ExOne社とSiemens社が工業用3Dプリンティングで提携

2019年 7月 8日

ExOne社 2019年6月26日

2019年6月26日 ―― バインダージェッティングテクノロジーによる砂および金属系工業用3Dプリンターに関するグローバルリーダーのExOne社は2019年6月26日、自動化とデジタル化に関する世界的なテクノロジーパワーハウスであるSiemens社との提携を発表した。両社の提携は、鋳造業や航空宇宙産業、自動車産業、エネルギー産業およびその他の業種の顧客に利益をもたらすとしている。

同合意により、ExOne社の毎時135L(1層あたり18秒)の速度でプリントすることが可能な完全新規砂3DプリンターであるS-Max ProへMindSphereを含むSiemens社の自動化技術とソフトウェアのDigital Enterprise Portfolioが完全に組み込まれる。S-Max Proは、2019 GIFA国際鋳造トレード展で発表された。ドイツのMesse Düsseldorfにおいて開催された同イベントの来場者は、Stand A11のHall 15において、6月29日まで同技術を体験することができた。

ExOne社 CEOのJohn Hartner氏は、「この度の協力関係の強化により、ExOne製の工業用3Dプリンターの顧客である鋳造業企業、および製造業企業に対して、はるかに多くの価値を提供することができるようになるでしょう。Siemens社最新の制御とセンシング、およびモーション技術と新たなMindSphereテクノロジーと完全に連携可能な初の工業用3Dプリンターを提供できることを誇らしく思います。そして、この連携によって新しいレベルの制御とプラント統合を顧客へ提供できるでしょう」と述べている。

Siemens Digital Industries社積層造形部門バイスプレジデントのKarsten Heuser博士は、「ExOne社との協力関係をさらに強化し、積層造形の工業化を推進できることを誇らしく思います。ExOne社がさらなる価値を生み出すことを支援するために、Siemensは新たなデジタル技術と、工業分野で長年培ったノウハウを提供します。新たな3DプリンターのExOne S-Max Proは、シームレスに統合されたソフトウェアと自動化ソリューションによって市場への製品投入時間を短縮し、より高いパフォーマンスと最大の可用性を達成できることを実証するでしょう」と述べている。

ExOne社のコネクテッド3Dプリントシステム

SiemensによるDigital Enterpriseポートフォリオは、インダストリー4.0の利点を活用してExOne社をサポートするための、統合されたハードウェアとソフトウェア、およびサービスから構成される。機械のシミュレーションとエンジニアリングおよび試運転に関わる機械のコンセプトから運用と保守に至るまでの、バリューチェーン全体にまたがった共有データモデルを用いるデジタルツインがこの全体論的な手法の中心に存在する。機械の運用者はより短いリードタイムと高いマシンパフォーマンス、およびよりスマートな保守に関する意思決定によって、投資の健全性を保証することができる。
ExOne社のアプリである「3D Live」は、機械のデータやその他の関連する情報をリアルタイムで分析するためのSiemens社製のオープンなクラウドベースIoTオペレーティングシステム上で動作し、自動化された、あるいは時機に応じた意思決定のための基盤を提供し、データを価値へ変換する。例えば、ExOne社製の機械では、メンテナンスと修繕行動を改善するために、運用者が例外を特定することが可能であるため、予期せぬダウンタイムを避けることができる。

Hartner氏は、最後に「工業用3Dプリンティング用の生産ソリューションの提供における我々の能力をさらに強化するためにSiemens社と協力することを待ち望んでいます。顧客が我が社のシステムを新たなスマートファクトリーへ導入し、普及しつつあるSiemens社の技術を取り入れることができるよう、我々は協力してまいります」と述べている。

More Information