AutoCADで集計結果を表にする方法(データ書き出し2)

2025年 5月13日

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AutoCADで集計するVol.4

AutoCADをご使用の皆さま、またこれからAutoCADを使いたいと思っている皆さま、前回の記事では「データ書き出し(DATAEXTRACTION)」というツールを使用した参考事例(1)をご紹介しました。

AutoCADで集計結果を表にする方法(データ書き出し1)

オブジェクトタイプがブロックではなくとも、このツールを使用すると集計し、集計結果を表にすることができました。今回は、ブロックを使用した参考事例(2)と(3)の設定方法と、設定の編集方法についてご紹介します。

集計結果を表として作成する方法

「データ書き出し(DATAEXTRACTION)」は、あらゆるオブジェクトタイプが集計対象となります。

参考事例(1)では、対象は「文字」、集計のキーワードは「画層」と「文字の内容」でした。参考事例(2)と(3)は、集計するオブジェクトタイプが「ブロック」です。「データ書き出し(DATAEXTRACTION)」を使用すると、「カウント(COUNTLIST)」ではできなかった集計のキーワードを使用でき、また細かな表の体裁も整えることができます。

参考事例(2)

前回の記事でご紹介したとおり、参考事例(2)の集計のキーワードは「ブロック名」と「属性値」です。工場のレイアウトにコンセントを配置しています。種別ごとにブロックを作成し、タイプは属性で区別しています。

データ書き出し(DATAEXTRACTION)を実行

1.注釈タブ/表/「データ書き出し」を実行します。

2.「データ書き出しを新規に行う」にチェックを入れ、「次へ」ボタンを押します。

3.「データ書き出し設定に名前を付けて保存」ダイアログが開きます。保存場所を指定し、ファイル名を指示します。今回はファイル名を「コンセント集計」とします。ファイルを保存します。

4.「データ書き出し-データソースを定義」の2ページが開きます。下図のようにチェックし、現在開いているファイルを集計対象にします。

5.「次へ」のボタンを押し、「データ書き出し-オブジェクトを選択」の3ページに進みます。集計するオブジェクトタイプを「表示オプション」で下図のように設定すると、集計対象を属性付ブロックのみに制御することができます。オブジェクト(ブロック名)を「コンセント」と「コンセント(床)」のみにチェックをします。

6.「次へ」のボタンを押し、「データ書き出し-プロパティを選択」の4ページに進みます。右側の「分類フィルタ」で「属性」のみにチェックをします。

7.「次へ」のボタンを押し、「データ書き出し-データを調整」の5ページに進みます。数量の列をドラッグして一番右にします。名前列をクリックし、並び順を変更します。合計が必要な場合は「数量」列の上で右クリックし、集計フッターを挿入/合計で行を挿入することができます。下図は合計行を挿入した場合です。

8.「次へ」のボタンを押し、「データ書き出し-出力を選択」の6ページに進みます。「データ書き出し表を図面に挿入する」にチェックをします。

9.「次へ」のボタンを押し、「データ書き出し-表スタイル」の7ページに進み、必要に応じて表の設定をします。

10.「次へ」のボタンを押し、完了ボタンで表を挿入します。下図のように集計表が挿入されます。

参考事例(3)

前回の記事でご紹介したとおり、参考事例(3)の集計のキーワードは「ブロック名」とパラメーターの「可視性」・「長さ」です。工場レイアウトにダイナミックブロックを使用し、コンベヤーを配置しています。

データ書き出し(DATAEXTRACTION)を実行

1.注釈タブ/表/「データ書き出し」を実行します。

2.「データ書き出しを新規に行う」にチェックを入れ、「次へ」ボタンを押します。

3.「データ書き出し設定に名前を付けて保存」ダイアログが開きます。保存場所を指定し、ファイル名を指示します。今回はファイル名を「コンベア集計」とします。ファイルを保存します。

4.「データ書き出し-データソースを定義」の2ページが開きます。下図のようにチェックし、現在、開いているファイルを集計対象にします。

5.「次へ」のボタンを押し、「データ書き出し-オブジェクトを選択」の3ページに進みます。集計するオブジェクトタイプを「表示オプション」で下図のように設定し、オブジェクト(ブロック名)を「コンベア_R」と「コンベア_ストレート)」のみにチェックをします。

6.「次へ」のボタンを押し、「データ書き出し-プロパティを選択」の4ページに進みます。右側の「分類フィルタ」で「ダイナミックブロック」のみにチェックし、左側のプロパティを「可視性」と「距離1~3」にチェックを入れます。

7.「次へ」のボタンを押し、「データ書き出し-データを調整」の5ページに進みます。数量の列をドラッグして一番右にします。「列の並べ替えオプション」を使用し、並び順を変更します。列の名前の変更は変更したい列の上で右クリックし、「列の名前を変更」で可能です。

8.「次へ」のボタンを押し、「データ書き出し-出力を選択」の6ページに進みます。「データ書き出し表を図面に挿入する」にチェックします。

9.「次へ」のボタンを押し、「データ書き出し-表スタイル」の7ページに進み、必要に応じて表の設定をします。

10.「次へ」のボタンを押し、完了ボタンで表を挿入します。下図のように集計表が挿入されます。

集計表の更新

集計オブジェクトの数に変化があった場合、配置済みの集計表を更新することができます。下図のようにコンベヤーを複数、増やしてみます。

表のデータリンクを更新

集計表を選択し、右クリックのメニューから「表のデータリンクを更新」を実行します。

下図のように、「コンベア幅_400」・「長さ3,000」の集計が4→6に更新され、また、「コンベア幅_400」・「長さ2,000」の集計行が新たに追加されます。

設定ファイルの編集

既存の設定ファイルを編集できます。また、既存の設定ファイルを基に新たな設定ファイルを作成することもできます。

1.注釈タブ/表/「データ書き出し」を実行します。

2.既存の設定ファイルを編集する場合は下図のようにチェックし、次へボタンを押し、設定ファイルを編集します。

3.既存の設定ファイルを基に新たな設定ファイルを作成する場合は下図のようにチェックし、次へボタンを押し、新たな設定ファイルを作成します。

いかがですか? 皆さま、データ書き出し機能を活用すればあらゆるオブジェクトの集計作業ができ、結果を表として挿入できます。難しそうな機能に見えますが、運用ルールを決め最初に設定をすれば、集計作業を効率的に、さらに確実に実施することができます。

今回で「AutoCADで集計する」の記事は最後となります。