例えば、ABSで始まる材料だとリブを3枚入れる、Nylonではリブを2枚、その他の材料の場合はエラーメッセージを表示するというように、指定を制限すればバリエーションをすぐに閲覧することもできる。
【セミナーレポート】設計業務の効率化を促進するテンプレート設計、自動化設計の手法のご紹介
2018年 7月 3日
製造業
2018年5月24日(木)に大塚商会で開催された、Autodesk Solution Day 2018(製造)。設計効率化をテーマにした「設計業務の効率化を促進するテンプレート設計、自動化設計の手法のご紹介」セミナーに参加し、設計・運用ルールの順守の大切さを再考するきっかけとなりました。
本セミナーの内容をレポーティングします。
「3D設計効率的でない」という声を解決するために
オートデスクでは、インタビューを通して、ユーザーが持つ課題のヒアリングと解決の提案活動を行っている。その活動の中で「3Dによる設計作業が効率的でない」という相談をされるようだ。この課題に対して、オートデスクでは次の解決策を提案している。
- 部分的な3次元の活用。
- 設計手法の転換(大枠から詳細へ)。
- 流用率を高める。
- テンプレート設計・自動化設計。
1については、いきなり全てを3次元で始めるのではなく、できるところから3次元化することがコツだそうだ。
設計手法の転換(大枠から詳細へ)
特にチームで設計を行っている場合、全体や上位レベルの概要を決めてから詳細な設計をしていく「大枠から詳細へ」の設計手法が有効だ。
計画設計
設計の概要を全体的に確認し、どのように製作したら仕様を満足する設計ができるかをチェックする。
- 部品構成に問題はないか。
- 強度は大丈夫か。
- 部品配置をどのように行うか など。
トップダウン設計
チーム間で大枠(骨格)を取り決めておき、各設計者は担当となった範囲での設計を進め、最後にメンバーの設計を統合する手法。
- 作り込む前に干渉確認やシミュレーションができ、事前に判断できる。
- 変更が生じた場合もAutodesk Inventor(以下、Inventor)ではメンバーに連絡が一括で届く。
- Inventorでは、自動で統合も可能。
ただし、トップダウン設計を行うには、データ管理ルールの取り決めは必須となる。担当者Aのデータは閲覧だけできるようにするのか、それとも編集できるようにするのかなどの権限の管理が必要。
トップダウン設計の手法
- サブアセンブリ化する単位を決める。
- 2次元スケッチでレイアウトを検討する。
- 3次元空間上に各サブアセンブリを配置する基準を作成。
- 2次元で作成したレイアウトを参考にしながら、サブアセンブリの領域範囲をソリッドモデルとして作成。担当に振り分ける。
- 各担当が作成したサブアセンブリをレイアウトモデルに配置。
- 各サブアセンブリを配置した構想モデルアセンブリを元に、装置の成立性、性能を検討。
- 各サブアセンブリ下位の階層の構想。
流用率を高める
流用設計も3次元設計効率化につながるが、実際には図面の流用率は低いという調査結果が出ており、すぐに見つからないために「探すよりも描く方が早い」という結果になってしまう。
流用率を高めるには、アセンブリの構成や編集中の部品をほかの担当者が不用意に修正しないようにする、データ管理のルールを取り決めることが重要だ。
テンプレート設計・自動化設計
InventorとExcelを連携させ、CADを使わない方でもExcel上でモデルを編集できるようにしたのがテンプレート設計だ。自動実行を追加することでオートメーション化もできる。
例えば、営業が打ち合わせ中に、Excelでパラメーターを変更・保存するとモデルが更新され、その場でお客様にバリエーションモデルを披露することも可能だ。さらに自動実行を追加すれば、見積書ができるといった活用の幅も広がる。ほかにも、次のようなテンプレート設計・自動設計の活用法が紹介された。
Excelの表から値を取得する
- パラメーターから、CrusherWidthとCrusherHightの値をマルチバリューリストから選択。
- 二つの値から呼びを作成。
- Excelの表から呼びと一致する行を検索。
- 一致した行から値を取得する。
アセンブリコンポーネントの省略
パラメーターで指定した椅子の数に応じて、コンポーネントの椅子を省略することもできる。
パラメーターの最大/最小の設定、エラーメッセージの表示
マルチバリューリストからパラメーターを選択させて、適切な設計をさせる
面取りをするかどうかのブール値のパラメーターが変更されると、ルールが自動実行され、面取りフィーチャーが省略、省略解除される。
ご紹介したように3次元設計効率化には、現場の状況を踏まえながら3次元化との両輪を回していくことが大事だと感じた。そして、人がルールを守るのではなく自動的に守れるように、ツール側で仕組みを作ることが効率化につながるとあらためて感じた。
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