設計手順のボトムアップとトップダウンとは? 2D CADと3D CADの違い

2019年 4月 3日

製造業

機械設計は、ボトムアップ設計とトップダウン設計という二つの設計手法によって製品設計を行います。2D CADと3D CADでは、これら設計手法を含め、設計手順にも明確な違いがあります。

ボトムアップ設計とトップダウン設計

ボトムアップ設計とトップダウン設計は、どちらも製造業における設計手法です。この見出しでは、それぞれの特徴を解説します。

ボトムアップ設計とは

ボトムアップ設計は、主に部品点数が少ない製品の設計に使われる設計手法です。しかし、部品から設計を進めていくため、モデル変更や設計変更があった場合は対応し切れなくなったり、修正工程が煩雑になったりすることもあります。

トップダウン設計とは

一方のトップダウン設計は、製品形状を基準として行われる設計手法です。航空機や自動車など、部品点数が膨大な製品の設計に有効です。この手法であれば、モデル変更や設計変更があっても全てのデータがひも付けられているため、修正を行えばその情報が全て下方にまで反映され、修正漏れや修正ミスが軽減されます。

設計手法の違いは2D CAD、3D CADの設計手順によっても異なるものです。そこで、次はそれぞれの設計手順の特徴について見ていきましょう。

2D CAD設計手順の特徴

設計の基本である三角法にのっとって図面を作成できることが2D CADの特徴です。

しかし、2D CADにはさまざまな機能が搭載されている現在でも、ドラフターのパソコンソフトという位置付けに変わりありません。

そのため、試作品の作成と設計変更を繰り返すことで引き起こされるコストの増大と、納期の遅れが生じる可能性があります。それでも2D CADの需要が落ちないのは、やはり導入コストが安いというメリットがあるからでしょう。

3D CAD設計手順の特徴

一方の3D CADは、最初に立体形状を作ることから設計が始まります。そのため、次のようなメリットが存在します。

  • 直感的に形状把握できる
  • 体積・表面積・質量・重心などの計算ができる
  • 干渉チェックができる
  • デジタル環境で試作品を作成できる
  • 各部署でデータ共有ができる

直感的に形状把握ができるということは、設計部門とその他の部門とで共通の形状認識ができるため、意思の疎通を図りやすくなります。

さらに、これまで試作品を作り行っていた干渉チェックや可動部のチェック、体積や表面積、質量などの計算を全てCAD上で行うことができます。

これにより、試作品の製作コストの削減、資材発注の無駄の削減、製造期間の短縮が期待できます。例え設計変更があったとしても、全てのデータが関連付けられているため、修正した内容が各パーツに反映され、修正漏れなどを軽減することも可能です。

3D CAD初心者にはオートデスクがお薦め

3D CADの導入によって、設計の効率化につながることが多くなっています。

しかし、2D CADの操作や設計手順に慣れている方がいきなり3D CADを導入しても、慣れるまでに時間がかかってしまうことも事実です。中には、3D CADに対する拒絶反応さえ見せてしまう方もいらっしゃるようです。

AutoCADを代表とするオートデスクの3D CADなら、3D CAD初心者に以下の理由からお薦めできます。

理由1.サポート体制からオートデスク社の3D CADがお薦め

オートデスク社では、定期的なCADのセミナーを実施したり、チュートリアルを準備していたりと、情報収集が可能な環境を整えています。また、認定代理店では操作習得のためのサービスやサポート体制も充実させています。

よって、3D CAD初心者の方には操作習得をしやすい環境が整っているオートデスク社の3D CADをお薦めします。

さらに導入サポート面では操作習得だけでなく、設計部門や製造部門における3D CADの活用方法についてのコンサルティングサービスもあります。このようなサービスをご利用いただくことによって、よりスムーズに3D CADをご導入いただけます。

コンサル・開発・受託

理由2.導入コストの面からもお薦め

航空機産業や自動車産業で導入されているハイエンドCADは、1台が高級車1台分ほどの導入コストがかかるといわれています。しかも、CAEやCAMなどの機能を追加すると、その分のコストも追加されます。

これに対しオートデスクでは、年間契約であるサブスクリプション制度を導入しているので、導入コストとランニングコストを抑えることができます。また、CAD利用者が同じ方であれば1ライセンスで複数のパソコンを使用することも可能です。

例えば、設計担当者が社内で使用するパソコンと出張時に使用するパソコンが違っていたとしても、CAD利用者が同一ですので、1ライセンスでどちらのパソコンにもインストールすることが可能です。

まとめ:3D CADは業務効率化へつながる

設計手順の違いによっては業務の流れも変わります。2Dと3Dでは設計の手順に大きな違いがありますが、長い目で考えると3Dがお薦めです。

3D CADの導入にはコストがかかるだけでなく、体制を整えるための時間も必要です。オートデスク社の3D CADなら、この二つの問題点をクリアすることができます。

現状を踏まえ、どこの業務効率化に3D CADを利用できるのか。どのタイミングで導入する方がよいのか、これを機に検討してみてはいかがでしょうか。