FlexSim 2022がリリース。強化された機能とは?

株式会社ゼネテックは2022年6月17日に、離散事象解析3Dシミュレーションソフトウェアの最新バージョン「FlexSim 2022」をリリースしました。

この度リリースされた最新版「FlexSim 2022」では、「GIS(地理情報システム)連携機能」により、日本国内のみならず世界中の交通網を含むサプライチェーン・ロジスティクスの可視化で物流効率化を実現できるようになりました。また、物流倉庫などで導入が急速に進んでいる自律移動型ロボットのシミュレーションが可能となる「AGV+A-Star(干渉回避モジュール)」の機能強化が行われるなど、正確かつ効率的なサプライチェーン・マネジメント(SCM)の実現を強力に後押しします。

GIS(地理情報システム)ツール

サプライチェーン・ロジスティクス間の移動時間や距離との関係性を基に輸送用途をモデル化する機能が追加されました。これにより、地図を利用した移動ルートの可視化と正確なシミュレーションの両方が可能になります。

また、世界中の交通網を介した経路パスが事前に構成されますので、拠点間の輸送検討や納品リードタイムなどの物流効率化を実現できます。

AGV+A-Starの機能強化

搬送する条件に応じて障害物への回避動作を実現できるようになりました。

例えば、倉庫内を動き回る自律移動型のロボットが出荷する商品を棚ごとに運んでくる「Kivaシステム」などのシミュレーションが可能となります。自動倉庫のシミュレーションで活用できます。

強化学習ツール

強化学習環境(強化学習アルゴリズム)からFlexSimと通信を行うインターフェイスが追加されました。独自で構築したPythonスクリプトによる強化学習環境をFlexSimで実行できるようになります。

これにより、アルゴリズムを学習および評価する環境として使用できるため、最適化されたモデルが得られます。

  • * Pythonスクリプトや開発環境についてはサポート対象外

Webツールの機能強化

作成したモデルに対してWebブラウザーから検証が行える機能が強化されました。WebツールはFlexSimがインストールされているPCに専用のWebサーバーをインストールすることで、Google ChromeやMicrosoft Edgeのブラウザー経由でのモデル検証が行える機能です。

従来のパラメーターや設備の処理速度、AGV・フォークリフトなどの走行速度や部材投入数の変更に加え、新たにダッシュボードの機能が追加されました。これにより、設備・作業員の稼働状況や出来高などの検証が可能になります。

Webサーバーにアクセスするクライアント側では、FlexSimのライセンスは不要です。