AutoCAD ブロックとは
2024年 3月19日
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AutoCADでブロックを使いこなすには? Vol.1
AutoCADをご使用の皆さま「ブロック」についてのご理解はいかがでしょうか? 「よく分からないけど、なんとなく使っている」「グループとどう違うの?」「変な名前のブロックが流用図面にたくさんある」「属性付きブロックって何?」
色々な疑問をお持ちユーザー様に、今回はブロックの基本的な概念、作成方法などをお伝えします。
ブロックとグループの違い
「グループ」はWindowsの機能、Excelなどで選択した図形を「グループ化」するのと同じ機能です。用途としてはその名前のとおり、図形をセットとして扱います。選択した図形を右クリックするとグループを簡単に作成できるので、とりあえずグループを使用しているユーザー様もたくさんいらっしゃると思います。
グループのメリット
- 作成が簡単。
- グループ名を気にしなくても気楽に使える。
グループのデメリット
- プロパティで「グループ」となっていてもオブジェクトタイプとして認識されないため、クイック選択の機能が使用できない。
- 構造として階層を持たせることができない(グループをまたグループ化することはできる)。
- 既存のグループを複写すると、新しいグループとして認識されてしまう。
- 同じ形状のグループがある場合、個々に編集が必要となる。
- ほかのファイルにグループを貼り付けすると、グループが解除されてしまう。
- ほかのメンバーと共有できない。
ブロックとは?
では「ブロック」はどうでしょうか? 実はグループで挙げたデメリットがそのままメリットになります。そして、さらにブロックだからこそできることがたくさんあります。
単純に図形をセットとして扱う機能だと思っているユーザー様もいらっしゃるかもしれません。そこで留まるのは大変持ったいないことです。ブロックをベースにAutoCADのツールを使用し、さらに作業効率につなげることができます。
ブロックを使用してできること
ブロックを使用するとどんなことができるのかをご紹介します。
複数の図形を一つのセットに
部品やユニットごとにブロックを作成すると選択が楽になります。
条件抽出・集計
「クイック選択」コマンドでブロック名をキーにして、条件抽出や集計をすることができます。
集計については「カウント」や「データ書き出し」コマンドを使用し、表の作成まですることが可能です。
階層を持ったブロックの作成
ブロック化した複数の部品を含めてさらにブロックを作成できます。下図では「100_Unit」というブロックの下の階層に四つのブロックが構成されています。
同名のブロックの図形編集
グループと違い、既存のブロックを複写すると同じ名前のブロックとなります。
「001」のブロックを修正すると、同じ名前のブロックは更新されます。
属性を持ったブロックの作成
ブロックは線分や円といった形状、文字以外に「属性」を構成要素として選択できます。同じ名前のブロックでありながら、属性値の入力や属性の表示/非表示ができます。
下図は「承認印」という同じ名前のブロックです。「承認者」と「承認年月日」という属性が含まれています。承認年月日は非表示属性として作成しています。
パラメーターを持ったブロック
AutoCADでは「ダイナミックブロック」というパラメーターを持ったブロックを作成できます。複数の形状を登録したり、長さの変更をしたりできるブロックを作成できます。
下図はダイナミックブロックの作成例です。
ブロックをメンバーと共有する
作成したブロックをメンバーと共有できます。AutoCADには保存先により「外部ブロック」と「内部ブロック」があります。
外部ブロックは、ファイルそのものを挿入した時点でブロックとして認識させる方法です。外部ブロックとして登録する場合はファイルの保存先を共有フォルダーにするとよいでしょう。
内部ブロックは、ファイル内に登録されたブロックのことをいいます。内部ブロックの一番簡単な共有方法は、よく使用するブロックをファイルに配置しておき、そのファイルからコピー・貼り付けする方法です。また、内部ブロックとして登録した場合は「ツールパレット」を活用するとより便利に共有できます。
いかがですか? 皆さまブロックを使用するとどんなことができるか、イメージができたでしょうか? 次回は、ブロックの作成方法1をご案内します。