AutoCADブロックの作成方法1
2024年 4月 2日
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AutoCADでブロックを使いこなすには? Vol.2
前回の記事では、ブロックを使用するとどんなことができるのかお伝えしました。これまでグループを使用していたユーザー様もブロックを使ってみようと思っていただけたかと思います。今回の記事ではブロックの基本的な作成方法をお伝えします。
内部ブロック・外部ブロック
AutoCADには、ブロックの登録先の違いで「内部ブロック」と「外部ブロック」の2種類があります。ファイル内に登録されている場合は内部ブロックになります。1図形1ファイルとしてファイルが作成される場合は、外部ブロックになります。外部ブロックも作業ファイルに挿入されると、作業ファイル内の内部ブロックになります。
ブロックの作成方法
作成画層とByLayer / ByBlockについて
ブロックを作成するとき、作成画層とByLayer / ByBlockについて意識されていますでしょうか? ここをご理解いただくとブロックの流用性がグッと高まります。
今回は3パターンを例として説明します。下図の画層を使用します。
個別の画層を指定し、ByLayerでブロックを作成すると、どの画層に挿入またはプロパティ変更をしても作成時の表示状態を保持します。もちろんブロックを分解しても作成時の状態が保持されます。
0画層、ByLayerで作成すると表示は挿入画層に制御されます。ByLayerで作成した場合、ブロック挿入後にプロパティを変更しようとしても、個別のプロパティは付与されません。ブロックを分解した場合は作成時の「0画層」に戻りますので表示は維持されません。
0画層、ByBlockで作成すると表示は挿入画層に制御されます。ByBlockで作成した場合、ブロック挿入後にプロパティを変更すると、個別のプロパティが付与されます。ブロックを分解した場合は作成時の「0画層」に戻りますので表示は維持されません。
どのパターンを選択するかは用途によります。0画層・ByLayer / ByBlockでブロックを作成する意味をご理解いただいていると、同じ形状で線種・色等が違うブロックの場合でも一つのブロック登録で済ませることができます。
また、ブロックを分解するときに通常の「分解(EXPLODE)」ではなく「XPLODE」を使用すると、挿入時のプロパティを継承して分解することができます。
内部ブロックを作成する
一般的によく使用されるブロックです。
1.挿入タブ/ブロック定義パネル/「ブロック作成(BLOCK)」を実行します。
- * 「ブロックエディタ」は通常ダイナミックブロックを作成するためのツールです。
2.ブロック定義のダイアログが開きます。
A.「名前」を入力します。必ず「1図形に1名義」となるよう命名します。同じ部品でも正面図と平面図でブロックを作成する場合は違う名前にします。
ほかのファイルに同名のブロックが存在するとコピー先のブロックに変更されてしまいます。ほかのファイルにブロックを配置しても名前が重複しないよう、命名ルールを決め、遵守する必要があります。
今回は「001_100A」とします。
B.挿入基点をマウスで選択します。
C.ブロック図形とするオブジェクトを選択します。
D.ブロック作成後の元の図形の状態を指示します。今回はブロックに変換にチェックをします。
E.動作を設定します。通常は下図の2カ所にチェックをします。
F.OKでダイアログを閉じます。
外部ブロックを作成する
外部ブロックは、一つのファイルが一つのブロックになります。部品種別ごとに部品庫としてフォルダーを用意してその中にファイルを登録していくイメージです。
1.挿入タブ/ブロック定義パネル/「ブロック書き出し(WBLOCK)」を実行します
2.ブロック書き出しのダイアログが開きます。
A.作成元を選択します。
B.挿入基点を選択します。
- * 挿入基点を指示せず、上図のように(X=0 Y=0 Z=0)にした場合は、ファイルの原点が挿入基点になります。
C.Aでオブジェクトにチェックをした場合はオブジェクトの選択、コマンド終了時に選択した元の図形の状態をどうするかを指示します。今回は保持にチェックをします。
D.書き出し先とファイル名を設定します。右のボタンで保存先フォルダーを参照します。今回はファイル名を「123-456B」とします。
- * ファイル名がブロック名になります。
E.OKでダイアログを閉じます。
いかがですか? 皆さま、内部ブロック・外部ブロックの作成方法はご理解いただけましたでしょうか? 次回は、ブロックの作成方法2についてご案内します。