AutoCAD Mechanicalの使い方と便利な機能とは
2019年 4月10日
製造業
設計業務を行う多くの企業が課題として抱えているテーマは、設計リードタイムの短縮ではないでしょうか。特に機械設計図の作成は作図者の熟練度により差が出やすいため、ボトルネックになりがちです。
これらの課題を解決するのに適しているのが、AutoCAD Mechanicalです。作図にかかる作業の効率を向上できるという点で、さまざまな企業に導入されています。
この記事では、AutoCAD Mechanicalの特徴や機能、使い方をご紹介します。
AutoCAD Mechanicalの特徴とは
AutoCAD Mechanicalは、なぜ設計の効率化ができるのでしょうか。まずはツールの特徴を見ていきます。
特徴1:機械設計図のためのツールを搭載
AutoCAD Mechanicalには、線種を管理するための画層管理や各種作図支援など、機械設計図の作図に必要なツールが全て搭載されています。
機械設計向けに強化された作図ツールが用意されており、また各種ツールがキーボードによるショートカットに対応していることで、作業効率を向上につながります。
特徴2:頻繁に行う作業をショートカットで省略可能
AutoCAD Mechanicalでは、機械コンポーネントの作成や各種寸法の追加など、頻繁に行う作業をショートカットに登録し、作業の効率化を図ることができます。単純作業を省略することができ、作図時間の短縮につながります。
特徴3:国際的な製図規格に対応
AutoCAD MechanicalはJISやANSIといった国際規格に対応しているため、国内外を問わず製品の機械図面作成が可能です。
また、規格変更があった場合もアップデートによる対応が可能で、最新の規格に沿った作図ができます。
特徴4:70万以上の標準部品ライブラリ
AutoCAD Mechanicalにはボルトやナットといった汎用性が高い部品はもちろん、各種軸受や形鋼など機械設計で多用する標準部品が数多くライブラリに収録されています。
そのため標準部品を一から作図する必要がなく、ライブラリから呼び出すだけで図面内に挿入ができます。標準部品ライブラリがあれば、作図者のレベルに関係なく作図作業を短縮することができるでしょう。
AutoCAD Mechanicalの機能
汎用CADでの作図は、熟練度によってリードタイムに差が生まれます。
しかし、AutoCAD Mechanicalの機能を利用すれば、複雑な処理も簡単な操作のみで済ませることができ、作図の効率化に役立てられます。
この見出しでは、搭載されているさまざまな機能とその利用用途についてご紹介します。
画層管理
AutoCAD Mechanical独自の画層管理機能を使えば、さまざまな線種で構成される複雑な機械図面でもスムーズに作図ができます。また、画層ごとに作図をすることで、作図ミスの低減にもつながります。
隠線
AutoCAD Mechanicalで作図した隠線は、モデルに変更が生じた際に自動で修正処理が行われます。
これにより、手書きによる再作図を最小限に抑えることができます。
カスタムコンテンツライブラリとパブリッシュ
「形鋼に面取りエッジを施す」などの標準部品にはない処理でも、事前にカスタムコンテンツライブラリに登録しておけばスムーズに行えます。
加えて複雑な処理も一度登録さえしておけば、それ以降は呼び出して使用することができます。
コマンドのプレビューとコンテキストメニュー
コマンドを実行した際に、オブジェクトがどのように変化するかを事前にご確認いただけます。事前確認することで、作図の工数の低減につながります。
パワフルでスマートな寸法ツール
AutoCAD Mechanicalには自動寸法記入機能が搭載されているため、寸法の記入作業に時間が取られることがありません。寸法記入は熟練者であっても時間を取られる作業の一つであるため、作図時間の大幅短縮につながります。
自動バルーンと部品表作成機能
バルーンと部品表についても、AutoCAD Mechanicalであれば自動で作成することができます。作図時間短縮になるのはもちろんのこと、バルーンや部品表の記載ミスを減らせるでしょう。
AutoCAD Mechanicalを使うメリット
各設計段階において、作業効率の向上は少しでも行いたいところですよね。
AutoCAD Mechanicalの機能を活用することで、作図者はもちろん、プロジェクト全体にとっても次のようなメリットがあります。
- 作図・注釈作業の時間短縮
- 設計とエンジニアリング作業の効率化
- 使用コマンドの削減
標準部品ライブラリや作業のコマンドの自動化など、利便性の高い機能によって作業時間の短縮につながるのは大きなメリットです。設計とエンジニアリングではトライ&エラーを繰り返すこともあるため、都度機械図面の修正を行わなければならない場面でも大いに活躍します。
設計の業務効率化が実現する
AutoCAD Mechanicalの特徴や機能をご紹介してきました。設計リードタイムの短縮に課題を抱えている場合、各種機能を利用して効率化を図ってみてはいかがでしょうか。
多くの企業で実績があるように、AutoCAD Mechanicalの導入による設計環境の改善は顕著です。業務効率を最適化するのに役立つAutoCAD Mechanicalの導入をご検討してみてはいかがでしょうか。