Mentor社が流体解析ソフト「FloEFD」をアップデート

2017年11月 6日

Siemens PLM Software社 2017年10月24日

Mentor社 2017年11月2日

2017年11月2日 ―― Siemens傘下のMentor社は2017年11月2日、同社のフロントローディングCFD製品である「FloEFD」の最新版を発表した。最新版では、ジオメトリの処理やフィジックス、および結果の視覚化のための新機能が導入されている。FloEFDでは、高速で精度の高い解析が可能となる先進的な技術を導入することで、設計者が製品の振る舞いを構想段階で理解し、あまり有望でないオプションを排除するために、設計プロセスの早い段階でCFD解析を実行できるようにする。FloEFDの独自技術により、解析に要する時間を65%から75%も短縮し、2倍から40倍の生産性強化をユーザーへもたらす。このため、自動車産業や航空宇宙産業、電子機器、産業機器市場に従事する設計者が、製品パフォーマンスと信頼性を最適化し、試作品作成回数や開発コストを削減することができる。

Termoflow社統括マネージャーのKolio Kojouharov氏は、「FloEFDの新バージョンでは、ユーザーが親しみやすいインターフェースと速度、そして高い精度を驚くほど効率的な手法で纏め上げています。このため、高度に複雑なジオメトリモデルに関する数多くの物理的な難題に対してユーザーが対処することが可能となりました。自由曲面の処理に関する新機能は、最終製品を改善する方法を常に捜し求めている我々の顧客と我が社の技術者にとって好機となるだけでなく、今日の市場において必要不可欠な競争力を得ることができました」と述べている。

FloEFD製品には、多数の強力な機能や使い勝手のための機能、そして高速で精度の高い解析能力が揃っている。新たに導入された自由曲面解析機能により、流体の挙動を観察するために、貯蔵タンクへ流れ込む液体のような、表面流をシミュレートすることが可能となっている。この重要な機能は、食品および飲料を取り扱う機器類だけでなく、自動車や防衛、および航空宇宙産業においても有用となる。また、FloEFD製品では、効率的なジオメトリハンドリング機能である、領域周期性が取り入れられている。これにより、巨大な円筒形状であっても、一部分ないしほんのわずかな領域をモデリングするだけで済むようになる。この機能はモデルとメッシュサイズを削減し、解析を高速化できるため、ターボ機械やポンプ、ファン、あるいはコンプレッサーといった、産業機器設計用途において特に有用である。

LEDモジュールに対しても機能強化が行われている。放射スペクトラムおよび角度に依存する放射強度の設定を定義することができるようになった。このため、FloEFDは、LEDの頂点における放射光束の計算結果を自動的に適用することができる。また、FloEDA Bridgeでは、ユーザーがEDAジオメトリをCADへのインポートを可能としている。インポートに際しては、軽量なジオメトリ解像度から、全てのレイヤーおよびビア(貫通孔)を含む完全で明確なジオメトリまでの異なるレベルに対応する。最新リリースでは、ジオメトリに加えて材料プロパティおよび熱出力をFloEFDの解析へ追加することが可能となっている。さらに、FloEFDから強力なスタンドアロン型ビューワが新たに提供されるようになり、FloEFD製品を利用できない技術者とも解析結果を共有することができる。例えば、最終承認のために、ビューワを用いてクライアントやグループマネージャーと解析結果を共有することも可能となる。

Mentor Mechanical Analysis Divisionの統括マネージャーであるRoland Feldhinkel氏は、「FloEFDに向けた、数多くの強力な機能強化を提供することによる我々の継続的な投資は、我が社の顧客の進化し続ける要求に直接応えるものです。今回の新たなリリースにより、ますます競争の激しさを増す市場への製品投入スケジュールという難題に直面している顧客へ、高速で精度の高い解析結果を提供することにより、解決へと導きます」と語っている。

CAD統合型のFloEFD製品は、PTC Creo、CATIA V5、Siemens NX、およびSolid Edgeから利用することができる。スタンドアロンバージョンのFloEFD製品も利用可能となっている。FloEFDは、日本語や英語、中国語、フランス語など7ヶ国語に対応する唯一のCFDソフトウェアであり、技術者が使いやすい言語でFloEFDのCFD機能を体験することができる。

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