設計業務でRPAの効果を得るためには?

設計業務にRPAを取り入れる前に知っておきたい!

RPA(Robotic Process Automation)とは、ルーチンワーク化できる定型業務を自動化するテクノロジーです。複数のソフトやサービスを横断する業務にも対応でき、主にホワイトカラーの生産性を向上させることを目的に導入され、近年注目されています。

しかし、設計業務にRPAを取り入れる場合、ソフトの特殊性や設計ルールの複雑さなどから導入が難しいようです。設計業務の自動化はどうやったら実現できるのでしょうか?

RPAがもたらす効果

RPAは、次のような業務において効果を得られやすいといわれています。

  • 一定のルールに従って繰り返し行われる。
  • 構造化されたデータを扱う。
  • Windowsやクラウドサービスなどのアプリケーションを使う。
  • 業務プロセスが標準化されている。
  • プロセス実行に3人以上のリソースが求められる。
  • ヒューマンエラーが起こりやすい。

また、導入後に次の効果を得られるとも評価されています。

人件費削減一般的にRPAのコストは一人当たり人件費の10分1~3分の1といわれている
業務のスピードアップソフトウェアで処理するので、24時間365日稼働
ヒューマンエラーの削減ソフトウェアで処理するので、ヒューマンエラーを削減
要員の高付加価値業務シフトルーチンワークに費やしていた時間を高付加価値な業務に充てられる
すばやく簡単にリソースを追加リソースを追加する場合でも、人材派遣やアウトソーシングにようなリードタイムを必要としない

RPAは、比較的単純な自動処理であれば、ITの専門家ではない業務担当者でも容易に環境を構築できる点も魅力の一つです。

設計にRPAを取り入れるのはハードルが高い

設計部門において、帳票のシステム登録や生産管理システムへの部品情報登録といった、設計に付帯する業務(間接業務)にRPAを適用することで、自動化の効果が期待できます。

一方、設計部門のメイン業務(設計直接業務)へのRPA適用は、非常に障壁が高くなります。CADソフトが特殊である、設計者の判断が必要、設計ルールが複雑などの理由が背景にあるからです。

RPAと同等の効果を得られる自動設計

設計業務の自動化を実現するソリューションとして、「自動設計」が注目されています。

自動設計とは、各種パラメーターから3Dモデルや図面を自動生成する手法で、人の手を必要としないため、人件費の削減や業務のスピードアップ、ヒューマンエラーの削減など設計業務でもRPAと同等の効果を得られます。

自動設計とRPAの違い

自動設計は、一般的に設計ルールやロジックをプログラミングし構築する必要があるため、RPAのようにすばやく簡単に環境を構築したり、修正したりすることができません。

自動設計を柔軟にしたテンプレート設計手法

そこで、大塚商会では、自動設計でもRPAと同様の容易な環境構築やメンテナンスを実現するため、テンプレート設計という手法を推奨しています。

テンプレート設計は、ひな型となる3Dモデルや図面にパラメーターを設定しておき、最低限のプログラムで自動設計を実現する手法です。また、最近では、オリジナルの「テンプレート設計ツール」を使用したプログラミングレスでの自動設計も可能になっています。

テンプレート設計は、RPAや自動設計と比較して、手間とコストをかけずに始められますので、設計の自動化を目指している方に取り入れやすい手法です。

RPA、自動設計、テンプレート設計の効果・手間・コストの比較イメージ

CADの自動設計を身近にする「テンプレート設計」とは?

自動設計システムの構築には多くの時間と費用がかかり、そのハードルが少々高いのも事実です。そこで大塚商会は、このハードルを低くできないかという観点から、3Dモデルや図面のひな型(テンプレート)をあらかじめ用意して、それを基に新たな設計を行う「テンプレート設計手法」を提唱しています。

テンプレート設計を活用した自動設計