PTC社が「Creo 4.0」を発表

2016年11月21日

PTC社 アメリカ マサチューセッツ州 ニーダム 2016年11月15日

2016年11月15日 アメリカ マサチューセッツ州 ニーダム ―― PTC社は2016年11月15日、Creoシリーズの最新版となる、「Creo 4.0」のリリースを発表した。Creo 4.0では、IoT(モノのインターネット)や積層造形、拡張現実、およびMBD(モデルベース定義)に対応する新機能が導入されている。さまざまなコアモデリング能力強化や、未来の製品を生み出しうる新機能によって、Creo 4.0はより洗練された設計能力と高度な生産性をもたらす。

IoTとスマート・コネクテッドプロダクトの時代において、製品開発は変化しつつあり、Creo 4.0は製品開発の将来を体現するものとなる。最新版Creoによって、製品開発者がスマート・コネクテッドプロダクトを開発可能となるだけでなく、積層造形や拡張現実など新技術の利用も可能となる。

シリコンバレーを拠点とするPTC社代理店、NxRev社CEOのScott Carmichael氏は、「Creo 4.0の発表に大変興奮しています。モデルベース定義を実現するためのPTC社の取り組みのおかげで、我が社の顧客は2次元図面を一切作成せずに、3Dモデルへ注力できるのです。拡張現実と『IoTのための設計』に関するPTC社のビジョンとリーダーシップは、我が社の顧客にとって非常に大きな影響を与えました。我が社の顧客は次世代のスマート・コネクテッドプロダクトを設計しており、その全ての段階を通じて、これらの急成長する技術を活用していきたいと考えています」と語っている。

Creo 4.0で導入される主な新機能

スマート・コネクテッド製品設計

Creo 4.0では、製品設計者が設計上の意思決定を改善するためにIoTを活用し、製品がどのように振る舞い、そしてどのように使用されるかについて、より深く理解できる。この新しいソリューションは、現実世界の情報を設計プロセスへ落とし込むための能力を提供する。加えて、センサーを設計プロセスへ取り込むことで、カスタムデータストリームを持つ製品を開発者が積極的に設計するような、接続性戦略のための設計が可能となる。

Lifecycle Insights社のChad Jackson氏は、「モノのインターネットの時代となった今、PTC社は革新的な機能によって再び、3DCADアプリケーションとの境界を押し上げようとしています。鍵となるのは、Creo 3DモデルとThingWorxのセンサーモデルとの接続であり、これによって一切の現実世界における構築作業なしに、センサー配置に関するバーチャルプロトタイプとデータストリームのエミュレーションが可能となるでしょう。PTC社は、この世界にとって全く新しい機能を開拓しようとしているのです」と述べている。

積層造形対応

Creo 4.0では、積層造形技術による部品製造の設計を効率化するために、障壁が取り除かれている。Creo 4.0は、積層造形のための設計機能を提供し、設計者が単一のCreo環境内で設計と最適化、検証、および造形品質チェックの実行できるとしている。また、格子構造をパラメトリックに制御可能とすることで、複数の設計目的ないし拘束条件に適合するようモデルを最適化可能となっている。

拡張現実

Creo 4.0では、デジタル製品を現実世界へ持ち込み、設計に関するより魅力的で有益なビジュアルエクスペリエンスを実現する。Creo 4.0では、現実的なサイズや尺度とコンテクストを備え、魅力的で有益な情報ビジュアル的な拡張現実エクスペリエンスを容易に作成できるため、シームレスにCADデータを再利用可能となる。

モデルベース定義(MBD)

Creo 4.0では、設計者が正しくMBDを導入し、2次元図面への依存を減らすことで製品開発効率を向上させる。Creo 4.0では、適切なGD&T(幾何公差)情報アプリケーション内で設計者を誘導、教育し、不正確な情報や誤って解釈された情報の結果、生じうるミスを削減できる。加えて、Creo 4.0ではGD&Tデータが3DCADモデル中で完全に意味論的な手法で解釈することにより、モデルがASMEまたはISO規格に準拠し、また製造や検査などの下流工程での使用を効率的でエラーのないものとするためにモデルジオメトリを拘束する。

PTC社CAD部門シニアバイスプレジデントのBrian Thompson氏は、「IoTが持つ潜在的能力とは、単により多くの製品がデータを使用できるようになることではありません。製品をよりよいものとし、洗練されたものとするためにこれらのデータを活用し、精査し、そして分析できることを意味しています。Creo 4.0では、製品設計上の意思決定を改善するために、設計プロセスにおける仮定を現実世界のデータで置き換えられます。モデルベース定義機能はより完全な製品のデジタル定義に役立つでしょう。Creo 4.0に含まれる機能拡張は設計者の生産性を向上させると共に、設計者のデジタルエンジニアリングの旅を支援し、IoTの活用を助けるでしょう」と述べている。