【AU2020レポート】製造業における新しい働き方のご紹介

2021年 1月18日

製造業

コロナ禍の影響で、ほとんどの企業が今まで経験のなかった業務環境に立たされています。政府の推奨にて在宅勤務化を進めているものの、業務効率を落とさないよう、どう向き合うかの対応を問われているところです。いわば在宅勤務への順応度如何で、業績に大きな影響を与えると言って過言ではないでしょう。

製造業では在宅勤務対象にあたる設計部門の業務環境、また関連する製造部門とのチーム連携が必須です。オートデスクではコロナ以前から働く場所や時間にとらわれないワークスタイルを推進し、在宅勤務化への道筋を周到に提案する準備が整っています。

オートデスクの在宅勤務ソリューション

まず設計部門の業務環境として、現在オートデスクでは製品形態をシングルユーザーサブスクリプション一本化へ移行中です。この形態の最も大きな特徴の一つに、1ライセンスで3台までのPCにソフトウェアをインストールできることが挙げられます。これを活用すると、会社と同じ環境で外出先、出張先、自宅など場所にとらわれずにオートデスク製品を使用できるのです。

次にチーム連携としては、製品ごとにリアルタイムでチーム連携を促進する機能が複数提供されており、BIM 360 Design、Fusion 360、Inventor、AutoCAD モバイルアプリ/Webアプリが挙げられます。

例えばInventorに搭載されているオートデスクビューアーの連携機能「共有ビュー(注1)」を用いると、全ての共有メンバーはオートデスク製品を必要とせずに、オンラインで共有ビューを表示したりコメントを追加したりすることができます。

Autodesk Inventor 共有ビュー

  • (注1)バージョン2019以降。

またリモートアクセスの活用例として、会社のサーバーに複数の仮想デスクトップ(VDI)を実装しての活用、自身のデスクトップからリモートアクセスでの活用、クラウドPCでの活用が挙げられていました。これはクライアント端末に画面転送することになるのでCADのインストールは不要で、PCのスペックも特に気にかける必要はありません。

しかし、セキュリティやパフォーマンスが高い方法ほど構築に費用がかかるため天秤にかける必要があります。インストールPCを用いることを含め、業務環境に応じた選択をお勧めします。

使用端末のスペック比較

話題が変わり興味深い内容があったのでご紹介しましょう。InventorによるPC性能比較の話題です。

3D CADをインストールPCで使用する際は、通常ワークステーションが必要と考えられるものの、自宅までワークステーションを持ち運びできない場合どう対応するかといった内容です。実際に起こりうる課題なので、解決できれば在宅勤務への視界が大きく広がるのではないでしょうか。

一般的なスペックの異なるPCで起動速度、ファイル読み込み速度や図面ビュー速度などの測定検証をオートデスク社エンジニアが利用しているモバイルワークステーションを基準に比較されました。

ワークステーション(ThinkPad Pシリーズ)と一般PCとを組み合わせたリモート操作測定結果

提供:セミナー資料「製造業における新しい働き方のご紹介」

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これらからPCに必要なスペックのイメージを描けるようになりました。ただし注意点として、一般的なPCはワークステーションに比べて作業中にエラーやシステムクラッシュが発生する頻度が高いため、頻繁なファイル保存や保存ファイルの定期的なバックアップを推奨されていました。また、あくまでも在宅勤務が必要になった場合の参考資料としての位置づけであることを念押しされています。

ワークステーション 製品情報

在宅勤務における設計業務の課題

スムーズに設計業務を進めるにあたって、幾つかある課題とクリアするための方法をご紹介されました。例えば「データ容量が大きくメールで送れない」「チーム設計の際に進捗確認が面倒」「ファイルサーバーのデータが最新かどうか分からない」「ちょっとしたコミュニケーションをいちいち取れない」といったところです。

オートデスクのデータ管理ソフト「Valut」は、あらゆる設計データを一元管理できるので、チーム設計で最も問題になりそうな設計データの進捗や他者の設計データの確認が可能です。最新情報の確認はもちろんのことメンバーに変更したデータ情報をURLでも送れます。

Autodesk Vault

さらに特徴的な在宅勤務ソリューションとして、VPNで社内へアクセスできなくてもクラウド製品である「Autodesk Fusion Team」で解決できることを挙げられました。Vaultと同期することができるので、VaultのデータをFusion Teamを経由してアクセスできるとのことで、オートデスクの先進的なクラウド活用を伺い知ることができました。