最適なBIM環境を構築し、価値を創造する設計を実現する

2018.4.18

  • 建設業

株式会社 宮建築設計

信頼と実績を誇る技術者集団として、建築主の要求に確実に応えるBIM設計環境の構築を目指す

徳島県に本社を構える株式会社 宮建築設計(以下、宮建築設計)には、四国で最多数の1級建築士が在籍し、高い技術力と独自の品質マネジメントシステム(ISO 9001認証取得)を駆使して、建築物の維持管理性能を追究している。国土交通省が情報化施工を推進する中で、同社は最適なBIM設計環境の構築を目指して、建築設計用3次元CAD「Autodesk Revit(以下、Revit)」を導入。建築主の価値創造を実現する技術者集団にふさわしい設計ワークフローの実現に向けて、着実に歩を進めている。

株式会社 宮建築設計

1976年の創立以来、「建築主の価値創造を実現する」ことを基本方針とし、建築設計と監理(意匠・構造・設備)を機軸に、土地調査からボリュームチェック、基本設計、実施設計、修繕、改修設計、解体設計、耐震診断・耐震補強設計と、建築物のプロダクトライフサイクルを捉えた設計ワークを展開。徳島県に本社、東京に本店、大阪と地元鳴門市に支店を置き、日本全国に最先端の技術やデザインを取り入れた建築物を提供している。

業種 設計事務所
事業内容 建築設計、監理、耐震診断、補償コンサルタント
従業員数 35名
サイト http://www.miyasekkei.jp/

学校、病院、集合住宅、マンション、商業ビル、老人ホーム、空港、寺院、工場などに幅広い実績を誇る

導入の狙い BIMに対応する社内設計環境の構築(緊急課題として公共施設設計案件へのBIMモデル適用)
導入ソフト
  • Autodesk Revit
  • Autodesk Revit LT
  • NCS/HELIOS Professional(BIM対応建築積算ソフト)
導入効果
  • BIM環境下での意匠設計の実現
  • 基本設計・実施設計ワークの効率化
  • 設計との連携強化による監理品質の向上
  • 社内でのBIMモデル標準化

受注官公庁案件に適応するために早期のBIM設計環境構築を目指す

2014年3月、国土交通省 営繕部は「BIMガイドライン」を策定し、官公庁が発注する設計業務および工事において、技術的な検討を行う際にBIMモデルの適用を決定した。民間の建設会社においても、大手ゼネコンを中心にBIMモデルを活用して建設サイクルの生産性を高める取り組みを加速している。

吉野川ハイウェイオアシスや徳島県教育会館に代表される医療・社会福祉施設、学校・教育施設、公営住宅などの公共建築物に幅広い実績を誇る宮建築設計にとって、「BIMに対応できる設計環境の構築は必須の課題でした」と常務取締役で1級建築士の上谷正寿氏は語る。

「BIMモデルがあれば、基本図面や展開図のベースを作って、意匠と構造の取り合いや外観イメージを整合性の取れた状態で説明でき、速やかな合意形成が図れます。官公庁から建築設計案件を受注する際は、企画内容を総合的にご評価いただくプロポーザル提案になることが多いのですが、その際にはBIMモデルの適用が評価を左右してきます」。

上谷氏は、2014年から徳島本社内に自らも含む3名のパイロットチームを立ち上げ、現状の業務で使う設計ソフトとの連携性を検証し、同社にとって最適なBIM設計環境を整備していく取り組みを開始した。

「当初はBIMソフトの動向を観察するレベルでとどまっていましたが、ある公共施設の改修・増改築案件を2018年3月までにBIMモデルでの納品が決まり、それに対応できる業務環境を最短で立ち上げる必要に迫られました。そこでBIM設計を支援するツールを数多く扱い、かつて在籍した会社での導入経緯から、サポートも充実している大塚商会本社に直接相談に伺いました」。

大塚商会が提供するRevitを活用すれば、建築物に関する属性情報を3次元データベース化できる。幸い、パイロットチームの中にはRevit LTの活用経験があるメンバーもいる。当初、上谷氏は将来的な活用を見越して業務に適応できるアプリケーションを数多く搭載するArchitecture, Engineering & Construction Collection(以下、AECコレクション)の導入を検討したという。

しかし、大塚商会では改修・増改築案件での活用という課題が明確なことから、既存の業務環境に負荷をかけずにBIM対応ツールの操作方法や機能への理解を深めることが重要と判断。Revitと必要最低限の連携ツールで構成し、その分、実践の場でBIMモデルを作成するためのサポートを充実させる導入プランを提案した。

常務取締役 上谷正寿氏
「単にBIMモデルに対応できる設計環境を構築するだけではなく、VRやウォークスルーなどのさまざまなソフトとの連携で一連の仕事のやり方を変えていくことを目指して、パイロットチームを立ち上げました」

Revit活用の実践的なサポートで基本設計業務の効率化を図る

こうして2017年9月にRevitとRevit LTの2ライセンスが導入され、パイロットチームはBIM環境下での意匠設計の実現をゴールに、実務レベルでのRevit活用に取り組む作業を開始した。

第二設計部 係長で1級建築士の山本大輔氏は、上谷氏と共に大塚商会が主催するCADスクールへと足を運び、「Revit Architecture基礎2日コース」で建築物の3次元モデリング、集計表や2次元図面、パースの作成など、BIMモデル作成に必要な基本操作を一通り学んだ。

「当社では、これまでフリーソフトのJw-CADを活用して業務を行っていましたが、2次元CADはデータの連携性がなく、図面間の整合性が取りにくいものとなっていました。しかし、その操作に慣れたものには、3次元CADでの実務はなかなか厳しいものがあります。CADスクールでは講師の方が受講生の状況を確認しながらプログラムを進められ、私が操作に戸惑ってもすぐにフォローしていただけたので、図面を描くという概念で作られた2次元CADとの違いを分かりやすく学べました」(山本氏)。

実際の業務へのRevit適用においては、2Dデータ形式変換ソフトPro/Transにより、Revitで作成したモデルから出力した2DデータをJw-CAD形式に変換して連携する。早期のBIM設計環境構築のために準備した意匠設計用BIMテンプレートからはファミリ(建材)などのデータも提供される。

「やはりファミリを自分で作成するとなると、それに要する時間が読めず、大変な手間がかかります。CADスクールのRevitファミリ作成基礎1日で主要なファミリの作成に必要な操作を教えていただき、BIMテンプレートからRevit活用に必要なファミリデータがサーブされますので、かなりの省力化が図れました。当社独自のファミリの登録は今後の課題とし、手探りで進めていきたいと思います」(上谷氏)。

第三設計部 主任の織田悠志氏は、Revit LT無償体験版の活用経験があり、必然的にRevitを使って公共施設の改修・増改築案件でのBIMモデル適用を主導していく役割が課せられる。大塚商会のシステム・エンジニアが定期的に訪問し、実践的な視野からRevit活用を支援するコンサルティングサービスを提供した。

「大方の操作上の疑問はAutodeskのQ&Aやヘルプサポートで解決されますが、実際に作業を進めるうえでは、レンダリング速度の調整やファミリの配置方法、コマンドの定義のLTとフルスペック版での違いなど、細かな疑問点がいろいろ発生してきます。こうしたケースバイケースの対応の仕方を教えていただくことで、効率的に作業を進められ、公共施設改修・増改築案件の設計品質を高めることができました」(織田氏)。

第二設計部 係長 山本大輔氏
「3次元データで施工図面の作成と現場管理を行いたいという要請が2~3年前から増えています。それに応えるためにも、CADスクールで学んだことを生かして実務的な経験を積んでいくことが私の課題です」

自社業務に最適化されたBIM設計のワークフローを確立する

導入から半年が経過した2018年3月、パイロットチームは基本設計および一部の実施設計においてBIM対応型のワークフローを着実に固めつつある。基本設計においては意匠と構造との取り合いが課題とされるが、ほかのソフトとの連携性も高いRevitが同社の業務効率化に貢献を果たしているという。

「当社では構造解析ソフトにSS3を活用していますが、そこから出力されたデータを連携してRevitに取り込み、干渉チェックを行って、整合性を取りながら最終的な積算を行うというフローが確立されています。構造解析ソフトからのデータ変換精度は80%(パーセント)以上であり、変換されたデータをRevit側で修正できるので、2次元CADでは1週間要していた作業も1~2日への短縮が図れています」(織田氏)。

設計監理を行う同社では、積算業務との連携が重要になる。同時に導入した3次元建築積算ソフト「HELIOS Professional」と連携することで、Revitの構造設計から精緻な積算値を導くワークフローが完結する。

「官公庁案件では積算の精度も求められますが、2次元CADで設計を行うと図面から得られる数量にバラつきが生じ、積算部門でのチェックや設計の再度見直しなどに無駄な時間が生じて、当社が集中したい技術的な検討を行う時間を充分に取れずにいました。RevitとHELIOSを連携することにより設計図面から得られる数量を正確な積算値につなげられ、設計監理業務のレベルアップも実現しました」(山本氏)。

Revitの導入により、設計早期の段階から各図面の整合性を取りながら、問題点を早期に解決できるようになった。上谷氏は「基本設計レベルにおいては作業の効率化が進み、第1のゴールに設定したBIM環境下での意匠設計は実現できたものと考えます」と目を細める。

第三設計部 主任 織田悠志氏
「インフラ構造物設計はある程度パターンを公式化できるのでAI化が期待されていますが、建築設計の場合は設計者が意思判断しなければならないファクターが多々あり、AIによる最適化は進まないと思います」

BIMモデルの標準化で建築主の信頼に応える設計品質を実現する

パイロットチームにとっての次の課題は、Revitを活用して意匠・構造・設備の整合性を高め、ウォークスルーでの設計レビューなど、BIMモデルをより有効に活用していく方向へと向かう。「しかし、これにはまだ課題が残されている」と上谷氏は指摘する。

「実施設計図レベルになると、社内での標準化を見極めて実施しないと業務の効率が悪くなる可能性があります。実際、法的な表現や官公庁仕様の詳細な図面表現など、BIMモデルのみで全ての図面への対応はまだ難しく、RevitからBIMデータを出力して2次元CADで加工しているのが現状です」(上谷氏)。

「結局、BIM対応ソフトを導入しても、実際の業務では2次元図面での納品を求められるケースもあり、実施設計図レベルでは2次元CADに落とし込む作業が発生してくるわけです。Revitにも2次元の図面を作成する機能はあるのですが、現在の習熟度ではJw-CADに頼らざるを得ず、3次元モデルの作成においてもボリュームが増えるとレンダリングが重くなるという課題があります。このため、AutoCADやAutodesk 3ds Maxとの連携も含めて、当社のBIM設計環境に必要なファクターの絞り込みをしています」(織田氏)。

「次の段階へと進むためには、社内外においてのBIMモデルの浸透度を見極める必要があり、その辺がなかなか難しいところですね。実は、本社内にはパイロットチーム以外にも隠れRevitユーザーがたくさんいるんですよ。今後は段階的に利用機能の追加を行い、Revitの活用機会を増やすことで、当社業務におけるBIMモデルの標準化を進めていきます。当社にとって最適なBIM設計環境を構築し、建築主の価値創造を実現するワークフローを確立していくのが、パイロットチームの狙いです。そのためにも大塚商会さんからの最新の情報提供と的確なアドバイスに期待しています」(上谷氏)。

上谷氏は「実践ソリューションフェア2018」にも意欲的に参加し、Revitで作成したBIMデータをVR機器やクラウド活用できる「Autodesk Live」の情報収集も行っている。パイロットチームと大塚商会との強力なコラボレーションにより、信頼と実績を誇る設計技術者集団にふさわしいBIM設計環境が完成されていく。

BIMモデルをベースに建築物の計画から設計、構築、管理のプロセスをシームレスに連携するRevitが建築物のプロダクトライフサイクルを捉えた技術者集団の信頼性を支えていく

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