Titomic社とGilmour Space社が高性能ロケット部品の3Dプリント製造で協力
2019年10月 7日
Titomic社 2019年10月3日
2019年10月3日 ―― 積層造形会社の豪Titomic社は2019年10月3日、クイーンズランドを本拠とするGilmour Space Technologies社と高性能ロケットおよび航空宇宙向けコンポーネントの3Dプリント製造で協力すると発表した。
戦略的意図と技術開発に関する合意文書によれば、オーストラリアの将来宇宙探索活動のために、Titomic Kinetic Fusion(TKF)法を用いてロケットコンポーネントの製造に関する技術開発を両社が共同で実施するとしている。
Gilmour Space社共同創設者にして最高執行責任者のJames Gilmour氏は、今回の合意について「Gilmour Spaceは、今日の世界的な小型衛星市場を支えるための新たな打ち上げ機を開発しています。今回の合意に基づいてTitomic社の革新的な製造手法を活用することで、弊社の軌道打ち上げ機で使用するためのより軽量かつ強固なコンポーネントを製造することができるでしょう」と述べている。
Titomic社は、2014年に同社の固相金属積層造形技術を商用化した。同技術は、国立研究機構CSIROによって開発されたコールドスプレー法を用い、異なる金属材料を用いた複雑な大型部品を製造することができる。メルボルンにある同社の施設では現在、最大で長さ9m、幅3mまでの金属部品を3Dプリントすることができる。宇宙への安価なアクセスを実現するための高性能ハイブリッド推進技術に注力するGilmour Space社は、この大型部品製造能力とTKF法を活用することでロケットやその他の大型宇宙用コンポーネントを一体成形することができるようになるとしている。
Titomic社創設者にして代表取締役のJeff Lang氏は、「オーストラリアの宇宙開発エコシステムの成長を確かなものとするための高度な独自技術を提供することに関する商業的な戦略的ビジョンを共有することは、Titomicにとってワクワクするような新たな一歩です。低価格な高性能ロケットによって人工衛星を宇宙へ打ち上げるためのコストを低減するというGilmour Space社の戦略は、Titomic独自のTitomic Kinetic Fusionテクノロジーを用いて従来型製造法に対する低価格な選択肢を提供するというTitomicの能力と相乗効果をもたらすでしょう」と加えた。