AutoCADツールパレットとは

2024年 5月21日

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AutoCADでツールパレットを使いこなすには? Vol.1

AutoCADをご使用の皆さん、AutoCADではバージョンアップするごとに便利なパレットが増えています。これらのパレット類ですが、表示されても閉じるのみで何年も過ごされているユーザー様はいらっしゃいませんか?

実は「プロパティパレットくらいしか使っていないよ」というユーザー様は大変多いかと思います。そんな皆さんに今回はぜひツールパレットをご紹介させていただきます。とても便利なツールですので、仕組みさえご理解いただければ難しくありません。

ツールパレットでできること

ツールパレットがAutoCADに機能追加されてから20年近くになります。

既定値のパレットには、さまざまなサンプルが登録されていて、なんとなくパレットのアイコンをクリックすると、ブロックがカレントファイルに配置されたり、ハッチングコマンドが実行されたりするのを「へー、こんなことできるんだ」と、そこで終わってしまうユーザー様が多いのではないでしょうか?

どんなことがツールパレットででき、何が便利になるのかを具体的にイメージできると次のステップとしてご自身でも使ってみようかなと感じられると思います。

ツールパレットの表示方法とカスタマイズ

以下の方法でパレットを表示します。

1.表示タブ/パレット/ツールパレット(TOOLPALETTES)

図1

タブを新規で作成し、必要なタブだけをグループ化してツールパレットをカスタマイズできます。グループの切り替え方法は以下です。

2.ツールパレットの背の上で右クリックし、グループの切り替えをします。下図はあらかじめtestというグループを作成してある状態です。

図2

ツールパレットに登録できる内容

ツールパレットに登録できる内容は、ファイル、ブロック、コマンドの三つです。エクスプローラ、デザインセンター(DESIGNCENTER)、カスタマイズダイアログを使用、または直接ドラッグ&ドロップなどの方法で登録できます。

ファイルを登録する

頻繁に使用するファイルを登録できます。DWGファイル以外にイメージファイル(tiff、jpg)も登録でき、パレットからドラッグ&ドロップでカレントファイルに挿入できます。

図3

DWGファイルを挿入する場合は、ブロックとして挿入/ブロックを分解して挿入/外部参照として挿入が指定できます。

図4

ブロックを登録する

デザインセンター(DESIGNCENTER)を使用して、内部ブロックを簡単にパレットに登録できます。また、プロパティを設定することで補助尺度を使用し、カレントの寸法尺度に合わせて挿入するときのブロックの尺度を制御できます。

図5

補助尺度を使用すれば、下図のようなコメント類も尺度に合わせてカレントファイルへの配置が簡単にできます。

図6

プロパティ付きのコマンドを登録する

カレントのファイルからオブジェクトをドラッグ&ドロップすると、コマンドとして登録できます。登録元オブジェクトのプロパティを付与した状態でコマンド登録できます。

図7

下図のようにカレントの画層、線種、色、寸法スタイルに優先して作図されます。

図8

ハッチングの登録

ハッチングもプロパティ付きコマンドの登録の一つですが、ツールパレットを使用すると、驚くほど便利になります。また補助尺度を使用することで、毎回ハッチング尺度に悩むこともなくなります。

図9

ツールパレットを共有する

ツールパレットは個人で管理することもメンバーと共有することもできます。カスタマイズした各パレットは、個々に書き出すことができ、また読み込むこともできます。

「ツールパレットの仕組みは難しくないですよ!」と言っても、苦手感のあるユーザー様とぜひチャレンジしてみようというユーザー様に分かれます。個々のメンバーがそれぞれツールパレットを準備するのではなく、得意なメンバーが準備し、他のメンバーは使うだけでも作業効率はアップするでしょう。また、ツールパレットに登録されたファイル、ブロック、プロパティ付きコマンドを使用することにより、図面の共通化を図れます。

いかがですか? ツールパレットを使用するとどんなことができるかイメージができたでしょうか?

興味を持たれた方はぜひ次回以降の記事で詳細な操作方法をご確認ください。次回は、ツールパレットの共通操作とブロックを登録する方法についてご案内します。

AutoCADパレットの使用方法とブロックの登録