作業スペースを圧迫するワークステーション。
その大きな筐体が発する騒音や排熱は、設計者やデザイナーなどの「仕事環境」を悪化させる大きな原因でした。「CAD on VDI」によってワークステーションを仮想化し、マシンをデータセンターに集約するとオフィススペースは快適になります。
CADの画面を見ながら会議室で打ち合わせ……。従来の環境ではそのようなことは不可能でした。しかし「CAD on VDI」ならば、ネットワークに接続されてさえいれば、その場でCADの画面を表示して作業できます。会議中にひらめいたアイデアを即座に図面へ反映することも可能。ミーティングや設計の“スピード感”が劇的に向上します。
従来は当たり前だった“印刷した図面をクライアント先に持ち込んで議論する”などのことも「CAD on VDI」の登場でナンセンスなものになりました。タブレットやノートPCを使い、客先の会議室にいながらリアルタイムに変更作業を行えます。クライアントの目の前でCADを修正・変更できることによって生まれる信頼感や安心感は計り知れません。
ワークステーションの置かれた仕事場に縛られていた従来の設計者やデザイナーは、「CAD on VDI」によって時間の使い方がより自由になりました。出張や在宅勤務も容易になりワークスタイルはよりフレキシブルに。ときには気分転換にカフェでのひと仕事も可能です。クリエイターの仕事に大切な、"集中とリラックスのバランス"を実現します。
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従来は、1人の設計者に1台のワークステーションが必要でした。しかし「CAD on VDI」によってオフィスに設置するPC台数を劇的に減らすことができます。台数が減れば、自然と管理運用・保守コストも削減できるほか、設置スペースの転用も可能になります。オフィススペースの有効活用・省スペース化に効果的です。
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CADのワークステーションを利用・維持するのに欠かせないセットアップ作業、パッチの適用、OSやソフトウェアのバージョン・アップ。こうした補助的業務は、担当者の本来の仕事である設計作業の手を止めてしまうなど、悩ましい問題でした。「CAD on VDI」ならば、こうした保守作業もデータセンター側で一括して行うことが可能です。
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オフィスのレイアウト変更は、単にPCやワークステーションを移動するだけでなく、LANや各種ケーブルの配線作業などもあり、手間のかかる仕事です。しかし「CAD on VDI」の環境ならば、スタッフはノートPCやタブレットを持ち、デスクをさっと移動するだけ。遠隔地の拠点などへのサポート業務も、わざわざ出張する必要がなくなります。
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データセンターのサーバーの稼働率を上げて、高効率に利用することも、これからの重要なテーマです。夜間・休日などに生じる余剰なサーバー・リソースを他の用途へ転用できるのも「CAD on VDI」ならではのメリット。技術計算インフラなどにも活用できます。
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管理者や経営者にとって最大の心配事はセキュリティ。図面データなどの知的財産をデータセンターに集約する「CAD on VDI」ならば、これらの極秘データを外部へ出すこともありません。現場の端末とは画面転送・入出力だけを行う仕組みだからこそ可能な、強固なセキュリティを実現できます。
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データセンターで集中管理する「CAD on VDI」は設計者やデザイナーが仕事をする場所を選びません。事故や自然災害などで出勤できない場合でも、インターネットにさえ繋がっていれば業務を継続できます。データの入ったモバイル機器や外付けHDD、USBメモリーでデータを持ち運ぶ必要もないため、情報漏えいリスクもありません。
「CAD on VDI」は、サーバー上で仮想的に動作しているワークステーション環境の画面を、ユーザーの手元の端末(ノートPC、タブレットなど。一部のスマートフォンにも対応)へ転送する仕組みです。ユーザー側からはマウスやキーボードなどの入力情報をサーバー側へ転送し、CADを操作します。実際の設計図面などのデータそのものをユーザーの端末へと転送することはなく、情報漏えいの危険性は極めて低いことが特徴です。ユーザーは、端末をインターネットに接続できる環境ならば、どのような場所でもCADを操作することができます。デスクに縛られることなく、自社の会議室やクライアントのオフィス、出張先や外出先でも作業を行うことが可能です。
「CAD on VDI」に特化したGPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット(グラフィック専用処理装置))を搭載したサーバーが、ストレスのない描画を実現します。画面と入出力の信号を転送するだけのシンプルな仕組みのため、ネットワークへの負荷も非常に小さく、「画面がカクカクする」といったようなパフォーマンスの問題も回避されています。
従来のVDIやリモートデスクトップでは、画面全域にわたって複雑な描画が必要となる3D CADなどを実現することが困難でした。しかし、2013年に「CAD on VDI」に特化したGPUが登場し、さらにGPUを複数のユーザーで利用する「vGPU」が登場したことやネットワークの広帯域化など、インフラの面から「CAD on VDI」に適した環境が整ってきました。並行してCADのソフトウェア側も、vGPU環境での認証が進んだことが、「CAD on VDI」の普及を後押ししています。
高いパフォーマンスと信頼性、そしてメーカーの認証・サポートが出揃った現在は、「CAD on VDI」の導入を本格的にスタートできる好機だといえます。
大塚商会は、VDIソリューション分野におけるパートナーとしてレノボ・エンタープライズ・ソリューションズとパートナーシップを結んでいます。レノボ・エンタープライズ・ソリューションズが運営する「レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ・センター」(東京・秋葉原UDX内)では、最新機種を用いた各種の検証作業を行うことができます。
大塚商会では、これまでにもCADを数多くの企業にご支援・提案してきた豊富な実績があります。大塚商会なら、レノボ製サーバーをはじめ、クライアント端末(PC、タブレット、スマートフォン)、CADソフト、ネットワークなど複数機器の手配やサポートもワンストップで対応できます。「CAD on VDI」のことなら、大塚商会にお問い合わせください。