的トレンドを取り込んだ、何十万種類もの驚くべき製品を生み出します。SOLIDWORKS 2016で導入された新機能の90%(パーセント)以上は、自身の作業を高速化し、より容易に行いたいというユーザーコミュニティからの要求から生まれた、価値あるフィードバックがもたらしたものです。SOLIDWORKSは次世代の製品設計に対応するために、製品の設計から解析、技術的コミュニケーションおよびデータ管理に至るまで効率的にイノベーションをもたらすであろう数百万もの設計者や小規模製造者、教育者、学生たちの助けとなるような機能を開発しています」と語っている。

SOLIDWORKS 2016で導入された新機能や製品、および改良点で、ユーザーからの要望の多かった項目は以下の通り。

設計作業自体への集中

設計プロセスを高速化し、設計時間と目的の形状へ達するための労力を削減するため、モデリング柔軟性の強化とコマンドへのアクセス性が以下のように改善されている。

  • 曲率連続フィレット:非対称または可変半径を含む全てのフィレットタイプでより高速な曲率連続フィレット作成が可能となる。
  • スウィープコマンド:スウィープコマンドの処理速度が高速化される。そのほか、高い信頼性と予測可能性を備えるよう改良されている。また、双方向スウィープでは、区間内の円プロファイルが自動的に作成されるようになっている。
  • ねじ山ウィザード:モデル規格に準拠したカスタム定義ねじを1クリックで作成できる。
  • 選択階層リンク:フィーチャツリーを確認せずに、あらゆるモデルに迅速かつ容易なアクセスが可能で、マウスの操作距離を短縮できる選択階層リンク機能。

複雑な課題を早期に解決

複雑な課題の解決や機能の可視化と検証、および問題が生じる前に発見するために必須の解析作業をより効率化する。

  • 革新的な設計解析ツール:操作シークエンスや荷重、部品の動作、必要とされる力、およびメッシュ品質などの制御性を強化することで信頼性の高いパフォーマンスデータを生成できる。
  • あらゆるサーフェスの展開機能:非常に複雑な幾何形状であってもすばやく、容易に展開できるようになる。このため、形状の成形時に発生する伸びを容易に特定できると共に、フラットパターンの過大な伸びや縮みを防ぐような逃げを挿入できる。

並列的設計プロセスの効率化

機構設計やコンカレント設計および効率化された電気機械設計におけるチーム間、業種間、顧客、ベンダーとの同時並行的な作業における通信とコラボレーションの強化が図られている。

  • メタコントローラー:ゲームコントローラーと類似しており、計算や制御、可視化機能を駆使して、複雑なアセンブリの動作アニメーションを容易かつ直感的に作成できる。
  • eDrawings:設計の計測と文書間での適切なナビゲーション、およびモデルのより正確な可視化によって、製品開発を通じて設計データのやりとりとコラボレーションを改善する。

製造まで含めた設計の追跡

製造のための製品設計期間を短縮し、製造に適した詳細な設計モデルを作成する。

  • SOLIDWORKS Model Based Definitionの改良:2次元図面のあいまいさや下流工程での矛盾を避けるため、3次元環境で迅速に製造上の要件を定義し、構造化し、発行できる。
  • SOLIDWORKS Visualize(旧名:Bunkspeed):SOLIDWORKSやその他のCADデータから、設計に対してより良い決定を下し、高品質なグラフィックスを生成する。