【建設DXセミナーレポート】建設業実践Web講座2021春

建設DXをテーマにトップランナーが講演

建設業では人材不足や技術継承、またコロナ禍でのテレワーク対応などさまざまな課題があります。これらの課題を解決するためには業務のデジタル化、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めていくことが必要です。大塚商会では、メーカーの取り組みやお客様事例を交えて建設DXについて学べる「建設業実践Web講座2021春 建設DX」を開催しました。建設業界の課題解決に期待される建設DXをテーマにトップランナーによる基調講演をレポートします。

基調講演1 建設業のDXはBIMから始まる 建設業のデジタルトランスフォーメーションとBIMの真価

ペーパーレスや電子印鑑といったものではない建設業のDXとして、テクノロジーとともにデジタルトランスフォーメーションの推進を提案する講演内容でした。経済産業省のレポートによる企業のDXに対する危機感や、オートデスクが協力したIDCによる日本の建設業におけるDXの状況を紹介。

KPIおよび評価軸の確立が課題となると提言して、建設業におけるDXとして、DXとBIMの関連性にも触れていました。BIMでプロセスをつないでいくことにより、建設業のDXに近づいていくイメージを、国土交通省のBIMの歴史とともに、採択事業や連携事業のレポートで紹介。

オートデスク株式会社 AECセールスディベロップメントエグゼクティブ
濱地和雄氏

後半では、BIMプロセスを基盤とするオートデスクの新たなソリューションとして、SPACEMAKER(AIを利用するプラットフォームやTandem<デジタルツインを作成>)などを紹介。最後に、DX Starts with BIM(建設業のDXはBIMから始まる)と締めくくっております。

5月には「オートデスクの日」も控えておりますので、さらにDXの情報収集をされたい方はぜひご参加ください。

Otsuka & AUTODESK Collaboration DAY 2021

基調講演2 デジタルとリアルの融合でリニューアル工事を効率化

「BIM設計から先端技術を駆使した施工・維持管理までトータルサポート」を強みとする有限会社花田設計事務所様は、創業36年の実績を誇るプラント設備設計事務所。本講演では、「デジタルとリアル」をテーマに、現地確認から設計・施工、維持管理までのステップを最新のデジタルデバイスに、BIM/CIMソフトを組み合わせた具体的な手法やその効果について紹介。

3Dスキャナーが普及しつつある、現地調査の現場においては、「Matterport」を利用した点群データの活用を中心に、建物・設備データだけではなく、機械設計データとの調整やプロジェクト管理についても触れていました。

有限会社花田設計事務所 代表取締役
花田義勝氏

業界全体にDXの機運が高まり、VRやMRといった現場のデジタル化が進みつつあるなかで、いち早く「HoloLens 2」を採用。実プロジェクトにて実践し、生産性向上の追求と品質の良い設計を実現されていました。

2021年2月には、3D測量・Matterport・AR / VR / MRを専門とする100%子会社の株式会社D×Rを設立。さらにDXの取り組みが加速することでしょう。

HoloLens 製品情報

基調講演3 建設コンサルタントが挑む デジタルトランスフォーメーション

創業70年を超える総合建設コンサルタント、中央復建コンサルタンツ株式会社様は、社会インフラの計画や設計、社会インフラマネジメント、まちづくりコーディネートなどの総合的な分野のパイオニア企業です。三次元化技術にいち早く取り組み、BIM/CIMの豊富な実績を誇り、2021年には「CIM推進室」を廃止し、「ICT戦略室」を新設。本講演では、そのかじ取りを担う、ICT戦略室 森室長が講演されました。

建設DXがテーマの講演でしたが、その中心は人材育成でした。ここまでの取り組み過程が決して、順風満帆ではなかった様子は、視聴されたマネジメント層の方々にも興味深い内容だったと想像されます。

中央復建コンサルタンツ株式会社 総合技術本部 ICT戦略室 室長
森博昭氏

DXの取り組み紹介では、「新大阪デジタルツイン」、「XR」、「iPadPro LiDER測量」などの最新技術をハード・ソフトの紹介だけではなく、DXの目的や考え方を元にした取り組み事例について触れられていました。

最後には「変化を楽しむ心意気」を持つことのお話があり、これから新しいプロジェクトに取り組もうとしている方々へのメッセージで締めくくられていました。

基調講演4 建設DXに向けて ~BIM×CIM×3D都市モデル×点群×クラウドGISを利用した日建設計最新検証報告~

建築設計において、最新かつ最先端の技術を積極的に取り組まれている株式会社日建設計様は、専門家によるDXはどのような意義や価値があるかを大塚商会との共同検証を交えて講演されました。

日本と世界のDX事例、デジタルシフトとの違い、日建設計様が扱うデータを紹介いただくとともに、1年間にわたる共同検証では、三次元データなどの利活用というテーマを掲げ、点群データやBIMモデルとの統合、オープンデータの整理と活用、市販の3D都市モデルの違い、クラウドGISによる情報共有など多岐にわたる検証が行われていました。

株式会社日建設計
四戸俊介氏

本セミナーでは、検証データによる3D GISの活用法がわかりやすい動画で紹介されており、3D GISと3D CADとでは、座標系や精度、データの表現の違い、GIS解析の有効性など多くの新たな気づきがあったとお話がありました。

関係者全員が情報共有でき、DX環境となるクラウドGISはデジタルツイン、スマートシティー、コネクティビティなどの実現、より良い世の中へとつながっていくことでしょう。