建築CAD検定試験とは? 概要と難易度・合格率・試験範囲を解説

2025年 1月21日

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CAD利用技術者試験は、CADを活用する技術者の能力を証明する民間資格です。「2次元CAD利用技術者試験」「3次元CAD利用技術者試験」の2種類があり、それぞれ3グレードに分かれています。

本記事ではそれぞれの試験範囲や難易度、スケジュールなどを解説します。

建築CAD検定試験の概要

建築CAD検定試験は、CADソフトを使って建築図面の作図を行う実践型の民間資格試験です。

CADソフトは建築業界だけでなく、「家具・インテリア業界」「福祉業界」「自動車・航空・機械・家電業界」「アパレル業界」「ジュエリー業界」でも利用されています。

この建築CAD検定試験は、建築関連で必要なCADスキルを証明することができるため、建築業界で働きたい・スキルアップしたいと考えている方におすすめの資格です。准1級・2級・准2級・3級・4級の四つのグレードが準備されており、4級は高校による団体受験のみ実施されています。

建築CAD検定試験の試験内容や難易度・合格率・スケジュール

建築CAD検定試験の試験内容や難易度・合格率・スケジュールについて解説します。

  • 建築CAD検定試験4級
  • 建築CAD検定試験3級
  • 建築CAD検定試験准2級
  • 建築CAD検定試験2級
  • 建築CAD検定試験准1級

建築CAD検定試験4級

建築CAD検定試験4級は高校による団体受験のみ実施されているため、一般の方は受験することができません。建築CAD検定試験4級では、与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレース(模写)する実力が備わっているかを問われます。問題数は全部で3問です。

開催年4回(4月・7月・10月・1月)
受験料3,150円
試験時間2時間

試験内容

  • 柱・壁・間仕切り壁(S=1 / 100)
  • 通り芯・寸法・通り芯記号(S=1 / 100)
  • 壁と窓(S=1 / 30)など

建築CAD検定試験3級

建築CAD検定試験3級では、与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレース(模写)する実力が備わっているかを問われます。問題数は全部で4問です。

開催団体受験:年4回(4月・7月・10月・1月)
一般受験:年2回(4月・10月)
受験料団体受験:1万500円
一般受験:1万500円
試験時間2時間

試験内容

  • 階段平面図(S=1 / 30)
  • 通り芯・寸法・通り芯記号(S=1 / 100)
  • 柱・壁・間仕切り壁(S=1 / 100)
  • 壁と窓(S=1 / 30)など

建築CAD検定試験准2級

建築CAD検定試験准2級では、与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレース(模写)する実力が備わっているかを問われます。問題数は全部で2問です。

開催団体受験:年4回(4月・7月・10月・1月)
一般受験:年2回(4月・10月)
受験料団体受験:1万500円
一般受験:1万500円
試験時間3時間

試験内容

  • 設計者の描いた図面の詳細な指示(S=1 / 60、S=1 / 200、S=1 / 20)を基に平面詳細図(S=1 / 50)および南立面図(S=1 / 50)を完成させる。など

建築CAD検定試験2級

建築CAD検定試験2級は、自分の持っている建築知識を基に、建築図面を作成する実力があるかが問われます。建築一般図を2面作成します。

開催団体受験:年4回(4月・7月・10月・1月)
一般受験:年2回(4月・10月)
受験料団体受験:1万500円
一般受験:1万500円
試験時間2時間

試験内容

  • 設計者の描いたラフスケッチ(平面図)(S=1 / 100)を基に平面詳細図(S=1 / 50)を完成させる。
  • 平面図、断面図、屋根伏図(S=1 / 100)、透視図を基に立面図(S=1 / 50)を完成させる。など

建築CAD検定試験准1級

建築CAD検定試験准1級は、自分の持っている建築知識を基に課題として与えられた建築図面(RC構造など)を建造物の特性を理解したうえでトレースする実力があるかを問われます。建築一般図を4面作成します。

開催団体受験:年1回(10月)
一般受験:年1回(10月)
受験料団体受験:1万4,700円
一般受験:1万4,700円
試験時間4時間10分(設定10分、計画30分、作図3時間30分)

試験内容

  • 配置図、1階平面図、外構(S=1 / 200)
  • 2階平面図(S=1 / 200)
  • 基準階平面図(S=1 / 200)
  • 断面図(S=1 / 200)など

建築CAD検定の勉強方法

建築CAD検定の勉強方法は以下のとおりです。

  • 大学でCADに関する知識を体系的に学ぶ
  • 職業訓練に通って学ぶ
  • CAD専門スクールに通って学ぶ

それぞれについて解説します。

大学でCADに関する知識を体系的に学ぶ

大学で工学部や建築学部に通っている場合には、設計理論や製図規格などのCADに関する体系的な知識を学べます。

職業訓練に通って学ぶ

職業訓練校では、実務を意識した実践的なCADスキルを身につけることができます。3カ月~1年程度のコースが用意されており、建築CAD検定に受かるために必要な知識も学べます。

詳細については職業訓練校を運営している自治体に確認してみてください。

CAD専門スクールに通って学ぶ

CADのスクールに通ってCADの知識を身につけることもできます。CADのスクールでは、個人の目的やレベルに合わせて自由にコースを選べるのが魅力です。

平日夜間や土日開講など、仕事と学業を両立しやすいコースも多く用意されています。費用は他二つと比較して高額になりやすいですが、社会人を続けながらCADについて学びたい人はCADスクールを検討するのがおすすめです。

まとめ

本記事では建築CAD検定の概要とグレードごとの試験範囲や難易度、スケジュールなどを解説しました。

建築CAD検定は建築業界でのスキルアップを目指している方、建築業界でCADオペレーターとして活躍したい方にオススメの資格です。本記事を参考に、まずは3級の取得を目指してくださいね。