開発責任者が語るDesign BOM開発マイルストーン

開発責任者が語るDesign BOM開発マイルストーン

今回はDesign BOM開発責任者である、株式会社図研プリサイトの古矢氏に、お客様のニーズを取り込んで発展するDesign BOMについて今後の開発ビジョンを執筆いただきました。

Design BOMで実現したいこと ~Design BOMのコンセプトと開発ビジョン~

こんにちは。株式会社図研プリサイトの古矢です。今回は、私が開発しているDesign BOMの開発マイルストーンについて、公開できる範囲でご紹介させていただきます。

Design BOMは「設計段階の原価予測」の支援をコンセプトとして開発された製品です。主に、設計部門の方々にご活用いただくことを想定して開発しています。

設計者の原価見積りの課題として多く挙げられるのが「目標原価と原価見積りとの乖離(かいり)が大きい」というお悩みです。設計者の方々に話をお伺いすると、設計の終盤で原価見積りを実施しているケースが多いようです。

そのため、原価低減のために設計変更すべきと分かった時点では、おおよその設計が完了している状態となります。原価低減のための設計変更ということもあり、多くの場合ほかの部品の設計にまで影響を及ぼすような大きな変更になります。設計終盤にそのような設計変更をしてしまうと設計完了の期限を守れず、容易に設計変更ができないという事情が見えてきました。

設計初期段階で原価見積りをしていれば設計変更にも柔軟に対応できるのですが、そう簡単ではありません。「設計初期段階では正確な原価見積りができない」、「原価見積りに手間がかかる」、「再計算が発生しないように設計終盤に実施したい」というものが大きな要因です。

設計初期段階に正確な原価見積りができない最たる理由は、製造するための情報が確定していないことにあります。内製するのか外注するのか、内製するのであればどのような加工方法にするのか、それをどの場所でどの工作機を使って作るのか、手作業が必要なのか、外注する場合はどこに発注するのか、部品の購入ロットなど、さまざまな要素が決まってようやく原価を見積ることができるのです。例えそれらの要素が確定していたとしても、それらの要素を全て情報収集して原価計算することは手間がとても多く、設計と並行して実施するのは現実的ではありません。

そのため、設計者の方々が設計終盤に原価見積りをするプロセスで業務を進めることは当然の結果といえます。設計途中では原価見積りができない、設計終盤で原価の問題が発生しても設計変更ができない、という膠着(こうちゃく)状態を打破しない限り、設計段階での原価低減は実現できません。

そこで原価見積りで初めて原価を見える化するのではなく、設計中に原価予測をすることができれば、原価見積りのタイミングで発覚する原価の問題を未然に防げると考えました。ただし、その原価予測に手間がかかっては運用に乗りません。

このような背景から「設計中に高精度で簡単に原価の予測を実現」をコンセプトに、原価低減に向けた設計支援ツールとしてDesign BOMが誕生しました。

Design BOMは、設計業務で取り扱うCADデータを最大限活用する方針で検討を開始しました。設計者の方に設計に集中していただくことが前提のため、新たなデータ作成やデータ入力を極力避けることが目的です。

製造業の方々が新製品を設計する場合、ゼロから設計するケースはまれで、おおよそ形状や機能が似た部品から設計データを流用することが多いと思います。また、流用して完成した部品は、同じような形状・性質を持つため、利用する工作機や委託先、そのほかもろもろの製造に関する条件も同じになる傾向があります。Design BOMではその点に着目し、類似形状から見積りをする機能を開発しました。

Design BOMと設計段階の原価見積り

実績のある類似部品の単価情報を利用すれば、設計初期段階から製造条件を踏まえた原価を予測することができます。加えて製造に関する情報収集も必要なく、手間なく原価計算をすること、設計初期段階での原価計算を実現しました。

Design BOM Version 1.2(最新版)のリリースについて

Design BOMの最新バージョンを2020年12月にリリースしました。Version1.2のバージョンアップでも、原価見積りをする部門や設計部門の方々の声を反映させた機能を追加しています。

今回リリースした「データ一括登録」機能では指定したフォルダー以下のXVLデータ(CADデータ)を一括で取り込むことができます。Design BOM以外のシーンで既にXVLデータを既に活用している場合に、Design BOMの導入開始時の初期データ構築として利用することができます。また、更新、登録されたCADデータをCAD側のカスタマイズとしてXVLデータに変換して所定フォルダーに出力することで、毎夜などの一定の間隔でXVLデータを自動的にDesign BOMに取り込むことができます。そのほかにも、未見積りを強調して色分けして表示する機能などの、細かな使い勝手に関する機能もブラッシュアップしています。

今後の機能拡張について

見積り予測の精度向上を目的として「類似部品との体積の差分から自動で単価計算」する機能の開発を検討中です。

こちらも、CADデータと見積りデータを融合して持つDesign BOMならではの機能になります。CADデータを持つことで、各パートの体積を利用することができ、体積の差を踏まえて算出することができるようになります。

見積り精度の向上のみならず、設計者の方がより手間なく原価予測できるよう機能の拡張を企画中です。是非、今後のDesign BOMの機能拡張にもご期待ください。

製造業の状況によってもニーズは変わってきます。その変化についていけるよう、Design BOMは、設計段階の原価見積りを行う部門(主に設計部門)に対象を絞り、ニーズをくみ取っていち早く設計者の方々にタイムリーに製品をお届けしたいと思います。