HP Remote Graphics Softwareの利用に最適なLTE回線プランとは?

RGSを使いたい……LTE回線は何プランにすればよいか? 実際の検証結果をヒントに契約しよう

HP Remote Graphics Software(RGS)を使用して社内のワークステーションにリモート接続するには、LTE回線契約が必要です。

「何ギガのプランを契約すればよいのか?」という疑問に対して、本記事では実際に検証した測定結果をまとめています。お客様のご利用パターンと照らし合わせて、LTE契約時のヒントにしてください。

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RGS検証環境

SOLIDWORKSの大規模アセンブリモデルを回転させ続けたときに、RGSが使うネットワーク帯域(図内、赤枠)を測定しました。

リモート接続する時間や回数によって使用するパケット数は異なりますが、RGSで使うネットワーク帯域を画面解像度、フレームレート、画質別に複数パターンで測定しました。

さまざまな条件下で大規模アセンブリを操作。そのネットワーク帯域(赤枠部分)を測定

解像度

RGS Senderから転送するデスクトップ解像度が低い場合は、ネットワーク消費量が少なくなる。反対に解像度が高い場合は消費量が増える。マルチモニターの画像転送の場合もそのモニターの枚数分ネットワーク帯域を消費することになる。

RGSの機能として、基本的には画面の差分情報のみを圧縮し、ネットワークで転送できる。設定により差分情報だけでなく、常に画面全体を転送させ続けることもできるが、消費量がかなり増えてしまう。

フレームレート

描画した画像を1秒あたりに転送するフレームの枚数のこと(上限値は30FPS)。フレーム数が少ないとネットワーク消費量は減るが、コマ送りのような状態になる。反対にフレーム数が多いと滑らかな表示になるが、消費量は増える。

画質

画質は0~100まで設定可能(デフォルト値は65)。0に近づくと画質は粗くなるがネットワークの消費量は減る。逆に100に近づくと画質は鮮明になるが消費量は増える。

画像圧縮コーデック(CODEC)

RGSが持つデフォルトの画像圧縮のCODECは「HP3」というもので、鮮明な画像転送が特長。もう一つは「AVC(Advanced Video Compression)」というCODECでH.264を使い画像圧縮をするため、HP3に比べて3分の1~4分の1程度の高い圧縮率になる。

しかしHP3に比べてブロックノイズが目立ちやすく、エンコードとデコードにかなりのCPUやGPUのリソースを多く使うデメリットがある。

測定結果

No.転送する
画面解像度
表示フレーム
(レート/秒)
RGSの画質画像圧縮
CODEC
ネットワーク帯域
(Mbit/秒)
11,920×1,08020FPS65HP39.0Mbps
21,920×1,08020FPS65AVC3.9Mbps
31,920×1,08030FPS65HP311Mbps
41,920×1,08030FPS65AVC5.5Mbps
51,920×1,08020FPS100HP343Mbps
61,920×1,08020FPS100AVC15Mbps
71,920×1,08020FPS30HP35.2Mbps
81,920×1,08020FPS30AVC2.0Mbps
91,280×72020FPS65HP34.0Mbps
101,280×72020FPS65AVC1.5Mbps
111,280×72030FPS65HP35.9Mbps
121,280×72030FPS65AVC2.1Mbps
131,280×72020FPS100HP312Mbps
141,280×72020FPS100AVC6.0Mbps
151,280×72020FPS30HP32.3Mbps
161,280×72020FPS30AVC0.9Mbps
173,840×2,16020FPS65HP325Mbps
183,840×2,16020FPS65AVC10Mbps
193,840×2,16030FPS65HP333Mbps
203,840×2,16030FPS65AVC14Mbps
213,840×2,16020FPS100HP390Mbps
223,840×2,16020FPS100AVC44Mbps
233,840×2,16020FPS30HP317Mbps
243,840×2,16020FPS30AVC5.5Mbps

まとめ ~お薦めのLTE回線契約プランは?~

検証結果およびまとめを目安にご自身にあったプランをご契約ください。

  • ノートパソコンの解像度を1,920×1,080、フレームレート20FPS、画質を30まで落としCODECをAVCとした場合、約2Mbpsとなった。その場合の画面は図1のようになるが、外出先ということを考えれば特に問題なく使えるレベルと感じる。
  • 仮に1時間設計業務をした場合、約900MBを消費する。解像度を1,280×720まで落とせば1時間でも約400MBまで節約することができる。
  • 現実的に外出先から丸一日LTE回線を使って設計業務をするケースは少ないと思われる。施設の無線LANサービスなどとうまく併用すれば、そのほど大量のパケットを使うこともなくなる。仮に通信キャリアと30GB/月の契約があった場合、単純計算でRGSの画面転送による設計業務利用でも1,920×1,080の解像度で約33時間、1,280×720の解像度で約74時間使えることになる。

図1

ちなみに社内LAN環境同士の場合は?

社内LAN同士で利用される場合、AVCではなく画質がきれいなHP3でのご利用を推奨します。

Receiverとして使用する端末は、OAパソコンやシンクライアントなどからが多く、主流の解像度はFull HD(1,920×1,080)となります。3D CADでのモデリングの場合では20FPS程度で画面転送ができれば快適に設計業務を行えます。画質もデフォルトの65程度でローカルとほとんど見分けがつかない程度の画質になります。

解像度1,920×1,080、画質65、フレームレート20FPS、HP3で設定すると測定結果は約9Mbpsでした。仮にこれを平均的なCAD操作のネットワーク帯域と仮定すると、1時間の設計業務で4GB程度を画面転送でネットワークを消費する計算になります。同じネットワークセグメントでの複数利用を想定すると、1Gbpsのネットワーク環境の場合、10人がRGSで設計業務をした場合は90Mbps、100人の場合は900Mbpsなので、一つのセグメントで100人程度が同時にRGS利用ができる計算になります。

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HP Remote Graphics Software 活用ソリューション

主な内容

  • HP Remote Graphics Softwareとは
  • HP RGS 利点
  • HP RGS 活用の狙い