Autodesk University 2020 キーノートサマリー

2021年 1月 8日

共通

例年、アメリカ・ヨーロッパ・日本などにて個別に開催されているAutodesk University(通称:AU)が新型コロナウイルスの感染拡大のため、今年はバーチャルイベントとして世界同時開催にて2020年11月18~20日の3日間開催されました。

日本から世界各国のセッションがオンデマンドで視聴できる画期的なバーチャルイベントとなりました。その中からオートデスクの新製品情報、目指す姿を伝えたキーノートのサマリーをお伝えします。

Autodeskのテクノロジー戦略

Autodeskのテクノロジー戦略として以下の四つ挙げた。

1.Platform(プラットフォーム)

  • 連携
  • 2D-3D
  • Design-Make
  • 意匠-構造-設備(AEC)
  • 自動化
  • Generative Design
  • AI

2.Common Data Environment(共通データ環境)

  • Forge Cloud API
  • Data Share
  • Experience Insight

3.Consumption(消費)

  • Subscription
  • User Dashboard

4.Convergence(収束)

  • 2D-3D
  • Industry (AEC-MFG)

建設分野(AEC)のキーノートセッション

次の三つのキーワードを挙げ、建設の工業化(Industrialized Construction)を掲げた。

  • DATA(データ)

  • AUTOMATION(自動化)

  • INSIGHTS(洞察)

Spacemakerを買収

Spacemakerを2億4000万ドル(約250億円)で買収。Spacemakerは、ノルウェーのオスロを拠点とするテクノロジー企業で、人工知能(AI)とジェネレーティブデザインを利用し、建築家や都市計画者、不動産開発業者が設計に関する初期段階の決定を効率的にできるよう支援している企業。

Digital Twin コンソーシアムに創設メンバーとして参加

デジタルツインのオープンスタンダードを共同で定義することに取り組む、テクノロジープロバイダーのグループの創設メンバーとして参加しました。

Autodesk Tandemを発表

設計と施工の過程で作成されるデータを再利用可能にするAutodesk Tandem(ベータ版)を発表。ビルオーナーは引き渡し時に専用ツールにてそのデータを利用して、プロジェクトをデジタル環境にて開始し、デジタル環境で維持、管理できます。設計から施工までのデータがBIM CollaborateとAutodesk Construction Cloudにより接続されます。

Autodesk Quantify(2D、3Dの数量拾いツール)を発表

Autodesk Quantifyは、Autodesk Buildと同じ統合プラットフォームに構築され、強力なドキュメント管理機能を利用して、見積り担当者は一元管理された情報源に基づいて作業できるようになります。Autodesk Quantifyは監査に対応した2Dおよび3Dでの数量拾いを可視化できる画期的な新製品。

新しい共通データ環境として「Autodesk Docs」を発表

Autodesk Docsは、Autodesk Construction Cloudにアクセスできる次世代のCDE(Common Data Environment<共通データ環境>)ソリューション。関係者間のクラウドコラボレーションは、この方法が基本となるでしょう。2021年の年初に、Autodesk DocsをAECコレクションに追加されることをこの場にて発表。

製造分野(MFG)のキーノートセッション

製造分野では、次の三つのキーワードを挙げた。

  • Convergence(コンバージェンス)

  • Collaboration(コラボレーション)

  • Automation(自動化)

Generative Designに流体ソルバー追加

今まで強度を担保した軽量化の目的で主に利用されてきたGenerative Designに流体ソルバーを追加。バルブやポンプの最適流路の自動設計が可能に。また、金属積層造形のシミュレーションと合わせて利用可能。

Vault Connect、Mobile Appの発表

Autodesk Vault Connectは、ファイアウォールのポートを開かずに、ファイアウォールの外にあるオンプレミスのVaultにセキュアにアクセスできるクラウドサービス(リリース時期は未発表)。

Autodesk Vault Mobileは、たくさんのファイル、履歴、画像やデータ、変更指示、承認フローへのアクセスを提供します。このデバイスの力全てが、ポケットに収まります。皆さんのスマートフォンやタブレットから全てのデータへアクセスでき、見ることができると想像してみてください。あるいは、アプリで直接、設計変更指示を出し、世界中の同僚と共同作業も可能になります。8月末にプレビュー版を発表しました。

Inventor - Revit 交換性の向上

お客様の知的財産を保護するために、世界クラスの業務簡易化ツールをお約束したいと思っています。

ですが、Inventor内で、軽量でインテリジェントなRevitモデルを作成し、プロジェクトに用いる能力もまた、お届けしたいと考えています。モデルをRevitで開くと、皆さんが予想する通り、向きや場所、Inventorで定義されたカラー、オブジェクト階層、名前など全て正しいものになっていると思います。

それにはジオメトリ以上の意味があります。タグ付けや寸法入れ、Revit内に直接スケジュールできるコンポーネントのシステムをエクスポートできるのです。もちろん、Inventor内で変更を加えた場合、その変更はRevitおよび、パラメーター、タグ、参照の追加を維持します。

Rockwell Automation社とのパートナーシップ

産業自動化のグローバルリーダーであるRockwell Automationとのパートナーシップにて、次世代のスマートマニュファクチャリングを可能にしようと熱心に取り組んでいます。私たちのパートナーシップにより製造業向けコレクションで提供するオートデスクのツールを使用して、皆さんは地球で最良の工場レイアウト機能が手に入ります。同じデータをRockwellのシミュレーションツールに直接送ることもできます。

Inventorの新機能Model States

製造仕様やほかの主要要件の定義付けは重要なステップですが、むしろここにこそ自動化できる大きな可能性があると私たちは考えています。全ての情報をモデルに入力することで、デジタルスレッドを保ち、タスクを自動化できます。ドキュメントに費やす時間を削減し、イノベーションに使える時間を増やせるようになるのです。例えば、Inventorで定義されたモデル自体だけでなく、全製造ステージ、製造情報がある場合が挙げられます。全データが、信頼できる唯一の情報源としてまとめられます。

製造ステージや設計のバリエーション作成を自動化する方法を開発しています。Model Statesとよばれる機能です。Model Statesとは一つのドキュメント内で部品やアセンブリの複数の表現を作成することができ、異なる寸法、コンポーネント、プロパティ、パラメーター、または単純化された設計をエンジニアリング、管理、製造するための便利な方法。

Fusion 360プラットフォームのテクノロジーの紹介

  • コンカレントマルチユーザー設計
  • 世界発のインスタントオンデータ管理拡張機能
  • シミュレーションと製造機能の新しい能力