colorFabb社とLEHVOSSグループが「PA-CF Low Warp」フィラメントを発表

2018年 1月 9日

colorFabb社 2017年12月18日

2017年12月18日 ―― オランダの3Dプリント用材料メーカーのcolorFabb社は2017年12月18日、ドイツの研究開発企業のLEHVOSSグループと共同で開発され、炭素繊維配合の高強度で、かつ造形時の反りを抑制したポリアミド系3Dプリントフィラメントをリリースした。
PA6樹脂と同等の機械的性質を備えながら、プリントのしやすさや湿度制御が強化されたこの新製品は、「PA-CF Low Warp」と名付けられた。

4倍の耐湿性

PA-CF Low Warpは、ホットエンドの動作温度が260度から280度であり、かつ炭素繊維による磨耗に対応できる耐摩耗性ノズルを備えた多くのFDM/FFF(熱溶解積層)型3Dプリンターで利用することができる。
PA-CF Low Warpは高い引張強度と耐衝撃性を備えているだけでなく、120度の温度環境下に長く置かれても初期の目的を達成できるだけの性能を維持することができるとしている。
また、フィラメントの化学構造を調整したことにより、PA6樹脂と比較して吸湿性が改善されている。フィラメント中に蓄積された水分がプリント時に影響を与える飽和点に達する時間は、PA6との比較で4倍も長くなっている。

常温プリントベッド使用時の反りの軽減

PA-CF Low Warpフィラメントを使用することで、非加熱型ビルドプラットフォームであっても、反りの少ないオブジェクトをプリントすることができる。充填率が低い設計では、プリント対象は冷たいプリントベッド上でも正しく造形される。より充填率が高い設計であれば、40~50度のビルドプレートへ出力することで正しく造形することができる。
colorFabb社取締役のRuud Rouleaux氏は、「多くの場合、エンジニアリングマテリアルをプリントすることは非常に難しいものです。しかし、数多くの有名な3Dプリンターを用いて行った我が社のテストにより、PA-CF Low Warpは優れた特性を備えているだけでなく、常温のビルドプレートを用いても反りを生じることなくプリントできることがわかりました」と述べている。
LEHVOSS 3D Printing Market Developmentの責任者であるThiago Medeiros Araujo氏は、「本マテリアルにより、従来のような試作品製造だけでなく、機能部品や連続生産にも3Dプリント技術を利用することが可能となるでしょう。層間接着性を改善して反りの発生を抑制し、colorFabb社の高品質フィラメント製造技術とを組み合わせることにより、プロセス全体の信頼性と繰り返し可能性を確保することができました」と述べた。
PA-CF Low Warpフィラメントは、colorFabb社がnGen_LUXフィラメントを2017年9月に発表して以来の製品となる。colorFabb社の新しいフィラメントは、今週中の出荷に先立って、事前注文を受け付けている。