3D CADを使用して設計コンセプトを明確にイメージしよう!

2019年 9月19日

製造業

設計時にはコンセプトとして「お客様のニーズを満たすために、どのような基本機能にするか」を考える必要があります。これは設計者にとって、製品の方向性や目的を明確にするために欠かせない業務の一つです。設計コンセプトを立てる際に3D CADを使用すれば、製品機能のイメージがより明確になり、他部門との共有もスムーズに行えるでしょう。

今回は設計コンセプトの意義や重要性をあらためて確認し、3D CADの利用でどのような変化があるのかを解説します。

設計コンセプトの重要性

設計コンセプトを明確にすることは、お客様に対して提供したい価値を整理できるというメリットがあります。まずは「設計コンセプト」とはどのようなものなのかについてご説明します。

設計コンセプトとは?

設計コンセプトとは、お客様のニーズを反映して製品の目的や方向性をハッキリと提示することです。主に製品開発までの設計段階を表します。この設計コンセプトがあいまいのままでは、後の工程で問題が起きたり、計画の変更が発生したりする可能性が高まります。

お客様のニーズを反映させ、より良い製品を完成させるためにも、設計コンセプトの策定は非常に重要だといえます。

3D CAD導入による変化

3D CADを導入すると設計コンセプトの業務には、どのような変化が起きるのでしょうか。次に3D CAD導入による変化について解説します。

イメージの共有がしやすくなる

3D CADのモデリング機能とビュー機能を使用すれば、製品に施す基本性能を関係部門の方にも分かりやすく説明できます。モデリング機能によって、構想段階のイメージも立体モデルで視覚的に確認できるからです。

2D CADや手書きで作成されるポンチ絵だと図面の理解から必要な場合もあり、共有したいイメージにズレが発生してしまう可能性もあります。構想段階から立体モデルで情報共有を行いましょう。そうすれば関係部署と目的やゴールを共有できます。

短時間で複数の案を作成可能

3D CADのモデリング機能にはパラメトリック機能を持っているCADが多く、その機能を活用すれば、短時間で複数の案を作成できます。

設計コンセプトの流れ

ここからは設計コンセプトにおける大前提にあるものと、その具体的な流れについてご紹介します。

まず大前提として設計コンセプトを立てる際には、「ユーザー目線であること」をあらためて再確認する必要があります。ユーザーが「何を求めているのか」というニーズをきちんと調査し分析して、明確にしておくことが重要です。

1.どのような基本機能にするかアイデアを出す

最初の工程として、ユーザーのニーズに沿ったアイデアを思い付く限り提案します。製品機能やコストなどを考えず、ユーザーが求めている機能をなるべく多く提案して、意見を集めていきましょう。

注意点として、提案されたアイデアに対してはこの段階で否定をすることはあまり望ましくありません。アイデアがたくさん出る、活発な発言がしやすい場を作り上げることが大切です。3D CADを利用して簡単な3Dモデルを作成すれば、イメージの共有もしやすくなるでしょう。

2.アイデアの問題点を洗い出す

次に先ほど出たアイデアをさらに深掘りして、次の項目を踏まえながら、本当に実現可能な機能やアイデアなのかどうかを洗い出していきます。

  • 製品形状
  • 基本性能
  • コスト など

この段階で問題点をきちんと把握しておけば、後の工程で起きる不具合や手戻りを減らせます。

共通認識を明確にしてユーザーが求める製品を!

お客様が求める価値や機能に向けて製品の方向性を具現化していくために、設計コンセプトの策定は非常に重要です。

設計コンセプトを検討する上流段階から3D CADにてアイデアを共有して製品化を進めていきましょう。その結果、関連部署の意見を反映しやすくし、より良い製品を効率的に検討できる環境作りにつながります。