Tecplot社が「Tecplot 360 2017 Release 1」をリリース
2017年 1月10日
Tecplot社 アメリカ ワシントン州 ベルビュー 2017年1月6日
2017年1月6日 アメリカ ワシントン州 ベルビュー ―― 技術者や科学者向けのデータ可視化・解析ソフトウェアの開発で知られるTecplot社は2017年1月6日、同社のビジュアルデータ解析ツールの最新版となる、「Tecplot 360 2017 Release 1」の一般向け提供の開始を発表した。
Tecplot 360 2017では、三つの重要な新機能が導入されている。
Chorusは、CFDや計算物理解析における傾向や異常を見つけるうえで役立つ設計空間探索ツールで、これらの変化を引き起こす流体力学的な現象に関する洞察を同時に、単一の環境で得られる。Tecplot Chorusは、2012年にスタンドアロン製品としてリリースされたが、今後はTecplot 360との組み合わせでのみ提供される。
Tecplotの新規Python APIとして、PyTecplotが新たに導入された。Pythonは、ワークフローの自動化のために科学者や技術者から広く使用されているスクリプト言語である。PyTecplotは、使い勝手のよいオブジェクト指向アプローチを特長とし、プロットの作成やデータの変更に用いることができる。PyTecplotは他のPython互換ツールを完全に統合している。
SZL Serverは、HPCやデータサーバー、リモートファイルストア上にインストールされる軽量アプリケーションとなる。このサーバーサイドアプリケーションは、Tecplot社独自のSZLテクノロジーを活用し、特定のプロットを生成するために必要なデータのみを転送する。データの転送は高速かつセキュアであり、サーバー側にグラフィックスカードは必要としない。
これらのTecplot 360の新機能は、新たに拡張されたメンテナンスプランである、TecPLUSに契約している顧客のみが利用できる。現時点でメンテナンス契約中の顧客は自動的にTecPLUSへアップグレードされる。同社のWebサイトから、Tecplot 360 2017 R1の全ての新機能が使用可能な無償体験版をダウンロードできる。
Tecplot社社長のTom Chan氏は、「何カ月にもわたる作業の結果として、これらの新機能をリリースすることに興奮しています。Tecplot Chorusは、我が社の顧客が複数のソリューションから構成される巨大なデータセットをすばやく分析するうえで有効となるでしょう。新規Python APIであるPyTecplotによって、ツールチェーン全体を通じてワークフローの自動化が可能となるでしょう。また、SZL Serverは顧客がデータの転送に費やす時間を短縮し、結果を解析するためにより多くの時間を割り当てられるでしょう。顧客からの声によれば、今回のリリースについて非常に興奮しており、その業務効率を向上させるだけでなく、設計の精度を改善するうえで大きな機会となる、とみなしています」と述べている。
Tecplot 360 2017 R1におけるその他の新機能や改善は以下の通り。
- データファイル中の名前は異なるが同じ意味を持つ変数をまとめられる変数のまとめ機能。
- 目的の切断平面上の3点を指定するか、またはインタラクティブに3点を指定することでスライス方向を設定可能。
- 結果のビジュアル表現能力とパフォーマンスを改善する、アイソサーフェス生成用の新規アルゴリズムの導入。
- Tecplot 360ライセンスを必要とせずに、データファイルをバッチ処理によって新規SZL形式へ変換可能。
- TecIOによってSZLファイルを読み書き可能。
- Cart3Dユーザー用の新規TRIXローダーや、CGNS / PLOT3D / FLOW-3D/FEAローダーのアップデートを含むファイル読み込みモジュールの改良。