Autodesk Inventor便利テクニック塾 ~テンプレート設計 iLogic~

2019年 9月25日

製造業

3次元CADの導入で目指す効果に、「設計品質の向上」や「リードタイムの短縮」などが挙げられます。しかし、設計者の負荷が増えメリットを生かせていないケースがあります。

今回は解決策の一つとなるテンプレート設計、iLogicについてご紹介します。

テンプレート設計とは

テンプレート設計とはあらかじめ準備した「テンプレート」を使用して、CADデータの変更や再利用(流用)を簡単かつ正確に実施し必要な3Dモデルや図面を自動作成する、新しい設計の仕組みを指し示す造語です。

このシステムの利用者は、指定された仕様に応じてキーとなるパラメーターやタイプを入力することで、仕様に合わせたOUTPUT(例えばCADデータなど)を自動的に作成できます。

iLogicの特長と効果

iLogicはオートデスクのテンプレート設計機能のことで、iLogicを使うと設計ルールに基づいた3D設計を行えます。

  • CADデータに対してルール(設計意図)を付けられる(長さの変更に対応してボルトの本数が増えるなど)。
  • プログラミングスキルへの依存度が低い(全ての機能は手入力せずにリストから選択可能)。
  • Inventorの標準機能でCADバージョンアップに追従する。

iLogicの効果

  • 会社の設計資産を継承、管理できる(社員ノウハウの設計ルール化を行い会社資産として残せる)。
  • 品質が向上する(技術標準の遵守が可能で問題発生を抑止)。
  • 生産性が向上する(設計ルールを使うことで面倒な操作を自動化)。
  • 流用設計の機会が増加する(設計のバリエーションに適合させる)。
  • 設計変更を効率よく行える(設計変更時の操作を行う際の手間を減らす)。

iLogicの活用シーン

顧客との打ち合わせ

顧客と仕様打ち合わせで顧客の要求仕様を3Dデータで作成し、完成イメージを3Dで確認します。

営業・技術にもたらす効果Excelの仕様書を記入すると同時に3Dモデルと仕様書が出来上がる
お客様にもたらす効果3Dモデルを見ながら説明を受けることで、仕様のイメージをつかみ、発注意思が固まる

客先向け3Dモデル・外形図作成

仕様確定フェーズにおいてiLogicを使用した自動化により、3Dモデルを作成しミスや漏れがない3Dモデル・外形図作成を行えます。

技術・工場にもたらす効果Excelの仕様書を記入すると同時に3Dモデルと外形図・手配用の部品表がミスや漏れを防げる
お客様にもたらす効果3Dモデルを見て仕様のイメージをつかめる。ミスや漏れがない外形図を受け取れる

iLogicの活用事例

自動判断の仕組みを構築

狙い・背景

ベテラン設計者が持つノウハウをシステム化し、設計ミスの回避や判断基準の明確化、技術継承を行いたい。また自動化による効率化を図りたい。

実施内容

設計物の重量と重心位置を自動測定し、回転に必要なトルクを自動計算。計算結果から使用するモーターの判別やそれに使用する部品の個数などを変更。

3D設計ルールのチェック(ナレッジ)

狙い・背景

社内で規定したInventorの運用ルールを遵守させるために、各操作をトリガーとしてルールにのっとった作業や確認を強制させたい。

実施内容

社内ルールで決められた入力必須のiPropertyの項目に値が入っていないままファイルを保存しようとすると、その保存をトリガーとして、入力を促すダイアログを表示させます。

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