CD-adapco社が「STAR-CCM+ v11.04」をリリース

2016年 7月 4日

2016年7月1日 アメリカ ニューヨーク州 ニューヨーク ―― 連成エンジニアリングシミュレーションおよび設計探索ソフトウェアの開発で世界的にその名を知られるCD-adapco社は2016年7月1日、業界をリードする同社のエンジニアリングシミュレーションソリューションの最新版となる、「STAR-CCM+ v11.04」をリリースした。同リリースでは、新たなモデリング機能の導入や解析ワークフローの改善、および問題解決までの所要時間削減を通じて、業界を問わず、技術者が迅速かつ確信を持って設計上の重要な決定を行えるようにすることを目標としている。

CD-adapco社製品マネジメント部門シニアバイスプレジデントのJean-Claude Ercolanelli氏は、「STAR-CCM+ v11.04は、以前から変わらず、技術者をより効率的にし、かつより良い設計をより迅速に行えるように注力しています。加えて今回のリリースでは、ターボ機械や海洋、石油・ガス、航空宇宙、地上交通、電気機器などの業種向けに、適用可能領域を拡大しています」とコメントしている。

Siemens社は6月14日、予測的エンジニアリング分析用の解析・テストを目的とした包括的なソフトウェアスイートであるSimcenterポートフォリオを構成する一要素として、STAR-CCM+が組み込まれることを発表した。Simcenterの目的は、製品の現実世界での振る舞いを予想し、複雑なエンジニアリング上の難題を解決するうえで役立つデジタル・ツインの開発支援だとしている。

Ercolanelli氏は続けて、「STAR-CCM+がSimcenterポートフォリオに組み込まれることは、非常に喜ばしいことです。Siemens社は強力な解析およびテストソリューションを構築しています。これは、顧客が製品のライフサイクル全体を通じてその発揮しうるパフォーマンスを、より速い時点で、より正確に予測することを可能とするという我々の使命を達成するうえで、大きな助けとなります。Simcenterポートフォリオと結びつき、確固たる目標に沿ったリリースを行うことに費やしてきた我々の努力は、より性能で優れ、より革新的な製品として結実することでしょう」と語っている。

STAR-CCM+ v11.04は、同社の顧客が参加するイノベーションフォーラムであるIdeaStormに投稿されたアイデアから生まれた、多数の新機能が盛り込まれている。新機能の内容は以下の通り。

  • ポンプ・湿ガス圧縮機などの用途を念頭に、ターボ機械業界用に拡張された多相シミュレーション機能
  • 海洋・石油・ガス業界向けに、新規波形強制モデルによる精度と計算時間の改善や瞬間的な挙動解析用の自動時間幅調整機能
  • 航空宇宙・地上交通機関業界向けに、航空機の着氷や水管理などを対象とした安定状態流体膜に対応し、計算時間を削減
  • 地上交通機関・エレクトロニクス業界向けに、複合材ラミネート構造の共役熱伝導モデリング時の柔軟性と使い勝手を強化
  • 電気機器・変圧器、プラズマデバイスなどの用途における電磁気問題のモデリングを可能とし、STAR-CCM+の連成解析能力を拡張する、3次元有限要素電磁気解析の導入