3D Systems社が「Cimatron 13」をリリース
2016年 7月11日
2016年7月6日 アメリカ サウスカロライナ州 ロックヒル ―― 3D Systems社は2016年7月6日、同社の金型設計ソフトウェアの最新版となる、「Cimatron 13」のリリースを発表した。Cimatron 13は、生産性を大幅に改善すると共に、金型やその個々のパーツの設計と製造で生じうるオーバーヘッドの最小化を可能とするための新機能や機能強化が導入される。3D Systems社のエンド・トゥ・エンドソリューションの一環として、Cimatronは今日のデジタルマニュファクチャリングワークフローの主要コンポーネントであり、同社の顧客がそのプロセスを最適化し、製造現場における高い生産性の実現を可能とする。
3D Systems社ソフトウェアプロダクト事業部バイスプレジデント兼共同COO兼CROのCalvin Hur氏は、「Cimatron 13は、品質と納期において競争的な環境に晒されている金型メーカーにかかる重圧を緩和するものです。この重要なアップデートでは、より良い金型や部品をより迅速に製造する手段を金型メーカーへ提供します。」とコメントしている。
積層造形サービスと機器販売、および製造現場向けワンソースソリューションプロバイダーのBastech社は、新規コンフォーマル冷却設計機能を備えたCimatron 13のベータテストを行い、その結果得られた経験を記録している。エンド・トゥ・エンドワークフローの一環としてCimatronを用いることで、Bastech社はコンフォーマル冷却射出成型用金型の設計期間を短縮すると共に、3D Systems社の直接金属焼結機であるProX 200を活用して金型を製造した。完成した金型は実際の使用に先立って、3D Systems社の3D検査ソフトウェアであるGeomagic Controlによる検証が行われている。このプロセスにより、設計期間を短縮するだけでなく、製造時においてもその所要時間とコストを節減することに成功している。
Bastech社代表取締役のBen Staub氏は、「コンフォーマル冷却の設計にCimatronを用いることで、その多くを人手に頼っていた我が社のプロセスは、大いに自動化されました。そのため、金型設計期間は70%(パーセント)削減され、コストにおいても16%の削減を実現し、結果として射出サイクルタイムを14%も削減しながら、全体としての部品品質を高めることができました。Cimatronは、我が社の金型製造担当が、実際に3Dプリントによって金型を作成する前の時点で、キャビティやコア、および入れ子をセットアップする際により良い選択を行うことを可能としたのです」とコメントしている。
Cimatron 13で導入される主な新機能は以下の通り。
- ダイレクトモデリングやハイブリッドモデリング機能を備えた新たなメッシュ操作、およびアセンブリ機能の拡張など、より迅速に設計を行うための金型設計向けの広範な新規CAD機能
- 複数ビューの直接作成やシェーディングビューの作成機能など、図面機能の強化
- より効率的な設計プロセスのためのゲート設計機能や、射出サイクルタイムを短縮し、部品のひずみを防止するために有効な、屈曲を含む冷却チャネルの設計を容易に可能とするコンフォーマル冷却ツールを含む、実用的な金型設計機能
- あらゆる金型タイプにおける設計を迅速化するためのプログレッシブダイやトランスファーダイ向け環境分離機能
- 自動化されたソリッドツールを含む、電極設計を高速化するためのスマート電極ミラーリングツールおよびハイブリッド設計環境
- 金型用プレートの高速で効率的な自動プログラミング用の機能一式を提供する、新規プレート加工ソリューション
- 部品が加工機上にある状態で加工プロセスの検証を可能とするための、NC環境中の探針サイクル定義が行えるCNC加工機上の計測機能
- 荒削りや仕上げ、2.5軸加工におけるプログラミングの自動化を推し進めるため、新たに改良された切削および穴あけ用NCプログラミング機能
- 複数のユーザーが同一のプロジェクトに対して同時に作業するためのコンカレントな設計および製造環境