設計者の原価管理に対する課題を解決するために開発されたDesign BOMのコンセプトやDesign BOMの導入によって、どのような効果が期待できるのかをご紹介するトピックス第2回です。
今回は、設計段階での原価管理でお客様が感じている課題とその課題に対するDesign BOMのアプローチをご紹介します。
設計部門の原価見積りの現状
Design BOMは、設計部門向け原価見積りツールです。Design BOMが活用される設計段階の原価見積りの現状はどうなっているのか? お客様の声を交えてご紹介します。
お客様の課題TOP3 (開発メーカー ヒアリング調査結果)
- 担当者の負担が大きい
- 見積り精度の向上(実際原価<注1>との乖離が大きい)
- スピード化したい
これらの課題はDesign BOMで解決できます
Design BOMは、チームで製品の原価低減を目指すことに着目し、比較見積法(表1)に基づいた実績値を使うことでスピードと精度のバランスを両立させた原価見積りツールです。比較見積り法の課題である「過去のデータを見つけられない」という点は、類似形状検索機能を搭載させることによって克服できます。
表1:見積り手法の比較見積り手法 | 算出方法 | 課題 |
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比較見積り法 | 製造・購入実績のある類似部品を参考にした算出 | 過去のデータを見つけられない |
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経験見積り法 | ベテランの勘と経験による算出 | 暗黙知が多く属人化してしまう |
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概算見積り法 | コストテーブルを使って論理的に原価算出 | コストテーブルの準備・メンテナンスが困難 |
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見積り精度向上のためのアプローチ ~Design BOMが実績値を使う理由~
材料費や加工費などに基づいて原価を算出するためのコストテーブルを作り込んでも「設計段階の見積原価と実際原価との乖離が大きい」といった課題を持つお客様は多くいらっしゃいます。
その理由の一つとして、部品製作をサプライヤーに外注した場合、加工費などの製造原価はブラックボックスになっているケースがあるからではないでしょうか?
つまり、コストテーブルに基づいて原価見積りを精度よく行うためには、サプライヤーと協力し、同じコストテーブルに基づいて原価を算出しなければなりません。しかしながら、コストテーブルではなくベテランの経験から売価を設定しているサプライヤーもいらっしゃいます。その場合、コストテーブルに基づいて算出した見積額を提示しても、なかなか原価を下げてもらえない……そのようなお悩みも耳にするケースが多くあります。

製造原価は設計者にも見積ることが難しい理由
それであれば、あえてコストテーブルで原価を見積るのではなく、実際原価に基づいて原価見積ることよって、設計段階の原価管理ツールを手軽に導入できるようにし、価格情報のメンテナンスも容易にする。これがDesign BOMの実績値を使う理由です。
さらなる見積り精度向上のために ~Design BOMの類似形状検索機能~
Design BOMは原価を積算するツールですが、3D形状に基づいて類似部品を検索できる「類似形状検索機能」があるのが大きな特長です。この機能により、見積りスピードそして精度の向上を実現しています。
では、実際にこの機能を使うことでどのような効果が得られるのか、利用例を二つご紹介します。
加工方法の選定によるコストダウン
設計中の部品をDesign BOMの類似形状検索機能を使い、過去の部品の中から類似部品を探します。そこで加工方法が異なる類似部品の実際原価を参考に、どの加工方法ならコストダウンが可能なのか、比較検討が可能となります。
新規部品の見積り精度向上
新規設計した部品を一から見積るのは時間もかかり、個人によるバラつきがあり、実際原価との乖離が大きくなるケースが多いのではないでしょうか。
新規設計した部品をDesign BOMの「類似形状検索」で過去に使用した部品の類似部品を探し、その実際原価に追加加工分の費用をプラスすることによって、原価の推測が容易になります。見積り経験の浅い担当者が2,000円の部品を誤って500円程度に予測してしまうといった大きな乖離が発生する可能性も少なくなり、担当者ごとの見積りのバラつきも少なくなり、平準化されます。
Design BOM 製品情報
Design BOMによるコスト意識の醸成
Design BOMを使うことによって、よりスピーディーに原価算出ができるようになるので、早い段階で原価を見える化できます。それにより、新人や中堅設計者は、原価を考えながら設計するようになり、コスト意識が醸成されます。
また、設計段階でDesign BOMで算出した見積原価を実際原価と比較し、その誤差を分析して、製造方法の見直しや実際原価の更新を行い、次回設計時の見積りに生かすというPDCAサイクルが生まれるので、見積り精度が次第に高まり、販売価格の適正化や原価見積りの精度向上、原価低減のためのノウハウが蓄積されていきます。
- 設計時の見積原価と実際原価の比較。
- 誤差の発生原因を分析して、原価を見積るノウハウを蓄積。
- 原価の見直しと更新を行うことで、次回の設計時の見積り精度を向上。
今回は、設計段階での原価管理でお客様が感じている課題とその課題に対するDesign BOMのアプローチをご紹介しました。第3回では、Design BOMを導入したことによって、設計部門がどのように変わるのか、お客様のケーススタディと今後の製品開発のマイルストーンを掲載します。
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