軽量化のその先へ:デンソーによる先進的ECUのデザイン

2020.1.20

  • 製造業

2019年11月21日 株式会社大塚商会 中部支店にて、株式会社デンソー デザイン部プロダクトデザイン室 商品開発 2 課 岡本陽氏から「ジェネレーティブデザインによるAIとの協働事例」についてご講演いただきました。

講演会場には多くのお客様が来場され、岡本様の講演を真剣に聞き入り、Q&Aタイムには多くのお客様からの質問が投げかけられていました。ジェネレーティブデザインへの興味の高さと既に取り組みを開始されているお客様の存在を理解できました。

講演会場レポート

岡本氏はジェネレーティブデザインを活用する際「熱を荷重に置き換える」という斬新な発想を用いた。その結果、足から熱を逃がすことに成功し、同等の放熱性能を維持しつつ、全体で12%の軽量化を達成された。

  • ジェネレーティブデザインがトポロジー最適化と同程度に広まる時期は何年後になるか?
  • フィードバックできるCAE解析の種類(振動、構造、熱等)、指定できる条件種類(スペース、材料、一定厚など)は?
  • ジェネレーティブデザインで設計すると、形状が複雑となるが、部品検査の方法は?(品質をどう担保するか)
  • 条件設定のコツとは?
  • 1プロジェクトの平均コストは?

など、活発な質問が飛び交う講演となった。

株式会社デンソー デザイン部プロダクトデザイン室 商品開発 2 課 岡本陽氏

「数万個作成する製品に対し3Dプリンターは活用できないので、ダイキャストにて作成できるようにようにデザインした。最新のジェネレーティブデザインにはダイキャスト機能が搭載されているので、この機能にて表示される候補形状に興味が湧いている」とも岡本氏は述べられた。

また、現在はデザイナーがジェネレーティブデザインを使うケースが多いが、今後は開発要件を把握しているエンジニアがジェネレーティブデザインをより一層使っていくべきとも述べられた。

本講演内容を「Redshift 日本版」から一部を引用して紹介する。

デンソーが取り組むECUの開発

今年創業70周年を迎える株式会社デンソーは、先進的な自動車技術やシステム・製品を提供するグローバル企業だ。自動車部品の世界的なシェアを誇り、自動運転や電動化からAI、MaaSから量子コンピューティングまで、未来のモビリティ社会の課題を見据えた開発が行われている。

大気汚染や燃料価格の高騰など、自動車の燃費を向上すべき理由は多い。そのための合理的な方法として、エンジン性能の向上に加えて車全体の軽量化が挙げられる。ハンドルやペダルからシート、エンジンやブレーキから小さなネジまで、実に3万個にも及ぶ部品が使われている自動車の重量を削減するには、個々の部品それぞれの軽量化が欠かせない。それは、手のひらに乗るサイズのコンパクトなECUであっても同様だ。

このECU(Engine Control Unit)とは、コンピューターを使ってエンジンが必要とする燃料を正確に供給する電子制御燃料噴射装置で、いわば「エンジンの頭脳」とも呼べるパーツ。燃料噴射の量やタイミングを最適に制御することで走行上の性能を向上させ、排ガスの有害成分低減にも貢献する重要な役割を果たしている。

岡本氏は、農建機向けの小型ディーゼルエンジンに搭載する新たなECUの開発に際して、従来の手法でデザインしたものに加えて、ジェネレーティブデザインを活用した、より先進的なコンセプトモデルを作成している。「最初の形も、極力軽くすることを意識してデザインしています。それをさらに軽量化するため、ジェネレーティブデザインを使って考えてみました」。

エンジンルームは最高120度に達するため、ECUが問題なく動作するよう、105度程度のエンジンブロックとの接触部分から熱を逃がすことで放熱が行われる。「熱が逃げやすそうな形は経験から想像できるのですが、軽量化すると熱の逃げる経路も減り、放熱性能も落ちてしまいます。ジェネレーティブデザインを使うことで、軽量化と放熱性能を両立できる新しい形が生まれるのではないかと考えました」と、岡本氏。

放熱性能への独自のアプローチ

その検討に利用したFusion 360のジェネレーティブデザインには熱に関するパラメーターは用意されていない。「熱を計算するために熱を荷重と捉え、放熱する部分から荷重を加えるという考え方で計算すれば形状が求められる、という仮説を立てました。そして、協力会社の株式会社 日南やデザイナーの柳澤郷司さん、海田裕二郎さんともコラボレーションを行いながら作業を進めました」。

AIを活用した設計手法であるジェネレーティブデザインは、与えた要件を基に膨大な数のデザインのオプションが生成され、そこから取捨選択を繰り返して求めるデザインを選択できる。「このECUのデザインでもトライ&エラーを繰り返し、カタチにならないようなものも生まれましたが、うまくいったものは似たような形が多くなりました」と、岡本氏。

「面白いのは、それを実際に3Dプリントしてみると、ここを熱が流れるというのが見えるように感じられたことです。気持ちの悪い形でもありますが、どこか綺麗でもあると感じました。最終的にはデザインとして美しく、かつ既存の製造方式で作れるようモデファイできる形状を選びました」。

本記事は「創造の未来」をテーマとするオートデスクのサイト「Redshift 日本版」の記事の一部を、許可を得て転載したものです。全文は「Redshift 日本版」をご覧ください。

軽量化のその先へ: デンソーによる先進的 ECU のデザイン

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